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茨城県稲敷市地域おこし協力隊になりました。

はじめまして、稲敷市地域おこし協力隊の髙木佑恭と申します。市の名産品である江戸崎かぼちゃの生産者になるための農業研修を行っています。
本稿ではそこに至るまでの経緯をお話しします。

理系大学生→→農業

 東京都練馬区で生まれ育ち、大学卒業後1年間のギャップイヤーを挟んで茨城県稲敷市で地域おこし協力隊として江戸崎かぼちゃ生産者となるための研修に取り組むことになりました。
 大学では化学を専攻するも、精密な実験操作がうまく実行できず挫折。就職活動のさなか、進路選択として「農業」を検討し始めました。5年次在学中の夏休みに農業インターンシップ制度を利用して農業を体験し、新卒としての進路を「農業」とすることを決断。大学卒業後はひとまずフリーターとして引越業に従事しながら、自分が「どこで」「どんな」農業をしたいのかを検討する活動を行いました。

一期一会の自転車旅

 具体的には、まず自転車で関東各県の新規就農相談センターや農業普及センターを歴訪し、各地域の農業の特色や求人の情報収集を行いました。その中でご縁があった数軒の農家で数日間の短期研修を実施し、実際にどこで就農するかを検討しました。最終的に江戸崎かぼちゃでの新規就農を選択した理由は、条件面等いろんな意味で都合がよかったこともありますが、「人とまちがとても素敵だったから」という部分が大きいです。
 実は稲敷市は自転車旅の初日の目的地であり、旅の中で唯一再訪した場所でもあります。なぜ再訪したかといえば、最初の訪問時、農業についても自分のビジョンについても、何もはっきりしていない私に対しても、市役所の農政課の職員の方がとても親身になって相談に乗ってくださったためです。担当の方は訪問した翌日に電話までして江戸崎かぼちゃと地域おこし協力隊制度のことを紹介してくださいました。後から振り返ってみても、ここまで丁寧な対応はなかなかなかったように思います。再訪した際には市役所ではなく普及センターを訪れました。そこで対応してくださった新規就農担当の職員の方もとても親しみやすい方で、当時、先に協力隊としてかぼちゃの研修を行っていた先輩の畑に連れて行って紹介してくださいました。スピード感がすごい。その先輩も聡明で誠実な方で、と、とにかく出会ったすべての人がとても魅力的だったのです。また、稲敷市というまちは、現協力隊メンバーでサイクルツーリズムに関する事業をやっている方もいるほど自転車フレンドリーで、霞ケ浦を望む絶景に心を奪われました。この自転車旅で稲敷市はかなり魅力的に映り、直感的にここが自分の居場所になるという運命を感じたのでした。

サイクリングロードから望む霞ヶ浦

夏の短期研修

 普及センターを訪れた際に、短期研修を受け入れてくださる話が持ち上がり、夏に、ある部会員さんのもとで3日間の短期研修を実施しました。市のバックアップ体制もものすごく、ホテルと送迎の車を手配してくださり、江戸崎かぼちゃを街全体で大事にしようという本気度が伝わってきました。短期研修では、収穫と出荷作業を見学させていただき、かぼちゃ部会のいいものを作るための連帯感や生産へのこだわりについて熱い話を聞くことができました。実際のかぼちゃも説得力しかなく、これまでに食べたことのないホンモノのかぼちゃの味がして感動しました。
 自転車旅でもお会いした協力隊の先輩とも、今度はじっくりお話しする時間が取れて、協力隊制度を利用して農業研修を行うイメージがはっきりとわいてきました。
 この短期研修では、部会の人たちがみんな誇りをもって誠実にかぼちゃづくりを行っていることがひしひしと伝わってきました。そうした農業人としての態度に尊敬と憧れを覚えたことが最終的に江戸崎かぼちゃでの就農を目指す決め手となりました。

収穫してきたかぼちゃ

フライングでのスタート、そして着任

 かぼちゃの栽培暦は1月の播種から始まるので、1月からの研修を希望しました。しかし、協力隊としての採用は年度初めからしかできないということで、自費で1月から3月までの研修を行うことを提案しました。夏に短期研修を受け入れてくださった方が、今度は寝泊まりする部屋(だけでなく、移動に使う車などたくさんの必要物資)を貸してくださるという、ありえないほどの厚遇をもって受け入れてくださり、私の農業研修はとんでもなく恵まれた形でスタートしました。そして4月からは正式に地域おこし協力隊として、市役所の担当者、部会員の皆さん、農協、普及センター、協力隊の先輩方に支えられて、毎日元気に楽しく活動できています。

今は莫大な恩を享受しているだけになってしまっていますが、これに報いるべく身を粉にして働きたいと思い、日々活動しています。よろしければ応援してくださるとうれしいです。


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