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//旅のスタイルブック//+Lifestyle🇨🇭スイスの美術館 おすすめです!

スイスと聞くと、美しいアルプス山脈や高級リゾート地が思い浮かぶかもしれませんが、昨年、何度目かのスイス訪問を通して、その自然美だけでなく、豊かな文化的魅力も併せ持った国ということを改めて認識しました。特に今回ご紹介する美術館は、世界中のアート愛好家を引きつける場所といっても良いかもしれません。今回チューリッヒの「チューリッヒ美術館」とサンモリッツの「セガンティーニ美術館」を訪れることで、スイスの芸術の深い一面に触れる、新しい旅のスタイルを感じることができました。

チューリッヒ 「チューリッヒ美術館」


スイス最大の美術館であるチューリッヒ美術館(Kunsthaus Zürich)は、中世から現代までの800年以上にわたるアートの歴史を展示しています。このコレクションには、中世の作品、古典的なマスターズ、現代アートが含まれ、特にスイスのアートに焦点を当てています。

チューリッヒ美術館に展示されている印象派の画家には、クロード・モネ、ピエール・ボナール、エドゥアール・マネなどがいます。また、フィンセント・ファン・ゴッホ、パブロ・ピカソ、アルベルト・ジャコメッティ、マルク・シャガールなど、さまざまなアートムーブメントの主要な人物の作品も所蔵されており、アンディ・ウォーホルなどの現代のアーティストの作品も展示されています

今回スイス在住の友人の案内で初めてこの美術館を訪れましたが、それまでは、この美術館のことは全く知りませんでした。これまで、パリのルーブル美術館やフィレンツェのウフィッツィ美術館など多くの美術館に行く機会に恵まれましたが、スイスで美術館に行くと言う発想はありませんでした。

セザンヌ「赤いチョッキの少年」
ゴッホ 自画像
シャガール「花瓶と恋人たち」
ルノワール 「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」
モネ「睡蓮の池 緑の反映」

まだまだこの他にも多数の名作が展示されているのですが、これだけ名作が間近で見られ、何のセキュリティーもなく並んでいると、皆本物?、と思ってしまうほど。

館内は外の光を取り入れ、明るく、外の緑も見えて非常に心地よい空間です。たまたまかもしれませんが、訪問した日は、ほとんど来館者はなく、ワンフロアー貸切状態で名作と向き合うことができました。

スイスにご旅行の際には、アルプスに行かれる前でも、帰ってきた時にでもぜひチューリッヒに寄ってこの美術館を訪ねてみてください。
パリのルーブル美術館やフィレンツェのウフィッツ美術館にも勝るとも劣らない作品が、ゆっくりと鑑賞できますよ。


サンモリッツ セガンティーニ美術館

セガンティーニ美術館は、スイスのサンモリッツに位置しており、19世紀末の画家ジョヴァンニ・セガンティーニの作品を展示している美術館です。この美術館は、セガンティーニが晩年を過ごしたエンガディン地方の自然美にインスピレーションを受けて設立されました。

セガンティーニは自然主義と象徴主義を融合させたスタイルで知られており、特にアルプスの風景を題材にした作品で評価されています。美術館では、彼の代表作を多数展示しており、彼の芸術的な遺産とエンガディンの風景との深い関連を感じることができます。

美術館自体も、その地形に合わせて特徴的なデザインが施されており、丘の上に建てられているため、周囲の山々との素晴らしい眺望を楽しむことができます。

この美術館を知ったのは、テレビの旅番組で見たのが最初でした。門外不出の作品をぜひこの美術館で見てみたいと思っていました。
昨年5月のヨーロッパ旅行の際に、サンモリッツに立ち寄ることとなり、そのチャンスはやってきました。
サンモリッツの街中からこの美術館へは徒歩10分程度、美術館は小高い丘の上にあるので街の中心地からしばらく行くと上り坂になりますが、左手にはサンモリッツ湖が眺められ、美しい風景を楽しみながら美術館に行くことができます。

「アルプスの真昼」

『アルプスの真昼』は、昼下がりのアルプス山脈の光景が、強い日差しと影のコントラストを通じて表現されています。彼の作品にはしばしば登場する、自然の中の孤独や静けさのテーマが色濃く反映されています。

「水を飲むグラウビュンデンの少女」

『水を飲むグラウビュンデンの少女』は、自然の美しさとそこで生きる人々の純粋さを強調しており、この作品も観る者に何か静けさを感じさせるような雰囲気を持っています。

そして、私が見たかった作品が下記の三部作です。この作品が門外不出ですので、この美術館でしか観れません。

「生活」

人々の日常生活がテーマです。農業や家族の様子が描かれ、自然の中で生活する人々の営みとそのつながりを示しています。

「自然」

アルプスの自然とそこで暮らす動物たちが描かれています。山々や牧草地が広がり、羊や牛がのどかに過ごしている様子が描かれています。自然の美しさと豊かさが感じられる作品です。

「死」

一人の老女が最期の時を迎える様子が描かれています。冬の雪景色の中で、自然の中に溶け込むように静かに眠る老女の姿が、生と死の自然なサイクルを表しています。

『アルプスの三部作』は、セガンティーニ美術館に特設円形の展示室に展示されています。この空間は、作品のテーマである自然の壮大さを反映するように設計されており、自然光がたっぷりと入ることで、絵画の色彩がより鮮やかに見えるようになっています。

この円形の展示室は、360度のパノラマビューでセガンティーニの作品を一望できるようになっており、アルプス山脈にいるような感じもありました。美術館を訪れた日には、私の他には来館者はなく、私一人だけの贅沢な、静謐な空間に身を委ねることができました。
作品そのものも素晴らしいのですが、それを展示しているこの空間もまたセガンティーニの作品をより深く理解できる空間になっていました。

スイスは大自然ばかりでなく、こんな美術館の楽しみがあることを、今回の旅で知らされました。

是非皆さんもこんな旅のスタイルも!

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