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足趾について考えてみた【前編】

こんにちは、だいじろうです。

今回は臨床に直結する知見というわけではなく、私見となりますので全文無料公開とさせていただきます。今月中旬頃に【後編】として後述している具体的なアプローチについて解説note公開させていただきます。最後までお読みいただき【後編】が気になる!という方はぜひ定期購読いただけると嬉しいです!


さてさて、足部・足関節疾患に限らず、下肢機能に対して介入しようと思ったとき、足部機能についてもいろいろと考えることがあるかと思います。


そして足部機能のなかでもとくに足部アーチについて考えることが多いのではないでしょうか?


足部アーチの機能を高めていくために足趾のグーパー運動やタオルギャザーなどで足趾屈筋群の機能を強化しようとされることもありますよね。

私も臨床においてそれらのエクササイズは多用しています。


私は足部機能について考えることが好きなので、この足部機能をもっと効率的に高めていくためにどうしたらいいかなといろいろと考えているのですが、最近は足趾機能について深く考えるようになりました。


「深く」と書いてますが、実際に考えをまとめてみるとかなり当たり前のことで、これまであまり考えられていなかったなと反省しています。


そこで今回は、その足趾機能について私がどう考えているかについて紹介していきたいと思います。




足趾屈筋群の機能について


前述したとおり、足部機能のなかでも足趾機能についていろいろと考えているのですが、その捉え方が結構難しいなと感じています。


足部機能で言えば、アーチ機能が注目されがちです。

もちろんアーチ機能について考えていくことは大切ですが、そのアーチ機能の関係する部分として足趾屈筋群の外在筋・内在筋があります。


足部の外在筋と内在筋の機能においては、足関節の肢位に着目して考察されることがあるかと思います。


たとえば足趾のグーパー運動やタオルギャザーにおいては、足関節背屈位では足趾屈筋群の外在筋が参加しやすくなり、足関節底屈位では足趾屈筋群の内在筋が主に作用することとなります。

いわゆるテノデーシスアクションですね。

#学生時代は手のデーシスアクションだと思ってた


以前は足趾のグーパー運動やタオルギャザーは背屈位で行われることが一般的でしたが、テノデーシスアクションの機能を考慮して底屈位でも行うことの重要性が言われはじめたかと思います。

▼▼▼足趾のグーパー運動について▼▼▼

▼▼▼タオルギャザーについて▼▼▼



実際に背屈位と底屈位とでグーパー運動やタオルギャザーをすることが効果的だなという印象はあります。

ですが、それ以外にも気にしないといけないことがあるかと思います。


それは足部アーチと足趾の肢位の関係性です。




足部アーチと足趾の肢位の関係性

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足部アーチに関しては、扁平足やハイアーチといった判断がよく用いられるかと思いますが、よくよく考えるとアーチ高の変化に伴って中足骨の傾斜角(床面や足底面と中足骨長軸のなす角)は変化します。




ということは、とくに接地時を考えると足部アーチの高さが変わることで足趾の屈伸角度も変わるのではないでしょうか?

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矢状面上で考えると、足部アーチが低下するということは中足骨の傾斜角は小さくなるため、足趾は屈曲位となります。


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逆に足部アーチが高くなるということは中足骨の傾斜角は大きくなるため、足趾は伸展位となります。

※こちらはハイアーチということではなく、本来のアーチ高より高くなった場合です。


基本的には荷重に伴って足部アーチが低下してしまうようなストレスが加わるため、ほとんどの方で足部アーチはその人本来のアーチ高よりも低下傾向にあると考えています。

ということは、見かけ上は中間位のようにみえる足趾も実は屈曲位を呈しているかもしれないということになりますね。


足趾が屈曲位となるということは、足趾屈筋群は総じて短縮位を呈することが考えられますが、アーチ自体が低下しているので、足部内在筋は伸張位を呈することも考えられます。

内在筋の肢位においては、足趾屈曲位による短縮の程度とアーチ低下による伸張の程度を加味して判断する必要がありそうですね。

(イメージ的にはアーチ低下に伴う伸張の程度の方が大きそうですが)


また足部アーチが低下するということは、後足部(踵骨・距骨)は前傾するので、足関節は底屈位となり、外在筋が短縮するため作用しづらくなることが考えられます。


こういった点から、足部アーチが低下することが足趾屈筋群になんらかの影響が生じることが考えられ、とくに外在筋においては作用しづらくなることが考えられます。

その足趾屈筋群が作用しづらいことによって足部アーチがさらに低下しやすい環境になることも。。。


また、前額面上で考えると、足部アーチが低下すると内側列は回外位、外側列は回内位を呈しやすくなることが考えられます。

これによって足趾屈筋群による収縮力がアーチ保持に作用しづらくなることも考えられますね。

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それらの点を考慮すると、足部アーチを高めるために足趾屈筋群の機能を強化していこうと考えたとき、足趾屈筋群を強化するためのエクササイズを実施することは大切なのですが、その前に足趾屈筋群が作用しやすい環境を整えるということも重要だと思います。


足趾屈筋群が作用しやすい環境というのは、端的にいえば「足部アーチを高めた状態」ということですね。


私は「足部アーチを高めた状態」にするために、弾性包帯やテーピングを用いていきます。

症例によって一時的にインソールなどで対応することもあります。


この辺については今月中旬に公開する【後編】で詳しく紹介していきたいと思います。




まとめ


筋機能を考慮するとき、その関節肢位と筋長との関係性なども考慮していくと、いろんなことが見えてきますね。

実際に言語化してみると「当たり前じゃん」と思いましたが、それだけ普段考えきれていないってことなんですよね。


反省。。。

足部機能に限らず、機能についてはもっと深く考えていきたいと思います。


前述した通り、今月中旬に【後編】として、足部エクササイズを効率的にするための対応について解説していきますので、詳しく知りたい方はぜひ定期購読をお願いいたします。


ではでは、また次回をお楽しみにー


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