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「政治をめぐる文化そのものを変えていく」岸本聡子杉並区長インタビュー【後編】(仕事文脈vol.21)

2022年6月19日に行われた杉並区長選挙にて、現職区長をわずか187票差で破って当選した岸本聡子さん。私も在住歴10年以上の区民として固唾を呑んで選挙の行方を見守り、杉並区初の女性区長が誕生した瞬間は思わず叫んでしまうほどの歓喜だった。応援していた候補の当選は素直にうれしい。でも、「選挙に勝った! わーい」で終わらせてはいけないよな……とも思う。これからの杉並区はどうなっていくのか。暮らしと政治をつなげていくためには何をすればいいのか。そんな思いを携えて岸本区長に話をうかがった。(取材・文:清田隆之)

分断を煽る文化や風潮を問い直す「政治のフェミナイゼーション」

──著書『私がつかんだコモンと民主主義』(晶文社)では、ロスジェネ世代として〝新自由主義〟に翻弄された岸本さんの半生が綴られていました。自己責任、小さな政府、民営化、規制緩和、競争促進……といったキーワードが飛び交う社会で20〜30代を過ごした自分にとっても他人事ではなく、だから「政治が何かをしてくれる」という発想を持つことができなかったのか……と、改めて痛感しました。

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