一緒にポッドキャスト撮りませんか?と言われた話
全社会議でそう言ってくれた彼女は、僕と真逆の人間のように思えた。僕は黒縁メガネで髪も短いし、別に整った顔じゃない。服だけちょっと変わっててmark gonzalesを着ていた。
見た目はいわゆる陰キャ。web企業にソフトウェア開発者として入社した。
一方、話しかけてくれた女性はニコニコで、パーマの髪に塗られたジェルが光沢を放っていていた。服は全身真っ黒だが、全パーツが個性を持っており、よく似合っている。
見た目はいわゆる陽キャ。バンドとか好きそう。まあ、バンドなら僕も好きだけど。見た感じマーケティングとかデザイナーかな?と思ったが、「セールスのXXです!」という言葉に自分の無能さを痛感した。
さて、彼女がポッドキャストの相方に立候補したのは、もちろん募集したからなのだが、それは僕の自己紹介での戯言がきっかけだ。
半分本音、半分戯言だったが、まさか本当に見つかるとは!休み時間に僕たちはポッドキャストについて少しだけ話した。ゆとたわが好きだとか、最近はコテンラジオを聴いてるとか、OVER THE SUNをぜひ聴いて欲しいとか。
もうポッドキャストなんてどうでもよくなった。こんなにも素敵な人と話せるなんて!しかも趣味がめっちゃ合う!これは…..ワンチャン…..?!と思った。許してほしい。こっちは男性onlyのチームで仕事を半年も続けていて、その前は電気系の研究室だったんだから。
休み時間が終わった後は、代表の話を聞いたり、これからの経営方針を聞いたり、うちの会社は今危機だとかいう話を聞いたりして18時になった。
よし!懇親会だ!あのお姉さんとポッドキャストについてもっと語ろう!と思ったのだが残念。聞いてみたところグループがいくつかに分かれてるらしく。僕と違う飲み会グループらしい。「また今度話しましょうね!」という言葉と共に去ってしまった。
比丘たちよ。これはもうヤケ酒しかないのです。僕は絶望し、神を恨みました。結局3次会まで出席し、6時間ほどぶっ通しで飲み続け、泥酔した状態で帰路に就いたのです。ここで一句。
それから一週間、なんの変哲もない開発をしてただただ時間が過ぎるだけだった。「立候補します!」という言葉が脳裏に焼き付いてしまい、仕事以外の時間は大体ポッドキャストのことを考えていた。スプレットシートに話したいことを40個も書いてしまったし、"ポッドキャストができるまで"という番組も聞いた。
僕はふと思った。「彼女は去り際に「また今度話しましょうね!」と言ってくれたが、今度っていつだろう。一ヶ月後?次の集まりがある半年後?後者だったら最悪だ」と
結局、金曜日16時30分。チャットを送ってみることにした。
16時からこのチャットを送るまで仕事が手につかなかった。ちなみにこの後も仕事が手につかなかったので、約3時間無駄になった。
チャットを送って40分が経過した。今日はもうあがってるのかな…それとも俺が嫌いだから….そんなことを思ってたその時!返信が来た。
また今度!とは言ったが連絡するって言ってたっけ。と思いながら愉快な返信に安堵する。その後、やりとりをして、結局ランチすることになった。
このランチは一種の試験だろう。話し相手として、僕が相応しいのか。話し手として優秀なのか。
ランチが終わったらまた一筆書こうと思う。
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