UKまだまだロックダウン日記/楠本まき
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
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UKまだまだロックダウン日記/楠本まき

5月12日
これまで政府がとった新型コロナウイルス対策を検証する、独立調査委員会を来年春に立ち上げるとボリスが発表。つい、検証するというだけで感心してしまったが、来年?遅いんじゃー、責任逃れのためだろう、と野党や国民からは非難轟々で、そうか、そうですね、と思う。

血栓ができるリスクがわずかとはいえ確実にあるということで、UK内でも最近はアストラゼネカよりもファイザーのワクチン提供が増えてきたようだ。UKがどうやってワクチン接種を世界に先駆けて進めることができたか、というドキュメンタリー番組の中で、オクスフォード大・アストラゼネカの研究チームの人が、アストラゼネカワクチンが他に比べて格段に廉価なことについて「パンデミックのワクチンで儲けるなんて、息子が許してくれないよ」とニコニコしながら言っていたのを思い出し切ない気持ちに。世の中はなかなかうまくいかないものだ。
UKのワクチンの承認が早かったのは、試験のステップを飛ばしたわけではなく、一つ通ったら次の段階へ、という従来の試験方式を、オーバーラップさせて進めていくことで、結果待ちの時間を削減。試験自体は一切省略も妥協もしていない、ということで、いろいろ失敗してきてはいるけれど、少なくともワクチンに関しては有能な専門家チームによって非常に効率的に粛々と準備されていたことがわかる。
独り占めするなとEUに厳しく非難されたりしつつも、ワクチンロールアウト作戦は順調で、成人の67%が1回の接種終了、35%が2回終了。今後はワクチンの行き渡っていない「貧しい国」にどれだけ提供していくか、に話が移ってきている。

5月17日
感染者数も減り、1月から続いていた3rdロックダウンの緩和第3弾(第4弾まである)開始。何人まで家の中で会っても良いとか、戸外ならどうとか、もうよくわからないので追っていない。多分6人まで?

5月26日
ボリス・ジョンソンの元側近、BREXITの参謀だったドミニク・カミングスが政府(ボリスと、特に保険相マット・ハンコック)のパンデミックに対する無策を暴露し、そのせいで何千何万という死ななくてもいい人たちが死んだと下院科学技術委員会で7時間に渡り供述。カミングスのキャラクターのせいで奇妙な芝居を見せられているよう。またカンバーバッチでドラマ化するといいと思う。

6月1日 
全英でコロナ関連死者ゼロ!

6月7 日
旅行に行って帰ってきても自己隔離せずに済む国(グリーン国)だったポルトガルが一転、隔離の必要な国(アンバー国)の仲間入り。急遽旅程を切り上げた人々が帰国フライトに殺到。6月21日にロックダウン解除、完全に普通の生活に戻る、という当初のシナリオは延期になりそうな気配。

京都国際マンガミュージアムとzoomでつないでインスタレーションの最終確認。展覧会が決まった2年前にはこんな事になるとは流石にこれっぽっちも思っていなかった。

デルタ株の影響でマンチェスターなどがまたフルロックダウンに近い状態(県境を越えないよう勧告。罰則はなし。)になる。今は感染者数を増やさないためというよりも、行き来が多くなると新たな変異株を生む危険性が高くなるからそれを警戒しているということ。なるほど、と思うとともに、オリンピックを思い暗澹たる気持ちに。

6月10日
展覧会オープン。「オープン前に人が並んでいるのは久しぶりで嬉しくなりました」と展覧会担当のユーさんからメール。京都も緊急事態宣言で5月末まで美術館は閉じていたのだった、と思い出した。

6月14日
ロックダウンの完全解除は7月19日まで延期に。その情報をボリスが、国会よりも先にプレスに伝えていたということで下院議長が「議会を踏みにじる行為だ」と激怒していた。
延ばした1ヶ月のロックダウン期間中にワクチン接種をより進めることで乗り越えようという考え。

6月16日
デルタ株による第三波が来ているということが確実に。ピークは7月から8月になるだろうと科学者が予測。全国の感染者数が数百まで下がっていたのもつかの間、1000人を超えたと思ったらあっという間に9000人に。また最初からか、という感じ。
デルタ株には1回接種だけではワクチンの効果が極めて薄いということで、当初の第一回接種と第二回接種の間12週間(一度はワクチンを打った人をまず増やすことが目標)という英国独自のスケジュールは、8週間に短縮となった。

6月21日
G7の後、開催地のコーンウォールで感染者が2,450%の増加。主にワクチン接種の終わっていない、サービス業に従事する若者の間で激増したらしい。

6月26日
成人の83%が1回の接種終了、61%が2回終了。

週末、18歳以上の誰でも予約なしで最寄りのサッカースタジアムなどで接種ができる “GRAB A JAB”というキャンペーンを各地で展開。

保険相マット・ハンコックが、(自分が設定した)ロックダウンのルールを破っていたことが昨日発覚し、フニャフニャっと謝って有耶無耶にしようとしたが本日夕方辞任となった。安いドラマとボディーバッグ。

<1月26日のメモ>
1日の感染者数 20,089人
1日の死者数 1,631人
総死者数 100,162人
1回目ワクチン接種者数 6,853,327人
1日のワクチン接種者数 279,757人

<6月26日に発表された6月24日のデータ>
1日の感染者数 18,270人
1日の死者数 23人
総死者数 128,089人
1回目ワクチン接種者数 44,078,244人
1日のワクチン接種者数 358,690人

楠本まきさんの去年の日記はこちら

楠本まき(くすもと・まき)
漫画家。英国在住。1984年、高校1年の春休み『週刊マーガレット』でデビュー。86年お茶の水女子大学入学とともに上京。21世紀になった頃、昼夜逆転と〆切に追われる生活形式に限界を感じ、ロンドンに3ヶ月住んでみることに。その後、1年の半分ほどをロンドン残りを東京で暮らしていたが、いつの間にか移住者となり今日に至る。2020年7月『赤白つるばみ・裏 / 火星は錆でできていて赤いのだ』(集英社)上梓。2021年6月10日から8月30日まで京都国際マンガミュージアムにて個展『線と言葉・楠本まきの仕事』展を開催中。


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