T_Yamaguchi

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早わかり・チャートで理解する『銃・病原菌・鉄』ジャレド・ダイヤモンド著

今まで、私が読んだ本の感想と書評を書いてきた。 しかし今回は嗜好を変えて、名著とされる本に関する「要約」にトライしてみたい。 最初は、ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』である。 この本は、言わずと知れた名著であるが、文庫本で買うと、上巻が416ページ、下巻が432ページ、合計で848ページある大著でもある。 この本を、上巻の最初から下巻の最後まで読み通すのは、それなりに「根気と時間」が必要である。 しかしながら、この本に書かれていることは、様々な書物に引用されてお

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    • 書評・感想『嫉妬論』民主社会に渦巻く情念を解剖する  山本圭著     感想と個人的な評価

      個人的な評価:★★★★☆(星4.0) 本書は、文字通り「嫉妬とは何か」について論じるだけでなく、本書の傍題にあるように、嫉妬と民主社会、すなわち民主主義をベースとする社会と嫉妬の関係についても論じている。 本書の良い点としては、まず、嫉妬について幅広い観点から論じていることである。 嫉妬は、人類にとっての宿痾、つまり人類が長きにわたって患っている病気のようなものであり、古くから多くの哲学者や識者が論じている。それを幅広く取り上げて論じているので、大変勉強になる。 さらに、

      • 書評・感想『恋愛の哲学』  戸谷洋志著感想と個人的な評価

        個人的な評価:★★★★★(星5.0) 本書は、「恋愛の哲学」つまり、「恋愛とは何か」について論じた本である。 私のような、恋愛を卒業したとも言える中高年が読む本ではないかな、と思って手にしたのだが、良い方向に期待を裏切られた。たいへん興味深い内容の本であった。 私は、個人的に恋愛経験が豊富、というわけではない。しかしそれでも“一通り”の経験はしてきた、と思っている。 そんな私が、恋愛というものに対して、“何となく”というか、“漠然と”感じてきたことについて、本書はプラト

        • 書評・感想『ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録』  西野智彦著 感想と個人的な評価

          個人的な評価:★★★★☆(星4.5) 本書は、いわゆる「アベノミクス」が行われた10年間に関する、政府、日銀、さらに財務省を中心とした、「ドキュメンタリー」である。 ちなみに「10年間」とは、2013年1月~2022年12月までの期間を指している。 ちなみに、黒田東彦氏が日銀総裁となったのは、2013年の3月であり、現日銀総裁の植田和男氏が日銀総裁に就任したのは2023年4月であった。 本書は、この10年間において政府、日銀、そして財務省を中心として発生した様々な事象や

        • 早わかり・チャートで理解する『銃・病原菌・鉄』ジャレド・ダイヤモンド著

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        • 書評・感想『嫉妬論』民主社会に渦巻く情念を解剖する  山本圭著     感想と個人的な評価

        • 書評・感想『恋愛の哲学』  戸谷洋志著感想と個人的な評価

        • 書評・感想『ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録』  西野智彦著 感想と個人的な評価

          書評・感想『老化は治療できるか』  河合香織著 感想と個人的な評価

          個人的な評価:★★★★☆(星4.0) 本書は、「老化」について幅広く考察した本である。 「老化」について考察したうえで、それに対処する方法に対する様々な研究を紹介している。 さらに、「どうしたら健康的に老いることができるのか」、すなわち「健康寿命」を伸ばすための方法についても紹介している。 本書の著者・河合香織氏はノンフィクション作家である。つまり、本書は学者などの専門家が書いた本ではない。 それが、いい意味でも、悪い意味でも本書を特徴づけているといえる。 専門家が書い

          書評・感想『老化は治療できるか』  河合香織著 感想と個人的な評価

          書評・感想『21世紀の財政政策』 ~低金利・高債務下の正しい経済戦略~ リヴィエ・ブランシャール著 感想と個人的な評価

          個人的な評価:★★★★☆(星4.5) 経済学者の池田信夫氏が、2023年の「今年の良書ベスト10」で第2位に挙げていたので読んでみたが、大変明快かつ論理的でとても良い本であった。 ただし、課題もあるので、評価としては4.5点とした。(課題については、「3.まとめ」で指摘をしたい。 本書で、著者であるブランシャールは日本のこれまでの経済政策に対して、興味深い指摘をしている。その指摘を理解するために必要となる本書の基本的なポイントについて、この書評の中で説明するようにしてみた

          書評・感想『21世紀の財政政策』 ~低金利・高債務下の正しい経済戦略~ リヴィエ・ブランシャール著 感想と個人的な評価

          書評・感想『病が分断するアメリカ』 ~公衆衛生と「自由」のジレンマ~  平体由美著 感想と個人的な評価

          個人的な評価:★★★★★(星5.0) 正直言うと、あまり期待をせずに読んだが、読んでみるととても良い本だった。 評価としては5点満点とした。 なぜとても良い本だったのかという理由は、「本書は単にアメリカにおける公衆衛生の問題を論じた本に留まらない内容だったから」ということである。 より具体的に言えば、本書は「公衆衛生とは何か」という、より広い視点を詳しく論じたうえで、それがCOVID-19の蔓延するアメリカにおいて、どのように分断を拡げて言ったのか、という論理展開を行って

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          書評・感想『実験の民主主義』 ~トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ~  宇野重規著、若林恵著 感想と個人的な評価

          個人的な評価:★★★★☆(星4.5) 基本的には名著であり、内容はとても示唆に富む。 本書は対談形式の本だが、特に宇野重規氏の語りは丁寧かつわかりやすい。 同氏は、かつて某首相に日本学術会議の会員に任命されなかった6名のうちの1人だが、本書を読む限り、任命しなかった某首相はその不明を恥じるべきだと考える。 0.5点の減点としたのは、対談としたことは良かったと思うが、その形式やその他に若干の不満を感じたからであり、それが無ければ十分に5点満点を付けてよい本であったと思っている

          書評・感想『実験の民主主義』 ~トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ~  宇野重規著、若林恵著 感想と個人的な評価

          書評・感想『働かないアリ 過労死するアリ』~ヒト社会が幸せになるヒント~村上貴弘著  感想と個人的な評価

          個人的な評価:★★★★★(星5.0) とても良い本だと思う。 読みやすいし、解り易い。評価としては5点満点とした。 なぜ良い本かというと、書かれている内容が、アリのことだけではなく、「進化」を理解するために必要な話とか、環境問題、さらには著者が宇宙飛行士に挑戦する話も出ていて、とても幅広く、かつためになるからである。 著者は有名なアリの研究者で、本のタイトルもアリに関することしか書かれていない。 しかし、既述のとおり、内容としてはアリのことだけでなく、とても幅広い。 別

          書評・感想『働かないアリ 過労死するアリ』~ヒト社会が幸せになるヒント~村上貴弘著  感想と個人的な評価

          書評・感想『共感革命』 社交する人類の進化と未来 山極壽一著感想と個人的な評価

          個人的な評価:★★★★☆(星3.5~4.0) この本の基本的なメッセージである「共感革命」については、文字通り“共感”するし、その通りだと感じている。 しかし、後述するように、トータルで見るとやや違和感がある本であった。 そのため、本書に関しては、星は「3.5~4.0」という評価とした。 1. 本書の感想本書については、序章~第二章までが「共感革命」の話の中心であり、ここまでを読めば、その最も重要な点を理解できる。 今までの定説では、人類の繁栄は約7万年前の言葉の獲得が

          書評・感想『共感革命』 社交する人類の進化と未来 山極壽一著感想と個人的な評価

          書評・感想『人事変革ストーリー』~個と組織「共進化」の時代~ 高倉千春著 感想と個人的な評価

          個人的な評価:★★★☆☆(星3.5~4.0) はじめに:総合的な感想 企業が採用している人事制度について、最新のトレンドや考え方を知ることができる。 その意味では大変参考になる書籍であった。 しかし、本書は、上記のような内容を、ビジネス書ではなく新書で出版する、ということになったせいだろうか、結果としてやや中途半端な内容になったという印象がある。 序章はともかくとして、第2章からは著者の経歴に関する説明が長く続く。 現在大学を卒業する前の学生、特に女子学生の皆さんが、自

          書評・感想『人事変革ストーリー』~個と組織「共進化」の時代~ 高倉千春著 感想と個人的な評価

          書評・感想『資本主義の中心で、資本主義を変える』清水大吾著 感想と個人的な評価

          個人的な評価:★★★☆☆(星3.0~3.5) はじめに:総合的な感想 この本を読み終えて、不思議な読後感が残った。 こんな読後感は初めてだった。 この本のタイトルが、昔のベストセラー本をもじっていることは、よくわかる。 しかし、たかだか、ゴールドマン・サックスで仕事をしていた、というだけで「資本主義の中心で」とは、「よく言えたものだ」と感じる。 さらに、資本主義に対する理解、分析も非常に浅いし、内容が薄い。それだけの理解で、「資本主義を変える」とは、やはり「よく言えたもの

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          書評・感想『恋愛結婚の終焉』 牛窪恵著 感想と個人的な評価

          個人的な評価:★★★★☆(星3.5~4.0) この本は最終的なメッセージである「24の提言」には傾聴に値する。 しかし、その前の部分は冗長であったり、単なる他の本からの引用であったりすることが残念である。 そのため、本書に関しては、星は「3.5~4.0」という評価とした。 I.  本書の感想 最初に断っておくが、「提言」の部分に関して一部ネタバレがあるのでご注意いただきたい。 1.「恋愛結婚の終焉」というタイトルについて この本のタイトルを見て最初に思ったことは、「こ

          書評・感想『恋愛結婚の終焉』 牛窪恵著 感想と個人的な評価

          書評・感想『現代経済学の直感的方法』 長沼伸一郎著 感想と個人的な評価

          個人的な評価:★★★★☆(星4.0) 少し古い本であるが、かなりの良著であると言ってよい。 その一方で、一部にこの著者の「独善的」とも言える解釈が混ざっているし、「もう少し深く考えるべきではないか」と思われる点もある。そのため、厳しくみて星を一つマイナスすることにした。 なお、最初に断っておくが、本書評は未完成の段階で公表することとしている。 そのため、随時更新し、過去の記載分に関しても修正を行っていく可能性があることについて、ご了解をいただきたい。 (現在は、第7章まで

          書評・感想『現代経済学の直感的方法』 長沼伸一郎著 感想と個人的な評価

          書評・感想『御成敗式目』佐藤雄基著

          総合評価個人的な評価:★★★★★(星5つ) この本は力作と言える本で、昨年読んだ本の中でも上位に位置付けられる本であった。 私がこの本を読む前に疑問に思っていたのは、以下の3点である。 鎌倉幕府はどういう性質を持った政治組織だったのか。 御成敗式目とは、どのような特徴を持った「法律」なのか 鎌倉幕府と御成敗式目は、現代のわれわれにとってどのような意味を持つのか 以下、上記3点に関する私の感想と意見を述べていきたい。 1.鎌倉幕府はどういう性質を持った政治組織だっ

          書評・感想『御成敗式目』佐藤雄基著

          10代で「若ハゲ」「20代で髪の毛が無くなる」と言われた私が、60歳の今まで地毛を十分に保てた理由③私のやり方教えます

          薄毛対策の基本的な考え方 今回は、いよいよ私自身が試してきた方法を公開する。 初めに、私の推奨する薄毛対策の考え方を再度列挙させていただく。 薄毛対策をするべきかどうかは、現在髪の毛があるかどうかということよりも、遺伝的に薄毛になりそうかどうかがより重要である。 自分の現在の髪の状態よりも、自分自身の父親や、父方・母方の祖父の髪の状況を見て、遺伝的に自分が薄毛になる可能性が高いかどうかを、客観的に判断したほうがよい。 もしも、遺伝的に薄毛になる可能性が高いのであれば、

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          10代で「若ハゲ」「20代で髪の毛が無くなる」と言われた私が、60歳の今まで地毛を十分に保てた理由③私のやり方教えます

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