最悪だった去年の夏が宝物になった

私が働いているのは小さな職場で
常にラジオが流れています。

8月の終わり、ベタなリクエスト
フジファブリックの「若者のすべて」が沁みます。

この曲を聴くと怒涛だった去年の今頃を思い出します。

7月下旬、大好きだった彼とお別れしました。

本当に本当に苦しくて
自分から決めたことなのにすぐに復縁したいと思いました。

その時私の恋愛相談や失恋の悲しみに寄り添ってくれた
大切な友人（男性）もできました。

音楽好きな私にその友人が勧めてくれたのが
フジファブリックでした。

「若者のすべて」も彼から知った曲でしたが
「笑ってサヨナラ」という曲がまぁ刺さりました。

我慢していた涙を全て流しました。

その友人の前ではたくさん泣きました。

女友達の前では強がってしまう私も
彼の前では別れを後悔していることも
だからと言って復縁する勇気もないことも
全てぶちまけることができました。

念の為付け加えておくと
その友人とは一切男女の関係はありません。

結局元彼には別れから1週間後くらいに連絡して
LINEで別れてしまったから最後に伝えきれなかったことや
本当は復縁したいことも含めて
話がしたいと伝えました。

ちょうど元彼の仕事で大事な時期と被っていたこともあり
１か月後くらいにならということで
彼からの連絡を待つ時間が始まりました。
本当に連絡をくれるかもわからないままでした。

お盆を過ぎた頃に私がコロナに感染し
10日間も一人暮らしの狭い部屋で過ごす羽目に。

その時間にもいろんなことを考えました。

いろんな音楽を聴きました。

自宅療養も後半になると
何かしなきゃという思いに駆られ
今までずっと始めたかったけど
挑戦できていなかったことを
勢いで始めて今でも細々続けています。

あと数日で外出できるというタイミングで
元彼から連絡が来ました。
泣くほど嬉しかった。

元彼はその仕事の大事な時期が終わると
県外に異動になることが交際前から決まっていました。

あと数日でここを離れるというタイミングで
元彼と会う約束ができました。

元彼と再会する前日、日が短くなってきた夕刻に
「若者のすべて」を聴きながら夕焼け空の下
ふらふらと近所を散歩しました。

まだ元彼と付き合っていた頃から今まで
この夏は本当に苦しくてしんどいことが多かった。

明日彼はどんな風に接してくるのかな。

私は彼に何を話したいのかな。

そんなことを考えながら、夏の終わりを感じていました。

久しぶりに会った彼は相変わらず大好きな彼でした。
良くも悪くも何も変わっていませんでした。

この人はこの先も変わらないんだなと気がつきました。

結局その日は復縁も絶縁も答えが出ないまま
彼は県外に旅立っていきました。

その数か月後、私は別れを決めました。

「若者のすべて」を聴くと、あの夏を思い出します。
きっとこれから先も思い出し続けます。

あの夏を思い出して感じることは、
今がこんなに幸せなのが不思議で奇跡だということです。

仕事も恋愛も遊びも全てにおいて
今年は完璧で最高の夏でした。

たった1年でこれだけ人は変われる。

辛いことがあってもいくらでも前向きになれる。

それを学んだ去年の夏は、ある意味私の宝物です。

「過去は変えられる」って
きっとこういうことを言うんだろうな。