少女の頃に夢見たものは
お姫様になりたいと思ったことは一度もない。
大好きな「美少女戦士セーラームーン」の誰かになりたいかというとまったくそんなことはなかったし、白雪姫のようにいつか王子様がとも考えたことはなく、シンデレラのように成り上がりたいというよりかは悪いことをした継母を懲らしめること(※ディズニーアニメ映画)をやりたかった。
「だって別の人間に生まれ変わらないと無理。この顔では」
などと思っている不器量な少女が私でありました。
少女漫画やアニメの主人公はいつだって美しい。
強くて優しい。賢くて楽しい。
でも私はそうじゃなかった。何一つそれらしいものは持っていないから「なりたい」と思うより「こんな私がそう思うことが不敬」なんて風に考えていました。
だから代わりに、まったく違う人物を生み出したのです。
物語に溶け込める、けれど主役たちに遜色ない魅力を持つ少女あるいは少年。
いま思えばそれは俗に言う「夢主」と呼ばれるもので、生み出したけれど一つとして私に重なることはない「キャラクター」という創造物でした。
小説を書いていると「これって結局そうなりたいという願望なんだよね?」などと言われることがあります。
「こういう展開になってほしいって思ってるんでしょう?」
「このキャラクターはあなたを反映させたものなんだよね?」
そういう人もいるかもしれない。
そして私は「そういう人ではない」人です。
私の作品には王侯貴族や特殊な力を持った少女たちがよく登場します。
そしてまずその誰かになりたいとは一度も思ったことがありません。
物語の特質上、彼女たちの多くは何らかの試練を与えられています。乗り越えなければならない障害だったり、過去だったり、自分自身の問題だったり。
そんなものと常に戦わなければならない日々は、正直言って疲れます。
しかし現実には、それらは形を変えて合間合間に私自身の課題として立ちふさがってくるのです。
そのことを知っているから、別の人間をあてがって、彼女たちがどのような答えを出すのが知りたいと思う。
何故なら彼女たちは——不器量な私が生み出したものであっても——美しくて、強く、優しく、賢い。そしてほんの少しずるくて、甘い。「主人公」というキャラクターだから。
お姫様になりたいと思ったことは一度もない。
けれど、お姫様に、彼女たちに降りかかる敵を打ち砕くための力を与えたい。
いま思えばそれが私が少女小説を書く動機の一つだったのだろうと思います。
今日の進捗。
・書き物作業(2.5h)
・note更新。
今日嬉しかったこと。
・よく寝た。
・桃を食べた。甘くて美味しかった!
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