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穏やかな日常

なんでもない日のケーキとか、

スイーツコーナーで浮かぶ顔とか、

喜んでくれるかなと思って用意したものとか、

ふっと手を伸ばしたら触れることができるとか、

つまみ食いする行儀が悪い手とか、

一気見した映画とか、

暑くて買ったアイスとか、

ずっと続く海を見たとか、


なんてことないものばかりだけど、特別なもののような感じがした。

夜景が綺麗なホテルのレストランディナーとか、欲しかったアクセサリーを貰ったとか、毎週の外食とか、お洒落なBARとか、ライブの最前席とか、

どれも特別だったけど、イマイチ満たされなかった。

日常の積み重ねの方がよっぽど特別な感じがした。



写真に映る私は、穏やかで見たこと無いくらい幸せそうで、何とも言えない気持ちになった。
悲しいような苦しいような、ツーンとしてギュッと胸を掴まれるような。

アルバムを見返してもそんな顔をしている私の写真はなかった。
どこか他人事のように、この人は幸せそうだなと感じた。

自分の幸せがちょびっと見えた。

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