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やっぱり紙の本が好き

もはや以前ほど電子書籍に対する偏見はない。
アレルギーもかなり薄れてはきた…
(あっという間にスペースを圧迫していく雑誌の類は、電子書籍の方が見やすいな…なんておもうくらいにはなりましたよ。
サイズを大きくできるのもいいよね)


が! それでもやはり紙の本の特別感ったらない!

今回、改めて実感したのがこちらの『税金で買った本』

不良少年を主人公に、図書館を舞台にしたお仕事漫画なので、
そりゃあもう紙の本に対する原作者、マンガ家、関係各社の愛が随所に溢れている。
一度でも図書館を利用したことがある人、図書委員などの経験がある者からするとニヤリとするだけでなく、ホロリときてしまうのは当然として、内容以外の部分で…

このタイトルロゴのラベル感
カバーしたのデザインの「ああー…!」って膝を打ちたくなる感
出版社名の部分のときめき! ホンモノの図書館の本と並んでも遜色がない。
カバーのつや感もブッカー(本のコーティングをするシート)っぽくみえてくる

この…細部にまでこだわりの感じられるデザイン!
装丁を担当した方に出会ったら、きっと戦友を讃えるように強い握手を求めてしまうに違いない。

そもそも、こう、誰かのプロ意識感じる動きにはいちいちグッときてしまう癖なので…

「最近はもう電子書籍でいいって人多いですよね。
 でも、紙の本のよさって絶対あるじゃないですか?
 手に取れるところとか、紙の手触りとか、存在感とか…
 もちろん手間暇がかかりますよ?
 場所もとりますし…
 コスパで言ったら悪いかもしれません。
 ただ、こんな時代に、
 あえて紙の本を選んでくれる方もちゃんといらっしゃるワケですから、
 その期待にはできる限り応えたいんですよね」
と、担当者の静かに微笑む様が目に浮かぶ。(妄想)


ちなみに、我が家で簡単に調べてみたところ、カバーしたデザインは意外と徳間文庫、新潮社文庫が近かった。
(もっとかなり近い印象のやつがあった気がしたんだけどな…?
 …昔のコミックか…?)

そういえば講談社文庫のはこんなんでしたわ



もう1点、本棚に並べて嬉しい漫画…『三日月よ、怪物と踊れ』

フランケンシュタインとその作者をモチーフにした、アクションエンタメ。ともすれば重くなりすぎるテーマを内包しながらも独特のキャラ性と描写でテンポよく、アツく読ませるのはさすが藤田和日郎。
(はやく続きが読みたい)

こちらはシリーズものということで、基本的には今までのデザインを踏襲し、古い洋書風のつくりになっている。
が、それぞれの時代背景やテーマなどに合わせて微妙に装飾が異なっているのがニクイ。

それぞれの1冊目を並べてみた
裏も凝ってる

カバーの紙は一般的なコート紙(ツルツルしたやつ)系ではなく、
ちょっとザラザラした手触りの紙に金の箔押しが施され、高級感が感じられる一方、シミや汚れ、布のほつれやかすれまでも印刷されていることで、よりアンティークな洋書らしい風合いが見事に演出されている。
この作品の舞台である「黒博物館」の棚に陳列されていても違和感がないものというイメージなのだろう。しびれる。

これらは、どんなに頑張っても電子書籍では得られない価値だ。
というか、電子書籍でそこは頑張らなくていいのだ。
電子書籍には電子書籍の良さがある。
例えばウィダーインゼリーの10秒チャージみたいに、
例えばサプリメントや点滴のように、
必要な栄養だけをサクッと与えてくれたら充分なのだから。

では、紙の本はどうか?
「中身だけあればいい」という時ではなく、
1ページ1ページしっかり味わいたい時に、
宝物にしたい作品を手元に置いておきたい時に、
ここぞという時のご褒美として、末長くそばにいて欲しい。
今後ますますそういう特別感が求められていくのではないだろうか。

電子書籍と紙の本は対立概念ではないのだ。
お互いがお互いに補完しあえる関係なのだ。
協力しあえば、きっともっと素敵な「本体験」が広がるとおもう。

どんなに安くてうまいファストフードや便利で効率のいい食材、加工食品が現れようと、街の料理屋さんが駆逐されたりしないように、
紙の本もきっと無くなったりはしない…
多少の願望は入っている自覚はあれど、そうおもう。

だから、関係各位に敬意を表し、微力ながらも応援すべく、
また新たに本を買いにいくのだ。
(ああ、でも、片づけも進めないと…ほんとに置く場所が…どうしよう)

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