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花火が縮めた君と僕

花火を見ると思い出してしまう

楽しかった君との思い出を


会社帰り毎日のように行ったお散歩

人形町から上野まで歩いたこともあった

手を繋ぎ君の横顔を見つめながら歩くのが

当たり前の日々だった


初めて手を繋いだのは花火大会

強引に誘ったのを覚えている

それまで何度か食事には行っていたが

休みの日に誘ったことはなかったから


どうしても君と花火を見たいんだ

何かを感じとったように

君は身構えた


君がいいよって言ってくれた時は

飛び跳ねて喜んだ


何を着ていこうか

どこから見ようか

君とのことを考えることは

全てが楽しくて仕方なかった


お昼過ぎに待ち合わせをして

電車に乗った

コンビニでレジャーシートと

お菓子や飲み物を買って

河原でスタンバイ

ちょっと早く着きすぎて

会話がなくなってしまった

自分への歯痒さとともに

それでも、

笑顔を絶やさないでいてくれた君の優しさ

大好きだーー

と、叫びたい気持ちを抑えた

そこから

君との無言の空間も心地よくなり

2人の距離が近づいた

私は最初から

君に助けられてたんだ

ありがとう

花火を見ながら

時折り

2人の目が合う瞬間

お互いちょっと恥ずかしがる感じ


花火が終わって駅へ向かう

このまま終わりたくない

君の手をスッと握った

ちょっと驚いた表情とともに

微笑みながら握り返してくれた

君の素敵な笑顔が今でも忘れられない


花火を見るたびに蘇る君との思い出

もう一度会いたい

今はこの気持ちを抑え込む




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