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変わらないものは捉え方次第

エンタメ鑑賞が増え、偶然にも気になっていた劇団の公演も観れた。今年はエンタメをやると決めてから、不思議と縁の巡り合わせが起きている気がする。決めているからこそ、センサーが反応しやすくなっているのかもしれない。

こういう意識が向きやすくなる現象を、心理学ではカラーバス効果と呼ぶらしい。用語として整理されているということは、同じような思いをしている人が大勢いるのだろう。

意識をすれば見えていなかったものが見えてくる。見えているものも別の視点で意識をすれば違った印象を得られる。かもしれない。

今回見た作品はどうやら30年前に執筆したとのことで、現代寄りに編集はしているのだろうが、30年前の景色と今自分が見ている景色、もしかして、そんなに変わらない?

建物が変わり、ファッションが変わり、日常のツールが変わり、ハンバーガーが170円になり、目に映る風景は変わっても、人間が持つ欲望は昔も今も変わらない。変わらないからこそ、何度も何度も、心を動かしてきた作品は、繰り返し公演をされるのだろう。あと猫も、時代を超えて愛される動物。

反対に繰り返し行われず、一度切りとなってしまうのは、時代に合わせすぎということなのだろうか。

ひと時の感情を揺さぶるが、時間が経つと色褪せて、飽きてしまう。そして、また別のことに興味を持っては飽きて、興味を持っては飽きて。記憶からは消されていく。人間の消費活動は忙しない。

飽きてしまうものも、もしかしたら視点を変えればまた興味が湧くのかもしれない。古着って一度飽きてしまったものが沢山並べられている(中にはそうではないものもあると思います)が、古着という新しいカテゴリーを与えられたからこそ、視点を変えてみられる、エモい服として、ヴィンテージとして扱うことで興味を引き立ててくれている。

一度飽きられてしまったものに、新しいカテゴリーを与える。この作業が繰り返しサイクルを回すことに繋がったりする?

家電で言えば例えばテレビ。現在は薄型テレビが主流であるが、ブラウン缶テレビを定食屋さんで見ると心を動かされるものがある。古いはずなのに、新しさを覚える。しみじみと過去を振り返りたい、そんな体験を味わいたい人のために給食の居酒屋や、新しい商業施設にも関わらず、レトロな空間を提供しているところがある。

ブラウン管テレビの誕生当時は、箱の中で人が映るという宇宙現象を起こす家電としてさぞかし感動を引き起こし、昔は最新だったのである。しかし、今はレトロというカテゴリーを手に入れて、また新しくなった。

ヨギボーや人をダメにするソファもいつか色褪せていくのだろう。もし未来、人が浮くことが当たり前になったら、地面の近くで人がリラックスできるソファとしてのカテゴリーを与えれば、その時代も使われるのかもしれない。

見えている世界は捉え方次第と、エンタメで学ぶ今日この頃です。

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