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エピソードを掘り下げるためのNPS補足質問の作り方、データの取り方

NPSは、スコアの数値だけでも他商品や他社、他業界とも比較できて便利だけれど、数値を出しただけではあまりアクションには結びつかない

家族や友人に「なぜ奨めたいと思うのか」の自由回答部分にヒントが隠れていることが多い。

ただし、ここにはひとつ課題がある。

自由回答で掘り下げるエピソードの質だ。

アンケートパネルの課題・・「誇張されるエピソード」

昨今ではアンケートパネル等、アンケート回答することでポイントがたまるなどの層に対してアンケートを行うことが多いと思う。

が、この層の回答では「もらう」ための動機が働いてしまい、推奨理由などがやや過大に誇張されることがある。

食品や調味料のカテゴリは、いわゆる低関与商品(最寄り品)にあたり、生活者自身があまり購買の理由を明確に意識していないことが多い。そのため、推奨度や愛着度の理由を聞いても、あまり言語化されていない人が多い(その対策は後段で述べる)。

そこに誇張されたエピソードが入り込むと、信頼できるエピソードの比率がかなり低くなってしまう。

これは家電や車など、購入にあたって生活者自身がいろいろ調べて買うカテゴリ(高関与商品、買い回り品)とは少しデータの性質が異なる部分だと思う。

自社パネルやオーガニック回答の課題・・「不十分なエピソード」

その一方、事業会社が自社でつかまえている会員など、アンケート慣れしていない層に対しては、単に理由を聞くだけだと「美味しいから」「便利だから」と言語化が不十分な回答が帰ってきてしまい、あまり参考にならないことが多い。

自分が会社で扱っているデータも、回答層はここの層だ。

そこで、自由回答(≒FA)部分を2段階に掘り下げるという手法をよく使っている。

この商品を、家族や友人におすすめしたいと思いますか?(SA、11段階)
上記の理由(FA)
その具体的なきっかけとなったエピソード(FA)

どちらのFAに厚めのエピソードが書かれるかはわからないけれど、これによって抽出できるエピソードの量は体感で2倍か3倍くらいにはなる。

「SnapDish料理カメラ」というサービスを運営しながら書いています。