わからないものを怖いと感じるのは当然

ワクチン接種を怖く感じるのは、未知の物を恐れるというごくごく当たり前の反応だと思います。それを、有効性が高い、集団免疫がつく、あなたから大事な家族へ感染を広げないために接種しましょう、時々接種後死ぬ人がいるけれどね、と言われて、はいそうですか、と簡単に言えるでしょうか?

  わからないことは、まずは恐れる。
  よく調べる。
  大丈夫だと思ったら、様子を見ながら警戒を緩める。

生き抜くための基本鉄則ですね。

しかし、このような行動をとる人への圧力は、とても高くなる場合があります。最近の代表例が福島第一原発の事故でしょう。政府が事故前の基準を緩和し、土壌も食べ物も問題ないと基準を緩めました。除染した所では空間線量が下がったので大丈夫なのだとか。
そしてそれを知って怖いと感じた人たちを「放射脳」と揶揄した人たちがいます。恐れる根拠はない。子供の甲状腺がんが増えたことがわかっても、それは過剰検査(不要な検査をしたので見つかっただけ、何もする必要がない)と言う。

それでも放射線は指数関数的にしか減少しないこと、細胞には影響を与え続けることを知っている人がいました。それを明らかにするには、継続的な計測しかない。町中を計測してほっとスポットを見つけ出した人。土壌を集めて地図を作ったグループ。一部の人たちは、今もずっと頑張っています。(少し前にはコシアブラで基準を超えたのが見つかりましたが、これは計測しているからわかったこと)

計測していない人達が、怖くない、と言っている訳ですね。


そして今回も「コロナ脳」という揶揄が出て来たようです。

構図は似ています。コロナは怖くないと主張をする人たちが、コロナを恐れる人などに対し、コロナを過激に恐れていると揶揄するのです。

但しこの構図は福島第一原発と少し違います。それは、ワクチンを推進している国の方針を受け、メディアがコロナ後遺症は怖いものだ、というアピールをしている点。だから今回は、ワクチンを恐れる人に対して圧力が高まる構図になってしまいました。(一応、ワクチン接種した?と聞いてはダメだ、と言いますが、つまりそういう圧力があるということ)


さて、それで今日のポイント。

ワクチン接種が怖いかも知れないと考えるためにも、データを読み解く能力を持ちましょう、ということです。

絶対やってはいけないと思うのが、統計処理などを理解せず、表面だけで怖いと思う数字を集め、発信すること。

少なくとも、認知バイアスというものの存在を知って、偏った見方をしていないか、自問自答できると良いですね。

例えば、誤解が多い「重症者の6割がワクチン接種者」 データの一部だけで解釈するのはやめよう で書いたように、内容を自分の都合の良いように理解し発信しないこと。以前書いた、人は理解したいように理解する~認証バイアスの例も参考になると思います。


もう1点。データを集めることが大事、だからもっと検査数を増やさないと、実態把握ができないことを理解する。検査をすれば感染が減る訳ではない、などはナンセンス。検査だけでは感染は減らないが、検査は現状把握にも絶対必要。検査すればそこからの感染拡大は減らせる可能性が高い。(こんな変な検査抑止論は、日本以外にありますか?)


・新型コロナウイルスの長期的な怖さは、わかっていないことを把握する (死亡だけでなく、後遺症も)
・陰謀論はNG(科学の進歩はすごいが、一方づつしか進まないことも事実)
・データをきちんと読めるようにリテラシーを高めよう
・全てを否定するのではなく、時にはワクチンの効果も認めることも必要  (短期間なら、感染を防ぐ効果は少しあるかも知れない)
・「非現実的」「自分勝手」「感情的」と思われると伝わらない

わからないものは怖い。でも冷静に。


最後に1点思い出したこと。甲状腺ガンは、手術をすれば死亡することはほとんどないガンだ、と言われています。しかし実態は、甲状腺を摘出するため、本来甲状腺が行うべきホルモンを、薬で一生取り続ける必要があるとのこと。若い時から一生薬を飲み続けなければならない。死亡しないからそれでOKなどと、とても言えませんね。