主な認知症の薬について
認知症の人に対して、現在色々な薬が使われています。今回はその整理をしてみました。レカネマブについては以前のnoteをご覧ください。
アルツハイマー型認知症の治療薬
コリンエステラーゼ阻害薬
ドネペジル: 日本で広く使用されています。副作用としては、消化器系の不快感や徐脈が挙げられます。
ガランタミン: 特に初期〜中期のアルツハイマー型認知症に用いられます。副作用には吐き気や下痢、徐脈があります。
リバスチグミン: 注意力や認識能力の改善に効果的です。唯一の貼付剤です。背中などに貼ります。副作用としては、皮膚が荒れることです。特に冬に向かうこの時期は皮膚が乾燥しますので、ヘパリン軟膏や炎症を起こしていればステロイド軟こうなどで皮膚を保護します。食欲不振があるといわれますが、増える方もいます。徐脈には注意が必要です。
メマンチン
アルツハイマー型認知症の中等度から重度の症状に効果があり、神経保護作用が特徴です。どちらかというと活動的な方、イライラが募る方に使われやすい傾向があります。服用によりおちつくことがあります。ただ、傾眠になることもあるため、注意が必要です。副作用にはめまいや頭痛があります。
レビー小体型認知症の治療薬
ドネペジル: レビー小体型認知症にも有効で、特にパレイドリア(錯視)の減少や覚醒度の向上が見られます。
ゾニサミド: 元々はてんかん治療薬ですが、レビー小体型認知症やパーキンソン病の歩行改善に効果があります。ただし、費用が高額な点が課題です。
血管性認知症の治療薬
直接的な治療薬はないものの、生活習慣病の改善に向けた薬が利用されることがあります。
ビタミン欠乏による認知機能低下に対する治療
ビタミンB1: 片寄った食生活によるビタミンB1の欠乏は、認知機能の改善にビタミンB1の投与が有効な場合があります。
ビタミンB12: 胃切除の手術を受けた人はビタミンB12の欠乏に注意が必要です。吸収が困難なため、筋肉注射によるメチコバールの投与が必要になることがあります。
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