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投資判断の時に技術観点って薄いよね

今まで色んな企業で働いてきたので、その時にM&Aに関わることも何度もありました。買収(投資)する側もされる側も両方色々経験してきました。

そういった投資の時に必ずと言っていいほど行われるのが、デューデリジェンスです。

調べたら、「デューデリジェンスは、英語ではDue Diligenceと書き、Dueは義務の意味で、Diligenceは努力という意味をもち、デューデリジェンスは、企業価値の査定や法律に関わる資産について調査する作業のことを指す」そうです。

決算資料を出したり、営業実績、今後の計画などを出して行うファイナンスやビジネスデューデリジェンス。また、人事や法務の管理系のデューデリジェンスなど種類があります。

私も投資する側の時は、あの資料出せ、この資料出せと投資対象先にお願いして色んな調査をしましたし、投資される対象の企業にいた時は、色んな資料を提出させられたり様々なインタビューの対応に追われました。

でもこういう時、いつも技術のことは「なんとなく」やっていた、やられていたように思えます。。。

特に、AIやブロックチェーンなど流行りの最新技術は、こういったデューデリジェンスは投資する側にとって非常に難しいでしょう。
投資される側に技術をもった企業の人は、「ディープラーニングの〜を応用した独自の〜」とか「強化学習によって〜アルゴリズムが〜」とか「GPUの〜を最適化して〜高速化し〜」横文字ばかりの分からない説明を並べるわけで、投資する側も「なんか凄そう!」となってしまうんじゃないかと思うのです。

勿論ベンチャーキャピタル(VC)やCVCの方も非常に勉強熱心なので、理解をすることもできるのですが、如何せんビジネスデューデリジェンスなどやらなければいけないことが多く、技術の調査まで手が回らないというのもあるし、色々聞くことで投資対象の会社に嫌われてしまうなんてことも考えてしまうこともあるでしょう。。。

こうした流れから、なんかかっこいい最新技術を使ってビジネスをしていて、それっぽい計画が描ければ結構簡単に企業価値が高められて大型資金調達ができてしまうというのが数年前までの現実だったのではないかと思っています。

実際、私たちの企業のKICONIA WORKSを立ち上げた時も、「AIの会社」「AIで有名な元ABEJAの奴が立ち上げた会社」ってことだけで色んなVCさんから良い提案をいただきました。なんの実績もない会社に数千万円とか。。。(申し訳ないですが、全部断って、いまだに私たちはどこからも出資を受けず、現在まで無借金経営を続けられています)

上記の通り、技術の調査は少なくとも日本においては弱いのです。技術がどうかという中身ではなく、何の技術を使っているのかという表面的なところでしか見ないケースが多発しているように思えるのです。

ということで、KICONIA WORKSでも私個人でもこうした投資の際の技術デューデリジェンスを年に数回お手伝いさせていただくことがあります。

投資対象企業に対して、VCやCVC、個人投資家さんの依頼を受けて技術調査をさせていただいています。

ここで重要なのは「質問力」です。前回ブログにも書いた。

どういうことが重要かというと、最初はふわりとした質問や情報収集なのですが、重要なポイントをそこから探し出して、そこに対してピンポイントで深い質問をしていくこと、そしてその質問はできる限りYes/Noで答えられるシンプルなものにして、こちらがかなり分かっていることをアピールし「ちゃんと答えないといけない感じ」を出していくことです。

「この技術って何が凄いのですか?」と聞いたら投資される側の技術をもった企業のやりたい放題の説明が始まってしまいます。
一方で、「この技術の○○がここが素晴らしいんですが、最近発表されたXXの論文と比較して、△△の部分については劣っていませんか?」みたいにこちらで考えて具体的な質問をすると、彼らのリズムではなくこちらのリズムで聞きたいことを的確に聞くことができると感じます。

勿論、私もKICOINA WORKSの他メンバーも何でも分かるわけではないので、質問して分からないこともあります。
ただ、技術を分かっている人にピンポイントで説明を求められるとボロが出てしまったり濁す傾向にあり、そういう時は自信がないのかなと思うし、それが答えなんだろうと考えています。

ということで、まとめるとこんな感じです。
・技術デューデリジェンスは重要
・でも実際やるのは難しい
・ということで外部に依頼しても良いのでは?

ちなみにKICONIA WORKSではこうしたテクノロジーデューデリジェンスをAI分野中心に受けています。それ以外は書上個人でもやってたりはします。
私たちの良さは「正直に言う」ことです。ポジショントークや利害関係とか全く無視です。依頼されたのであれば、依頼主さんに「正直に」お伝えします。

ご依頼あれば、ご連絡ください!
https://www.kiconiaworks.com/

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