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機動戦士ガンダム<宇宙世紀シリーズ>初見メモ②

機動戦士ガンダム<宇宙世紀>初見メモ第二弾。初見メモ①より、もう少し細かい部分についての感想メモです。主に「機動戦士ガンダム」と「Zガンダム」について。

1. 作画がアート

アナログ感が今となっては逆に斬新。色数が限られた中でいかに遜色なく見せるか、というところに並々ならぬセンスと技術と労力を感じた。配色もきれいで味のある美しい仕上がり。

ズゴックと、コックピット内のシャアの動きがリンクする演出はもはやアート。最近のアニメではお目にかかれないアナログの良さが最大限生かされたシーンだと思う。3倍速で走るズゴックがかわいい。


2. リアルとファンタジーのバランスが絶妙

基本的にはリアリティのある戦争アニメなのだけれど、宇宙空間で繰り広げられる架空の設定にファンタジーを感じずにはいられない。


3. 作画がゆるめ

セイラさん、最初はシュッとしていたはずなのに後半になるとどうもスタイルがおかしい。作画監督の安彦氏が入院してしまった影響?


4. 音楽や効果音がいい

アナログシンセサイザーの音が楽しめる。戦闘シーンの曲「颯爽たるシャア」は普通にかっこいい。特に中盤からのベースラインとその後の展開が好き。

Zガンダムのオープニング曲「水の星へ愛をこめて」はもちろん、三枝氏の世界観がすばらしい。Zガンダムと0080(かしぶち哲郎)は仕事中のBGMとしてヘビロテ。


5. 第二次世界大戦を彷彿とさせる小ネタ

「ランバ・ラル」はドイツ人エースパイロットの「ギュンター・ラル」から、月面都市「フォン・ブラウン市」は世界初の弾道ミサイルを開発したドイツ人「フォン・ブラウン氏」、「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」の「アナベル・ガトー」は、おそらくソロモン諸島のガダルカナル島(通称ガ島)。その他たくさんあるっぽい。

兵器もガチ感ある。地球連邦軍の突撃艇パブリク。モビルスーツは兵器とはいえロボット感が強いけど、これは日本軍の特攻兵器を連想させるようなリアリティがある。かわいいけどコワい。桜花とかマルレっぽい。


6. 食事の皿が薄い

シリーズ通して食器がいつも薄いのが気になっていたのですが、実際に軍で使われる仕切り皿(配膳不要、簡単に洗える、丈夫)が元となっているとのこと。なるほど、芸が細かい。


7. 紅茶飲ませがち


8. OP・EDで走らせがち

Zガンダム エンディング、0083 STARDUST MEMORY オープニング。
Zガンダム第一話の序盤、カミーユが港へ行くため車まで急いで走っているところにファが合流するシーン、けっこうな時間走っているんだけれど、なぜだかこのシーンが大好き。


9. Zガンダムのテーマタイトル

青ベタに黒文字の質感がいいなーと思っていたら25話から背景がグラデに。誰かに「暗い」とか言われたのかな。


10. 戦時下の過ごし方が興味深い

戦時下でも心休まるアーガマの談話室には昭和な自販機がある。艦内での男女の恋愛は“レクリエーション”として適当に楽しんでいる様子。グローバルな環境だし、いつ死ぬかわからないし、恋愛はオープンな模様。


11. 瞳孔が開いている人達がいる

ララァ、シロッコ、ハマーンの目が他の人と違う。この手の眼を持つ人たちの共通点は全員レベル高めのニュータイプ⁈

12. かわいそうな強化人間

突然のひどい頭痛に襲われるフォー。とても辛そうでかわいそう。
強化人間は情緒不安定だったりちょっと変わっている人が多く、特にロザミーのぶっ飛びっぷりは半端なかった。ガンダムZZのプルもなかなかだったけど。


13. <気になるキャラ1>ウォン・リー

言いたいことをすべて言ってくれる漢。一見うるさくて凶暴でパワハラ的なおじさんなんだけど、案外人の意見は聞くし言ってることもすべて正論。頭キレッキレだしプチモビにも自ら乗る。洒落たスーツがいつも決まっている。ZZではただの老害になり下がる扱いもまた良し。


14. <気になるキャラ2>レコア・ロンド

オシャレでナイーブで色々とこじらせているレコア少尉。Zガンダムはキャラクターの設定や心理描写がとても丁寧で魅力的だと思う。エマさんはメンタルが男。

15. <気になるキャラ3>ファ・ユイリィ

あいみょんに似てる。なんだかんだで一番いい人だと思う。

16. <気になるキャラ4>かわいそうでかわいいミネバ

幼くして国のトップに担ぎ出されがんばっているミネバ。ハマーンをねぎらう優しいミネバ。高圧的なしゃべりが染みついてるミネバ。

17. 情報がわからない、話が見えない

モビルスーツや戦艦の名前がわからない。“サチワヌ”(サラミス改級宇宙巡洋艦)は何度聞いても何の事だかわからなかった。このような「わからない事」を調べながら徐々に理解していくとだんだん楽しくなってくる。戦艦の分類や等級まで分かりだすと見方が増えてさらにおもしろくなる。


<まとめ>

情報量が膨大な上にMS(モビルスーツ)や戦艦の固有名詞、戦争用語などが含まれてくるから一瞬たりともボーっと見られないのが疲れる。そもそもMSの戦闘に興味がなかったので何度か挫折しそうになったけど、作画やデザインがいいし、人間模様の描写や心理の追求なども含めて全体的に深くて壮大になっているので、そこに気づき始めるとどんどんおもしろくなる。リアルとファンタジーのバランスが絶妙。

それと、スペースコロニーの位置関係がわかりにくい。ガンダムは地球圏(地球、月、スペースコロニー群で形成される人類の生活領域)をまたにかけるので、どこをどう移動しているのかを追うとおもしろいのに、なかなか良い地図がなくて探すのにも苦労する。

機動戦士ガンダムで、地球に降りてからジャブロー(連邦軍の基地)へ行くまでがやたら長くて中だるむ。降下した位置とジャブローへのルートを調べてみると、ジオンの勢力圏を回避するルートをとっていることがわかった。逆にガンダムUCでは移動が早すぎて、戦艦やMSの速度と距離感がわからなくなりストレスになった。

モビルスーツも、慣れてくるとロボットというより兵器として見られるようになり、ロボットアニメに対する違和感も自然と薄れてきた。ちなみに一番好きな戦闘シーンは、ソロモンでパブリクが突撃するシーンと0080 ポケットの中の戦争の冒頭。前者はサイクロプス隊による新型ガンダムの奪取作戦(アラスカから北極基地を攻める)。色、音楽、シチュエーションがいい。ムーンライダーズのかしぶち哲郎氏による音楽のセンスが良すぎ。

もう一つ、「ガンダム オリジン」のルウム会戦。日露戦争のT字戦法を思わせるシーンが大迫力。ガンダムには過去の戦争のネタがかなり投影されている模様。

気分転換にサクッと頭を使わずに見られるアニメとは違ってガンダムは難しい。わからないことだらけでストレスを感じることもあるけど、調べたり、ふとしたタイミングで理解したり、わかるようになる過程におもしろさを見出すようになるから不思議。ロボットやSFに興味がなくても、歴史や地理、戦争モノに興味がある人は入りやすいと思う。

設定がリアルだけどファンタジーなので気楽に楽しめる。まさに、アニメだけどアニメじゃなかった。


宇宙世紀シリーズ15作品のサクッとした感想記事もありますので、よろしければ目を通してみてください。


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