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仕事と生業

農家の方の考えで仕事と生業はこう分ける。
「仕事はこれから田んぼにするところを耕したり草むしりしたりする事。
 生業は野菜や米を作ったり、それを売ったりする事。」
仕事は未来の為、すぐにはお金にならない。
生業は生活の為、今日、明日を生きるのに必要な事という意味だそうだ。

僕の親戚は農家だ。ぶどうを作っている。
ぶどうの出荷時期が夏休みに重なっていて、収穫、梱包、出荷と忙しそうにしているのを尻目に盆地の暑さにうなだれていた幼少期を思い出す。

農家の1年はその時期が忙しいだけで冬は暇なのかな。と思っていたがそうでもないらしい。
冬の時期は草むしり、春になると剪定(枝を間引き栄養を集中させて実を大きくする為)、それが終わればジベレリン処理を行う。
気づいたら収穫の時期といった具合だ。
(身内だけで作っているのでもっと余裕のある方はいると思いますが。)
ちなみに出荷に至らなかったぶどうは近くの醸造所にお願いしワインとして家族で楽しんでいる。
ぶどうの出荷に関わることは生業。
販売していないワインは仕事といったところか。

僕の人生に照らし合わせてみる。
音楽はまさに仕事だ。
30分のライブをするために何時間もスタジオで練習するし、個人の練習も累計で言うと何百、何千時間なのか。。。
それだけやっても赤字のライブもあるからしんどい。。

しかしそんな経験が生業に繋がる事もある。
技術が上がればサポートを頼まれてお金を頂けるし、楽器屋時代は知識を活かし
販売に繋げる事が出来た。
それに今の生業はコーヒーの販売だが取り扱っているのは普通のコーヒーではない。
「music coffee」と題し音楽をテーマにブレンドしたコーヒーなのだ。
これは適任だ!と思い応募したら採用された。

【捨てる神あれば拾う神あり】
昔の人はよく言ったものだといつも感心する。

音楽を生業にする事が出来なかった僕にも音楽との関わりを断つことなく生活を
送れる事に非常に感謝している。
副業から複業へというのが目標なのでこのありがたい状況で自分自身を耕し、
コーヒー事業、演奏活動共に拡大させていきたい。

最後に、、
ぶどうのジベレリン処理を手伝った事がある。
ぶどう棚は少し低く150cm程か、腰をかがめ一房ずつ処理をする。
慣れない体勢とその数の多さで非常に大変だったが、ぶどう棚の隙間から差し込む夕日がキラキラしていてとても綺麗だった。

あの夕日を見に行こう。
デスクの先にあるかもしれない、地下のライブハウスでも見れるかもしれない。
あのキラキラした夕日を。

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