【厳選】ユーザーを魅了してやまない海外D2Cブランド/DNVBブランドまとめ|15選
こんにちは、プラスニド・デザインCEOの坂尾(@taku_ux_jump)です。
コロナウイルスの影響で、経済が鈍化し消費が縮小している世の中、このような状況下だからこそ「攻めの一手」をどう打つか考えてみてはいかがでしょうか?(考えるだけなら損はしないかなと... )
まだまだ日本では、"D2C"という言葉が、ようやく浸透し始めたばかりですが、海外ではすでにD2Cの進化系ともいえるDNVB(Digitally Native Vertical Brand)と呼ばれるブランドが多数目立つようになってきています。
今回は、「D2C」や「DNVB」という世界で活躍している海外サービスをピックアップしてみましたので、ランチの間にでもぜひ!
【D2Cとは?】
ECに加えて、SEO対策をしてアクセスを誘導したり、SNSを使って広報・販促をしたりして、それをきっかけに消費者が購入したり、場合によってはショールームのようなものがあり、
それをきっかけにオンラインで購入するようになるパターンをD2Cと呼び、単なる販売としてのチャネルだけでなく、原則ほかのメディアを介さず、自分たちのストーリーやブランドのベネフィットなどの情報をできるだけ直接
伝えていこう(情報のチャネル)ということ、EC的なチャネル(モノを直販するチャネル)をミックスしたサービスを指す。
【DNVB(Digitally Native Vertical Brand)とは?】
DNVB(Digitally Native Vertical Brand)は、すべての顧客体験から一次情報をとることができるという特徴があり、まずECが流通のチャネルとして登場し、そこにD2Cが登場して情報のチャネルが加わわった背景があります。
そこに、もうひとつ、サービスのチャネルとバリューチェーンの垂直統合が加わったことがDNVBの重要な特徴であり、DNVBは商品を売るだけでなく、それ以外に無料や有料でサービスがついてくるのです。
たとえば米国発の「Peloton」(ペロトン)は、エアロバイクのD2Cを展開していますが、そこにエクササイズのためのオンライン動画サービスがついていたり、同じクラスを受講している人同士とつながることができるコミュニティサービスなどがついています。それだけではなく配送のバンまで自前で構築し、バリューチェーンを統合しています。
つまり、今までEC、D2Cは一方的に商品や情報を届けるチャネルだったのに対し、サービスを届けるということと、インタラクティブに届けることができるようなチャネルを複数持っていることがDNVBの大きな特徴といえる。
日本では、まだまだ高まっていないビジネスモデルではあるが、アメリカではアパレル業界を含めた消費財全体で大きな影響力を持ちはじめています。
今後日本でも普及する可能性の高い言葉だけに、知っておいて損はないと思いますので、一緒にチェックしていきましょう。
【アパレルブランド】
1. BONOBOS
【このサービスの特性】
2007年アメリカにて創業のメンズアパレルでDNVBの先駆者ともいえる存在。CEOアンディー・ダン。実店舗は試着目的でオンラインでのみ販売をおこなうという今ではスタンダードな方法を取り入れ大成功を収めた(のちに実店舗を拡大)。
創業者であるアンディは二つの課題を元にBonobosを創業
・男性は店舗でズボンを購入したがらない
・ほとんどの男性はフィットするズボンを探すのに苦労している
リサーチ結果ではヨーロッパのズボンはタイトすぎて、アメリカのズボンは大きすぎた。その中間のズボンを作れたら売れる商品があるのではないかと仮説を立てた。この商品設計はCasperのモデル(foamとlatexのマットレス)と似ている。
【注目度】★★★★☆(←個人的な注目度)
2. Allbirds
【このサービスの特性】
米Time誌が「世界一快適なシューズ」と紹介したメリノウール(羊毛)から作られた、環境に優しいシューズブランド。CEOティム・ブラウン。
ニュージーランドのスーパーファインメリノウールを使い、肌に触れる内側はとても柔らかく、外側には汚れを防ぐ技術を採用している。
元サッカー選手のCEOティムは、現役時代さまざまな企業のスニーカーをもらったが、デザインよりも「上質な素材で、手ごろで、自然素材にこだわったスニーカーを作りたい」と考えた。
そこでこれまで靴に使用されることのなかった羊毛を持続可能な資源として着目し、再生可能エネルギーの専門家ジョーイ・ツウィリンジャーとともに、靴用に作られた革新的なウール生地の開発に成功。
バラク・オバマ、ベン・アフレック、レオナルド・ディカプリオ、ヒュー・ジャックマンといった著名人も愛用していることでも話題となった。
【注目度】★★★☆☆
3. EVERLANE
【このサービスの特性】
素材から運送まで「徹底した透明性」という哲学を謳い、材料費・人件費・関税・輸送費など、商品の原価の構成要素すべてを公開したD2Cアパレルブランド。また、低価格を維持しながらも、顧客のフィードバックに応じて商品の改善を迅速に行っている。
「現代的なベーシックでありながら徹底して透明」というミッションのもとブランドを展開。
これまでのファストファッションのように、つねに流行が移り変わり、誰が作っているか分からないものではなく、「誰が、どのように作り、コストはいくらか」を明確にすることで、多くのファンを獲得している。
【注目度】★★★★☆
4. CUYANA
【このサービスの特性】
ハイブランドにも引けを取らない上質素材を使用したD2Cバッグブランド、長く使える「いつもよりちょっと良いもの」をテーマにブランド展開をしている。
「Fewer, Better Things」という哲学のもと、目先の流行に左右されず、高品質な素材の本当によいものを長く愛用しようという提案をしている。
CUYANAはケチュア語で”愛する”という意味。「クローゼットにあるすべての服・モノを愛して欲しい」という願いがこめられている。
【注目度】★★★☆☆
【ヘルステック】
5. Peloton
【このサービスの特性】
エアロバイクにエクササイズのための定額オンライン動画サービスがつき、自宅にいながらジムにいるような感覚を味わうことを可能にしたDNVBサービス。
Peloton最大の特徴は、タッチパネル式の画面からインストラクターのライブ中継のレッスンに参加したり、ストックされているカリキュラムを観ながらトレーニングができることです。自宅にいながら、世界中から集まったトップレベルのインストラクターのレッスンを受けられ流のが特徴。
さらに、フィットネス動画に関してはすでに数千以上存在しており、毎日20種類以上のライブ動画が追加されています。サイクリング、ヨガ、有酸素トレーニング、ランニングなどのなかから、自由にレッスンが受けられます。チャンネルを変えれば、好きなアーティストの音楽をかけることもできる。
【注目度】★★★★★
6. Ritual
【このサービスの特性】
これまでサプリを飲んでいなかった人をメインターゲットとしたDNVB。サプリの透明性に徹底的にこだわり、カプセルの内容物が見えるデザインになっており、さまざまなサプリを試し、本当に効果があったものだけを、科学的根拠をもとに展開している。
【注目度】★★★★★
【アクセサリー】
7. Warby Parker
【このサービスの特性】
購入前に気になったメガネを5日間無料で試すことができるサービスを取り入れたメガネブランド。「ファッショナブルなメガネをもっと低価格で提供したい」という思いから、ほとんどの商品が一律95ドルで販売されているのが特徴。
これまで独占状態にあったアメリカのアイウエア市場に、自社でデザイン・製造を行い、オンライン販売でコストを削減することで、消費者が気軽に購入できる低価格なメガネを販売することに成功した。現在では実店舗を100店舗近くまで拡大している。
【注目度】★★★★☆
【ベッドマット】
8. Casper
【このサービスの特性】
100日間返品無料という手厚い保証つきなうえ、消費者の購入ハードルを下げ、オンラインのみでマットレスを販売を実現、リアル店舗では「15分、30分、45分、90分」のいずれかの仮眠体験が可能。
ブランドが届けたい想いとして、寝具だけでなく入眠とともに暗くなり、起床とともに明るくなるライトの開発など、睡眠環境の全域に関わるサービスを提供したいという願いがこめられている。
【注目度】★★★☆☆
【コスメ】
9. GLOSSIER
【このサービスの特性】
消費者に商品をダイレクトに届けるだけではなく、ブランド自体をコンシューマーと一緒に作っていくものと考えており、Instagramではユーザーからの問いに対しての返信はもちろん、ストーリーを活用して「新しい製品の詳細」に関するアンケートなど、ユーザーに対して積極的にアクションしている。
さらに、Glossierの売り上げはInstagramのファンからの流入が90%を占めているようだ。
ユーザーの声を真摯に受け止めながら商品開発を行うことで、本当に欲しかったスキンケア、メイクアップグッズを作ることに成功しているブランドだ。
【注目度】★★★☆☆
【フード&ドリンク】
10. Air Co.
【このサービスの特性】
商品販売前からInstagramに世界観や哲学を表示し、3000人近いフォロワーを集めたウォッカのDNVBブランド。科学的なアプローチでCO2から空気を作り、「空気と水と太陽のみで作られたウォッカ」という新たな商品を作り出すことに成功した。
「CO2(二酸化炭素)廃止出量の増加による地球温暖化」という社会問題に着目し、CO2というネガティブな問題をポジティブに変換し、世界を変えていくことを目的としているブランドだ。
【注目度】★★★★★
11. Equal Parts
【このサービスの特性】
クッキングウエアとともに料理の習慣化を促す8週間のオンラインコーチングサービスをおこなっているサービス。
「長く行われてきたことには、それなりの理由や価値がある」と考え、「人間は根元的には時間、モチベーション、スキルさえあれば料理をしたいと考えている」という仮説を立て、キッチンウエアブランドに参入し、料理を習慣化をサポートすることを目指しているブランドだ。
【注目度】★★★★☆
【アウトドア】
12. Cotopaxi
【このサービスの特性】
店舗を持たない代わりにQuestival(Quest : 冒険+Festival : 祭り)と呼ばれる体験型アドベンチャーイベントをおこない、熱狂的なユーザーを増やしているアウトドアブランド。
ブランド哲学に「GEAR FOR GOOD」を掲げ、ハイクオリティなアウトドアギアを通して世界の貧困を解決することを目指し、慈善活動として難民を自社工場に雇用するなどの活動もおこなっている。
カラフルなデザインだけでなく、このような徹底した生産者側へのリスペクトが支持を呼んでいる。
【注目度】★★★★☆
【スーツケース】
13. Away
【このサービスの特性】1000人以上の旅行者の声を元に、充電バッテリーが内臓されていたり、洗濯物専用の収納袋や衣類を圧縮できる機能などがついたスーツケースを制作、販売している。生涯補償サービスつき。
また、スーツケースを売るためにリアル店舗でのサービスに注力。旅行関連のイベントを毎日のように開催し、旅行好きの来客数を増やしたり、旅行好きのための紙雑誌「Here」を発行するなどして自社ブランドの哲学やビジョンを伝えている。サービスを通じてブランドと生活者の距離をいかに近づけるか、ということに力を注いでいる。
【注目度】★★★★☆
【国内ブランド】
14. Heading South
【このサービスの特性】
Heading Southは、外資系投資銀行で小売りセクター担当の株式アナリスト、その後、経営コンサルタントとして、長年のキャリアを通じて小売業界を見てきた当社代表の廣田が、アパレル業界の抱える課題として感じてきたことや、自身がキャリアを積む上で考えるようになった「社会や組織がより活性化するための女性の活躍のあり方」を背景に誕生した新ブランドだ。
プロダクトの販売だけでなく、オウンドメディアでの情報発信やイベントの開催を通して「ありたい自分に向かって、しなやかに生きるひと」をクローズアップする活動を行い、コミュニティを醸成することで、素敵な女性がより多く活躍し組織や社会全体の活性化に貢献することを目指している。
【注目度】★★★★★
15. FABRIC TOKYO
【このサービスの特性】
FABRIC TOKYOのオーダースーツは、今までのオーダースーツに対するイメージを一新するサービスである。
すべてをもっと簡単に。気軽で自由なカスタムオーダースーツブランドだ。
ECで直販する(卸さない)、まずオンラインから始める、売るための店舗ではなく顧客体験のための店舗を持つ、その店舗をテクノロジーのアプローチで作る、ECサイト前提で店舗のUXを設計する、オンラインとオフラインで直接顧客と接する、との徹底ぶりも特徴のひとつだと言える。
【注目度】★★★★★
まとめ
やはりまだまだ、日本では成功事例の少ない領域であることは分かると思います。
しかし、時代の変化に伴い、消費のあり方やビジネスモデルも日々スピーディに進化し続けています。D2Cもそのような流れの中の一つで、これまでの常識を覆しながら、ビジネスモデルをアップデートしていっているように思えます。
今後もその動向に注目していきましょう
最後まで、読んで頂きありがとうございました。
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