シンガポールとイスラエルの状況

イスラエルが少し落ち着いているようですが、シンガポールの最近の陽性者数の急増加は、とても驚いています。ワクチン接種が進むと、感染が急増?今回はワクチン接種時期との関係があるのかないのか。少し考えてみようと思います。

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上は日本、シンガポール、イスラエルの昨年末頃からの感染者推移グラフです。イスラエルは6月末頃から、シンガポールは8月末頃から急上昇しています。

今回は、このようなグラフだけから考察します。グラフを中心にした分析は、確かにデータそのものを扱う分析よりは粗い上に、正確な値は得られません。しかし試行錯誤をしながら動向を把握する目的では十分役立ちます。データを用いた詳細分析は、動向が見えた後に行えば良い訳です。


初めにワクチン接種状況です。イスラエルの立ち上がりが早かったものの、60%頃から停滞、今はシンガポールも日本も接種率は越えていることがわかります。

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ここでは50%に達した日を特定しました。イスラエル、シンガポール、日本の順に、2/21, 6/21, 8/16 でした。

続いて注目したのは、実効再生産数が大きいのは何時か、という点。

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実効再生産数の最近のピークはイスラエルで6/23、シンガポールでは7/19,8/23の2回、日本では8/16でした。このうちシンガポールの7/19は、再拡大の前の小さな山なので、8/23を基準とすることにします。


以上から、イスラエルではワクチン接種50%を超えた4か月後、シンガポールでは2か月後から急激な陽性者増加がみられていることがわかります。

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上は陽性者数(対数軸)、下はワクチン接種比率(再掲)です。日本の第5波は、時期的にはワクチン接種とは直接関係ないようです。(むしろワクチンの効果が一番大きい時期に感染が収まったとも考えられます)

つまり心配なのは、日本の2か月後、つまり10月中旬・・・

(本来は、他の国でも同様の傾向が見られるかを確認すべき、そしてデータ分析を行うべきですが、とりあえず)