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直前期スタート!555時間の習慣で社労士合格!

 社労士受験生の皆さん、こんにちは!「555時間の習慣で社労士合格!」の高橋佳子です。例年では4月第2金曜に受験要綱が発表になっていましたが、今年はまだのようです。来週中には発表されると思いますので、オフィシャルサイトでチェックをお願い致します。
 私は受験要綱発表日を「直前期スタート!」と位置付けて、次の準備をしていました。

ゴールまでの道をチェック!

 先ずは「本試験までのカウントダウン」を始めましょう。手帳にその数字を書き込みます。4/9ならあと「135日」。そこから1日ずつ減らして数を書き込んでいきます。
 次に週単位で学習スピードを上げるスケジュールを意識したいため、3~4週間単位でカレンダーを区切る太線を引きます。例えば予備校の模擬試験が5月末にある場合は、5/10月曜の週以降とそれ以前、という風にです。また、この線の区切りは勉強のマンネリ化を防ぐ効果もあります。

これからは「受け身でなく実験のくり返し」

 これからは「予備校のカリキュラムが終わっていない」とか、「テキストまだ全部読んでいない」とか、もう関係ありません。また現時点での理解度もあまり関係ありません。「勉強をやるか、やらないか」それだけなのです。
 そうは言ってもやって欲しくないのが「詰込み勉強」です。脳をヘロヘロに疲れさせてしまっては、肝心な時に思考停止となってしまいます。
 勉強!勉強!と漫然とご自身を追い込むのではなく、「自分で実験してみよう!」という感覚で勉強する「バリエーション学習」がとても大切だと思います。私はそのおかげで、同じ過去問でもいろいろな角度から見ることが出来るようになって、単元テストなどで点数が表れてきました。そうなると加速度的にやる気が出てきて、毎日楽しく過去問を解いていました。
 今回の単元「離婚時分割」で実験の例をご紹介しますので、ご期待ください。

前回のおさらい

①「失権」「支給停止」の各要件を書き出して、知識を整理しましょう。

 そろそろ「都度立ち止まって知識を整理する」時期の終わりが近づいてきました。やるべき課題は漏れなく片付ける。その習慣を続けることが合格につながります。手間を惜しまず続けていきましょう。

厚生年金保険法⑥「離婚時分割・3号分割」の攻略法はこれだ!

【厚生年金保険法】
3/22 被保険者
3/26 通則
3/29 老齢厚生年金
4/2 障害厚生年金
4/5 遺族厚生年金
4/9 離婚時分割・3号分割 ←今回はココ
4/12 保険料

 厚生年金第6回目は「離婚時分割・3号分割」です。受験生としてではなく私事で気になる単元ではないでしょうか。でも私は受験時代、この単元が大のニガテで、何とかしたいと画策していました。
 そして出した答えは(ニガテ単元は)「バツ問だけ勉強する」でした。そう、この時点で腹を括ってしまったのです。
 「不安だからやっぱりその他の問題も…」とつまみ食いしたくなるのですが、それをやめたのです。それは、限られた時間を無駄に使いたくなかったのと、確実な知識で挑む方が潔いと思ったからです。それで失点してもそれまでのこと。択一70点満点中(昨年は)44点で合格。逆に言えば、26点失点できるということになります。損切りも含めて勝負に挑めるよう、これからは知識に加えて作戦が重要になるというわけです。

※過去問と解説(本文含む)に「点数問題」とあるのは、択一式で「正解」となり「点数につながった設問」です。この正解ポイントを理解し、繰り返し解いて、そのポイントを押さえていきましょう。

■離婚時分割・3号分割(バツ問集)

 今回は過去10年分のバツ問を一気に解説します。何かに気がついてくれれば、知識として定着している証拠です。不明な点はテキストに掲載の表など利用して、バツの理由が即答できるよう訓練していきましょう。

【令和1年厚年-第5問】
(ア)離婚の届出をしていないが、夫婦としての共同生活が営まれておらず、事実上離婚したと同様の事情にあると認められる場合であって、両当事者がともに当該事情にあると認めている場合には、いわゆる合意分割の請求ができる。

(ア)誤り 法78条の2、則78条
離婚等をした場合に限り、厚生年金の被保険者(被保険者であった者)又はその配偶者は、合意又は裁判所の処分を要件として、婚姻期間中の標準報酬の改定又は決定を請求することができるが、問題文の事例の場合は合意分割の請求はできない。
よって、問題文は誤りとなる。

【平成29年厚年-第6問】点数問題
(E)第1号改定者及び第2号改定者又はその一方は、実施機関に対して、厚生労働省令の定めるところにより、標準報酬改定請求を行うために必要な情報の提供を請求することができるが、その請求は、離婚等が成立した日の翌日から起算して3か月以内に行わなければならない。

(E)誤り 法78条の4第1項 点数問題
当事者又はその一方は、実施機関に対し、厚生労働省令で定めるところにより、標準報酬改定請求を行うために必要となる対象期間標準報酬総額、按分割合の範囲、これらの算定の基礎となる期間等についての情報の提供を請求することができる。
ただし、当該請求が標準報酬改定請求後に行われた場合、標準報酬改定請求の請求期限経過後(離婚等が成立した日の翌日から起算して2年経過後)に行われた場合、前回情報の提供を受けた日の翌日から起算して3月を経過していない場合等には行うことができないとされている。
よって、問題文は誤りとなる。

【平成24年厚年-第5問】
(イ)60歳台前半の老齢厚生年金の支給要件(被保険者期間1年以上)となる被保険者期間については、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間が含まれる。

(イ)誤り 法附則17条の10
離婚時の年金分割により標準報酬が改定等された者について、離婚時のみなし被保険者期間については年金受給資格期間には算入せず、また、分割は基礎年金の額や定額部分の額に影響を及ぼさないという考え方の下、「みなし被保険者期間」については、特別支給の老齢厚生年金の支給要件(1年以上の被保険者期間)には含めないこととされている。

【平成24年厚年-第5問】
(エ)加給年金額の加算要件(被保険者期間240月以上)となる被保険者期間については、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間が含まれる。

(エ)誤り 法78条の11
受給資格期間が不足している国民年金の未納・未加入者が、離婚時の年金分割を受けることで事後的に受給資格を満たすことは適当でないことから、離婚時のみなし被保険者期間については、原則年金受給資格期間には算入しないこととしている。これと同様の考え方により、加給年金の支給要件期間(240月)についても、離婚時のみなし被保険者期間は算入しないこととされている。

【平成24年厚年-第5問】
(オ)特例老齢年金及び特例遺族年金の支給要件となる被保険者期間については、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間が含まれる。

(オ)誤り 法附則17条の10
老齢基礎年金の受給資格期間を満たさないことにより老齢厚生年金を受給できない者が、被保険者期間(1年以上)と旧共済組合員期間を20年以上有する場合には、特例老齢年金が支給されることになっているが、離婚時のみなし被保険者期間については、こうした受給要件には含めないこととされている。
また、特例老齢年金の受給資格要件を満たした者が死亡した場合には、特例遺族年金が支給されるが、離婚時のみなし被保険者期間については、その特例老齢年金の受給資格要件には含めないこととされている。

【平成24年厚年-第5問】
(カ)60歳台前半の老齢厚生年金における定額部分の額を計算するときの被保険者期間については、離婚時みなし被保険者期間及び被扶養配偶者みなし被保険者期間が含まれる。

(カ)誤り 法附則17条の10
離婚時の年金分割により標準報酬が改定等された者について、離婚時のみなし被保険者期間については定額部分の額の算定の基礎に含めないこととされている。

【令和1年厚年-第5問】
(イ)離婚の届出をしていないが、夫婦としての共同生活が営まれておらず、事実上離婚したと同様の事情にあると認められる場合であって、両当事者がともに当該事情にあると認めている場合に該当し、かつ、特定被保険者(厚生年金保険法第78条の14に規定する特定被保険者をいう。)の被扶養配偶者が第3号被保険者としての国民年金の被保険者の資格を喪失している場合でも、いわゆる3号分割の請求はできない。

(イ)誤り 法78条の14、則78条の14
夫婦(特定被保険者と被扶養配偶者(特定被保険者の配偶者として第3号被保険者で会った者))が、離婚又は婚姻の取消しをしたときその他これに準ずるものとして厚生労働省令で定めるときは、第3号被保険者であった配偶者は、特定期間(被扶養配偶者の第3号被保険者期間)に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定を請求できることになっている。
標準報酬の改定及び決定の請求(3号分割標準報酬改定請求)のあった日に、「離婚の届出をしていないが、夫婦としての共同生活が営まれておらず、事実上離婚したと同様の事情にあると認められる場合であって、かつ、3号分割標準報酬改定請求をするにつき特定被保険者及び被扶養配偶者がともに当該事情にあると認めている場合」で、かつ、特定被保険者の被扶養配偶者が第3号被保険者としての国民年金の被保険者の資格(当該特定被保険者の配偶者としての当該資格に限る。)を喪失している場合は、「その他これに準ずるものとして厚生労働省令で定める」要件に該当するものとされている。
よって、問題文は誤りとなる。

【平成30年厚年-第5問】
(B)厚生年金保険法第78条の14第1項の規定による3号分割標準報酬改定請求のあった日において、特定被保険者の被扶養配偶者が第3号被保険者としての国民年金の被保険者の資格(当該特定被保険者の配偶者としての当該資格に限る。)を喪失し、かつ、離婚の届出はしていないが当該特定被保険者が行方不明になって2年が経過していると認められる場合、当該特定被保険者の被扶養配偶者は3号分割標準報酬改定請求をすることができる。

(B)誤り 法78条の14、則78条の14第2項
3号分割標準報酬改定請求のあった日に、次の(1)又は(2)に該当し、かつ、特定被保険者の被扶養配偶者が第3号被保険者としての国民年金の被保険者の資格(当該特定被保険者の配偶者としての当該資格に限る。)を喪失している場合、当該特定被保険者の被扶養配偶者は3号分割標準報酬改定請求をすることができることになっている。
(1)特定被保険者が行方不明となって3年が経過していると認められる場合(離婚の届出をしていない場合に限る。)
(2)離婚の届出をしていないが、夫婦としての共同生活が営まれておらず、事実上離婚したと同様の事情にあると認められる場合であって、かつ、3号分割標準報酬改定請求をするにつき特定被保険者及び被扶養配偶者がともに当該事情にあると認めている場合
よって、「行方不明になって2年が経過していると認められる場合」とした問題文は誤りとなる。

【平成26年厚年-第8問】点数問題
(C)実施機関は、特定被保険者の被扶養配偶者から特定期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定及び決定の請求があった場合において、特定期間に係る被保険者期間の各月ごとに、当該特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬月額を当該特定被保険者の標準報酬月額に当事者が合意した按分割合に基づいて算出した割合を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定することができる。(一部改正)

(C)誤り 法78条の14第2項 点数問題
実施機関は、特定被保険者の被扶養配偶者から特定期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定及び決定の請求があった場合において、特定期間に係る被保険者期間の各月ごとに、当該特定被保険者及び被扶養配偶者の標準報酬月額を当該特定被保険者の標準報酬月額(従前標準報酬月額が当該月の標準報酬月額とみなされた月にあっては、従前標準報酬月額)に2分の1を乗じて得た額にそれぞれ改定し、及び決定することとされている。
よって、「当事者が合意した按分割合に基づいて算出した割合を乗じて得た額」とした問題文は誤りとなる。

【令和2年厚年-第3問】
特定被保険者が死亡した日から起算して1か月以内に被扶養配偶者(当該死亡前に当該特定被保険者と3号分割標準報酬改定請求の事由である離婚又は婚姻の取消しその他厚生年金法施行令第3条の12の10に規定する厚生労働省令定めるこれらに準ずるものをした被扶養配偶者に限る。)から3号分割標準報酬改定請求があったときは、当該特定被保険者が死亡した日に3号分割標準報酬改定請求があったものとみなす。

(イ)誤り 令3条の12の14
本肢の場合、当該特定被保険者が死亡した日の「前日」に3号分割標準報酬改定請求があったものとみなされる。

離婚時分割・3号分割のまとめ

 この単元は専門用語が多く、初めて学習される方には読みにくい過去問だと思います。ただし、この10問を見るだけで気がついた方もいると思いますが、本質が問われているというより、言葉の引っかけに気がつくか、という設問が多く見られます。
 ニガテでも「バツ問」をやるだけで、基礎力は付いてきます。これからは見方を変えるなど緩急つけた学習を進めていきましょう。

★本日の課題★

①合意分割と3号分割の違いを書き出してみよう。

 用語の違いや取扱いの違いなど、出てくるキーワードで一瞬戸惑うこともあります。それを最小限にするためにも、書き出して可視化していきましょう。用語が定着するだけで、問題が早く解けるようになります。

過去問リンクはこちらから

今回の「555時間の習慣で社労士合格!」はいかがでしたでしょうか。
ご感想、ご要望などお待ちしています。

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