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小さな主語にブレークダウンしよう!555時間の習慣で社労士合格!

 社労士受験生の皆さん、こんにちは!「555時間の習慣で社労士合格!」の高橋佳子です。前回直前期の予定を立てましょう、とお伝えしました。着手出来ていれば幸いです。
 また連休前のこの時期は、思考も整理する必要があります。それに関連して「小さな主語」についてお話したいと思います。

「年金が出来ない」と言っているうちは合格できない

 受験相談をされる方のほとんどが「年金出来ないんです」と言ってきます。私は苦笑いをしながら、こう質問します。

そもそも「年金」が出来ないって、年金の「何が」出来ないのですか?

 質問された本人は大概キョトンとするだけです。「勉強が進んでいないようですね」と声を掛けると、バツが悪そうに「えぇ…」と下を向いて黙ってしまいます。
 あなたなら、どう質問しますか?そして、どう答えますか?

「小さな主語」にフォーカスしよう!

 この場合の「年金」はかなり「大きい主語」と言えます。もっとブレークダウンした「小さな主語」でなければ、何が出来ないのかわかりません。イメージだけで勉強していると、行きつく先は「勉強方法の迷い」となります。結果多くの時間を費やしても、なかなか合格出来ません。
 「小さな主語」とは、例えば「厚生年金の60歳台前半の老齢厚生年金の雇用保険との調整」など、単元のその下まで主語を小さく捉えることです。何ができるのか、できないのか、対象物がハッキリしてこそ、脳が正しく認知し行動へ繋がります。

過去問に戻って「小さな主語」を見つけよう!

 今からテキスト全教科を見てチェックすることは、貴重な時間を浪費することとなるので、止めましょう。そうではなく、お手元にある過去問でご自身の理解レベルを捉えていきましょう。
 そう考えると闇雲に全教科解けばいい、1冊解けばいいということではない、と分かっていただけると思います。これからはより一層過去問との向き合い方を丁寧に、また分からない過去問は「もうやらない」など、分別もつけてしまいましょう。その割り切りができる受験生が合格する、社労士試験はそんな試験だからなのです。

前回のおさらい(国民健康保険法)

①第4条(国及び都道府県の義務)から選択式に狙われそうな用語を書き出して覚えましょう。

 そろそろ暗記も日々取り入れていきましょう。暗記のコツは「毎日同じ暗記をしない」ことです。暗記の種類は多岐に渡りますので、覚えるというより「見たことがある」くらいの印象に残るよう、暗記の回転頻度を上げていきましょう。そして「忘れるのが当たり前」ですから、覚えたと思ったことが出てこないときこそ、手を動かして目で印象付けていきましょう。

社会保険に関する一般常識③「高齢者医療確保法」はバツ問を押さえよ!

【社会保険に関する一般常識】
4/19 社会保険の沿革
4/23 国民健康保険法
4/26 高齢者医療確保法 ←今回はココ
4/30 介護保険法
5/3 確定拠出年金法

 社会保険に関する一般常識(以下「社一」)の第3回目は「高齢者の医療の確保に関する法律(以下「高齢者医療確保法」)です。タイトルにあるように、受験対策としては「(過去問の)バツ問を理解する」ことが近道です。どこを「バツ」にするのか、パターンが分かると容易に得点が取れるようになります。難問も易しい問題も同じ1点。着々と知識という武器を装備していきましょう。

※過去問と解説(本文含む)に「点数問題」とあるのは、択一式で「正解」となり「点数につながった設問」です。この正解ポイントが後の本試験では違う形で出題されます。単なる〇✖ではなく、その回答の「理由」が瞬時にでてくるように、繰り返し過去問を解いて訓練していきましょう。

■高齢者医療確保法(主なバツ問)

【平成26年一般-第10問】
(D)老人保健法が全面改正された「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、後期高齢者医療制度が平成10年4月から実施された。本制度は、現役世代と高齢者の費用負担のルールを明確化するとともに、都道府県単位で全ての市町村が加入する後期高齢者医療広域連合を運営主体とすることにより、運営責任の明確化及び財政の安定化を図り、75歳以上の者等を対象とする、独立した医療制度として創設された。

(D)誤り 平成25年版厚生労働白書
高齢化の進展に伴い増大する医療費を制度横断的に社会全体で支えるため、2008(平成20)年4月に新たな高齢者医療制度が創設された。これは、旧老人保健制度で指摘されていた問題点を解消するため、①高齢世代と現役世代の負担割合を明確化し、②都道府県単位の財政運営とすることで、原則、同じ都道府県で同じ所得であれば同じ保険料とすることなどを狙いとしたものである。
制度施行以降、広域連合や市町村による運営面の努力とともに、75歳以上に着目した診療報酬の廃止等運用面の対応を重ねてきた結果、6年目の現在、制度は概ね定着しつつある。
よって、「後期高齢者医療制度が平成10年4月から実施」とした問題文は誤りとなる。

【平成22年一般-第10問】
(A)都道府県は、国民の高齢期における医療に要する費用の適正化を図るための取組が円滑に実施され、高齢者医療制度の運営が健全に行われるよう必要な各般の措置を講じなければならない。

(A)誤り 高齢者医療確保法3条
高齢者医療確保法3条には「国は、国民の高齢期における医療に要する費用の適正化を図るための取組が円滑に実施され、高齢者医療制度(第3章に規定する前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整及び第4章に規定する後期高齢者医療制度をいう。)の運営が健全に行われるよう必要な各般の措置を講ずるとともに、第1条に規定する目的の達成に資するため、医療、公衆衛生、社会福祉その他の関連施策を積極的に推進しなければならない。」と規定されている。
よって、「都道府県」とした問題文は誤りとなる。

【平成24年一般-第10問】点数問題
(A)国は、この法律の趣旨を尊重し、住民の高齢期における医療に要する費用の適正化を図るための取組及び高齢者医療制度の運営が適切かつ円滑に行われるよう所要の施策を実施しなければならない。

(A)誤り 高齢者医療確保法4条 点数問題
高齢者医療確保法4条には地方公共団体の責務として「地方公共団体は、この法律の趣旨を尊重し、住民の高齢期における医療に要する費用の適正化を図るための取組及び高齢者医療制度の運営が適切かつ円滑に行われるよう所要の施策を実施しなければならない。」と規定されている。
よって、「国」とした問題文は誤りとなる。

【平成30年一般-第7問】
(A)都道府県は、医療費適正化基本方針に即して、5年ごとに、5年を1期として、当該都道府県における医療費適正化を推進するための計画(以下本問において「都道府県医療費適正化計画」という。)を定めるものとする。

(A)誤り 高齢者医療確保法9条1項
都道府県は、医療費適正化基本方針に即して、6年ごとに、6年を1期として、当該都道府県における医療費適正化を推進するための計画(都道府県医療費適正化計画)を定めるものとされている。
よって、「5年ごとに、5年を1期」とした問題文は誤りとなる。

【平成21年一般-第9問】点数問題
(E)都道府県は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県医療費適正化計画の期間の終了の日の属する年度の翌々年度において、当該計画に掲げる目標の達成状況及び施策の実施状況に関する調査及び分析を行い、当該計画の実績に関する評価を行うものとされている。

(E)誤り 高齢者医療確保法12条1項 点数問題
都道府県は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県医療費適正化計画の期間の終了の日の属する年度の翌年度において、当該計画に掲げる目標の達成状況及び施策の実施状況に関する調査及び分析を行い、当該計画の実績に関する評価を行うものとされている。
よって、「都道府県医療費適正化計画の期間の終了の日の属する年度の翌々年度」とした問題文は誤りとなる。

【平成29年一般-第8問】点数問題
(A)後期高齢者医療は、高齢者の疾病又は負傷に関して必要な給付を行うものとしており、死亡に関しては給付を行わない。

(A)誤り 高齢者医療確保法47条 点数問題
後期高齢者医療は、高齢者の疾病、負傷又は死亡に関して必要な給付を行うものとされている。
よって、「死亡に関しては給付を行わない。」とした問題文は誤りとなる。

【平成30年一般-第7問】
(D)保険医療機関等は療養の給付に関し、保険医等は後期高齢者医療の診療又は調剤に関し、都道府県知事から指導を受けることはない。

(D)誤り 高齢者医療確保法66条1項
保険医療機関等は療養の給付に関し、保険医等は後期高齢者医療の診療又は調剤に関し、厚生労働大臣又は都道府県知事の指導を受けなければならないことになっている。
よって、問題文は誤りとなる。

【令和1年一般-第8問】
(A)後期高齢者医療広域連合は、生活療養標準負担額を定めた後に勘案又はしん酌すべき事項に係る事情が著しく変動したときは、速やかにその額を改定しなければならない。

(A)誤り 高齢者医療確保法75条3項
厚生労働大臣は、生活療養標準負担額を定めた後に勘案又はしん酌すべき事項に係る事情が著しく変動したときは、速やかにその額を改定しなければならないことになっている。
よって、「後期高齢者医療広域連合」とした問題文は誤りとなる。

【令和1年一般-第8問】
(B)厚生労働大臣は、指定訪問看護の事業の運営に関する基準(指定訪問看護の取扱いに関する部分に限る。)を定めようとするときは、あらかじめ後期高齢者医療審査会の意見を聴かなければならない。

(B)誤り 高齢者医療確保法79条3項
厚生労働大臣は、指定訪問看護の事業の運営に関する基準(指定訪問看護の取扱いに関する部分に限る。)を定めようとするときは、あらかじめ中央社会保険医療協議会の意見を聴かなければならないことになっている。
よって、「後期高齢者医療審査会」とした問題文は誤りとなる。

【平成22年一般-第10問】
(E)国は、後期高齢者医療の財政を調整するため、政令で定めるところにより、後期高齢者医療広域連合に対して、負担対象額の見込額の総額の3分の1に相当する額を調整交付金として交付する。

(E)誤り 高齢者医療確保法95条
国は、後期高齢者医療の財政を調整するため、政令で定めるところにより、後期高齢者医療広域連合に対して調整交付金を交付することになっているが、その調整交付金の総額は、負担対象額の見込額の総額の12分の1に相当する額とされている。
よって、「3分の1に相当する額」とした問題文は誤りとなる。

【平成23年一般-第8問】
(A)都道府県及び市町村(特別区を含む。)は、後期高齢者医療に要する費用(財政安定化基金拠出金及び第117条第2項の規定による拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収しなければならない。

(A)誤り 高齢者医療確保法104条1項
市町村(特別区を含む。)は、後期高齢者医療に要する費用(財政安定化基金拠出金及び第117条第2項の規定による拠出金の納付に要する費用を含む。)に充てるため、保険料を徴収しなければならないことになっている。
よって、「都道府県及び市町村(特別区を含む。)」とした問題文は誤りとなる。

【平成23年一般-第8問】
(B)保険料率は、療養の給付等に要する費用の額の予想額、財政安定化基金拠出金及び第117条第2項の規定による拠出金の納付に要する費用の予想額、国庫負担等に照らし、おおむね5年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならない。

(B)誤り 高齢者医療確保法104条3項
保険料率は、療養の給付等に要する費用の額の予想額、財政安定化基金拠出金及び第117条第2項の規定による拠出金の納付に要する費用の予想額、都道府県からの借入金の償還に要する費用の予定額、保健事業に要する費用の予定額、被保険者の所得の分布状況及びその見通し、国庫負担並びに後期高齢者交付金等の額等に照らし、おおむね2年を通じ財政の均衡を保つことができるものでなければならないとされている。
よって、「おおむね5年」とした問題文は誤りとなる。

【平成28年一般-第6問】点数問題
(ウ)高齢者医療確保法では、国は、年度ごとに、保険者(国民健康保険にあっては、都道府県)から、後期高齢者支援金及び後期高齢者関係事務費拠出金を徴収することを規定している。(一部改正)

(ウ)誤り 高齢者医療確保法118条 点数問題
社会保険診療報酬支払基金は、年度ごとに、保険者(国民健康保険にあっては、都道府県)から、後期高齢者支援金及び後期高齢者関係事務費拠出金を徴収することとされている。
よって、「国」とした問題文は誤りとなる。

【平成25年一般-第9問】点数問題
(D)後期高齢者医療給付に関する処分(被保険者証の交付の請求又は返還に関する処分を含む。)に不服がある者は、社会保険審査会に審査請求をすることができる。

(D)誤り 高齢者医療確保法128条1項 点数問題
後期高齢者医療給付に関する処分(被保険者証の交付の請求又は返還に関する処分を含む。)又は保険料その他高齢者医療確保法の規定による徴収金(市町村及び後期高齢者医療広域連合が徴収するものに限る。)に関する処分に不服がある者は、後期高齢者医療審査会に審査請求をすることができることになっている。
よって、「社会保険審査会に審査請求」とした問題文は誤りとなる。

高齢者医療確保法のまとめ

 今回はバツ問を集めてみました。テンポよく間違え探しができたのではないでしょうか。この高齢者医療確保法は平成20年、27年の選択式出題がありましたが、いずれも択一式過去問範囲からの出題でした。
 設問内容は平易なので、一気に解きやすいと思います。是非10年分の択一式過去問を解いて、出題の感覚を掴んでいただきたいと思います。

★本日の課題★

①過去問から数字と用語を書き出し覚えましょう。

 一気に解いていただいたら、その記憶が薄れないうちに設問や解説文から数字と用語を書き出しましょう。そこが問われるポイントです。また、国民健康保険や介護保険との横断学習へ展開しますので、集中して取り組んでいきましょう。

過去問リンクはこちらから

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