正解がないことは難しい

陽のあたる自室より、外のほうが涼しくて過ごしやすい、なんてことが起きてしまうこの季節。

あいにく今日の天気は雨。
雨音と、よくわからない放送が聞こえる。

『大丈夫』『平気』『気にしてないよ』から始まり、『何とかなると思っている』と強がった言葉のツケに最近は頭を悩ませている。

現実から目を背けていた。
それが一番正しいのかもしれない。悪い結末しか浮かばない故に考えることを放棄して、見て見ぬフリをしている。人間らしいっちゃ人間らしい行動。変なことではないし、この逃避は割と皆やっているのかもしれない。

正解がわからないことが多い。

これで良いのか。
正しいも間違いもない。何を基準にするかで、正誤は変わってきてしまう。

土砂降りの中、外に散歩に行く。
気分転換という基準では、散歩に行くという選択は正しい。
快適な一日を過ごすという基準では、誤りになる。びしょびしょの一日は間違いなく不快だ。

選択を迫られることは多々ある。人生は常に選択と言ってもいいくらいには、選択にあふれていて、何を選ぶかで、分岐が変わり、その後のルートにも影響が出てくる。合理的に考えて、目標に対して最短ルートで、としたいところだが、人生そのものに合理的もない。そもそも人生のゴールとは何か。知っているなら教えてほしい。
いずれ人は皆死ぬので、死がゴールですという意見が出てくるとしよう。100人に聞いたら一人ぐらいはこの答えを出しそうだし。人生のゴールが死ぬことだとしたら、最短ルートは今すぐ自死することだろう。ただ、この答えだと誰も正しいですねとはならないと思う。
ゴールは死ではないのかもしれないし、合理的な最短ルートは目指してはいけないのかもしれない。人生は寄り道・遠回りをするものなのか。

雨が強くなってきた。

“これでいいのか”“この選択で後悔はないか”

話す相手も、相談できる人もいない。
『私はこう思っているがどうだろうか』『私はこれが心配で、これが不安で、どうしたらいいのだろうか』
自問自答にも限界がある。あれもダメこれもダメ八方塞がりで、身動きが取れない。
話す相手も、相談できる人もいないと私が思っているだけで、実際はいるのかもしれない。相手がいないんじゃなくて、相手はいるけど、私の口が言葉を発さないだけ。勇気がない。私自身がしないしやらないだけ。

『こんなことして何になるんだ』と思う。
学もキャリアもない。勉強しなくちゃと、勉強するが、こんなことして何になるんだろうと思う。もっと実用的で役に立って、価値あるもの。そういうものを身につけなくてはいけない。わかっている。私が勉強している内容とは真逆だ。いらないだろうと言われると、私は言い返せない、もっと役に立つものや、価値あるもの。そういうのを勉強しないと意味がない、
価値のない人間が価値のないものを身につけている。わかっているなら直せよ・価値あるものを学べよ・嫌なら黙ってやれよと言いたいんだろう。少し待ってほしい。今私は、こんなことをして何になるんだとそんな気持ち。馬鹿は何しても馬鹿。こんなものなくなって仕舞えばいい。なくなれば良いのは、ものではなくて自分というのも理解している。

『それで私は幸せなのか』
わからない。これが一番分からない。“これで良いのかな”と迷ったとき基準に、その選択で私は幸せかと考えると、今までの選択が全て崩れるような。幸せなのか、幸せじゃないのか、分からない。不幸でなければ幸せ、というのもあると思うが、それは“不幸でない”というだけで、＝幸せということでもないだろう。幸せを享受するためには、我慢が付きものというか、我慢を強いられるというか。嫌だなと思っていることに対して、目を瞑り我慢して、都合の良い言葉を言っていれば、責められたり疎まれたり怒られたりしない。責められたり疎まれたり怒られたりしないことが幸せというわけじゃないのに。
生きているか、死んでいるか、みたいな。生きているが希望がある、死んでいるは絶望としたら、私は死んではいないになるんだろう。ただ希望がないだけ。そんな感じ。

希望を感じられるカケラがないというか、そもそも自分自身に期待みたいなものがないからかもしれない。客観的に見て、自分という人間は何事も人並み以下でこれといって光る何かや並以上のものはない。お前の特技を言えと正座させられた時何も答えられなかった。人よりできることなんて何もないと自分自身を過大評価せず客観的に見れるということが人並みレベルできるくらいだ。
自分を評価していた人が手のひらを返してくるというのは社会に出たら誰しも経験したことがあるだろう。結局そんなもん。この人は評価してくれるとか自分の努力を見ててくれるとか、そんなものはなくて。それっぽいこと言って利用できそうな人を探しているだけ。信用ならん。深入りはしない。
こういうことを言うと、もっと人を信頼したほうがいいとか、私は信頼してるよとか言う人もいるけど、もれなくこう言う人は自分の利益のために人を売るし裏切る。裏切る側は信用されたがるからね。良いんだ、信用したい人は信用すれば、私には関係ないし。自分の正しいを貫いてね。

ずっと心に引っかかっているものが多すぎる。
約束したのに、とか。好きだったから我慢したし信用してたのに、とか。冷静に考えたら、馬鹿みたいに約束を守ってた私が悪いし、信用した私が悪い。理解しているし、もういいやって気持ちがある。裏切られたみたいなそういう気持ちは全くない。
ただ、引っかかっているものだけは未消化で残っている。
こういうモヤモヤとした引っ掛かりを言語化して取り外す時に、話を聞いてほしいと思う。わがままで厄介。
変われるなら変わりたい。明るく前向きで希望がある。ただ、なりたい自分と今の自分が正反対すぎて苦しい。これなら死んでやり直すのが合理的な最短ルートなんじゃないかって思うわけで。でもそんな勇気も根性もないから死んでないだけのままを維持している。
こんな考えごとも、寝りゃ一時的に忘れる。またジワジワと思い出すまで。

空が明るくなった気がする。雨が止んだのだろうか。
散歩に出るか否か。
また選択を迫られている。