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ヨーロピアンノーギ遠征記

ヨーロピアンノーギが終わりました。
約1週間というちょっと長めの滞在でしたので、記憶が残っているうちにイタリアで過ごした日々をnoteに纏めようと思います。

◾︎準備

海外遠征は何度も行っているので準備とかは慣れている方だと思います。
なので実際に荷物の準備をするのはけっこう直前なんですが、準備をする前にメモ帳(iPhone標準)に持っていく物をとりあえずリストにして準備をする時に漏れが無いようにだけはしています。
パスポートとか当たり前なものもチェックして。

今回の遠征は自費で行ったのですが、航空券の費用の半分をブルテリアさんがサポートしてくれましたのでそこはかなり助かりました。

航空券を探すとき、最初は乗り継ぎは一回は必要だろうなと思ってましたが、運良く日本からの直行便を見つけられました。しかも羽田発。
その分少し割り高になるけど、移動時間の負担が減らせるのは大きいので直行便を購入。

◾︎出発の日

出国の便は昼過ぎだったので、のんびりと起きて羽田に向かう。
特に面倒な手間もなくチェックインが済む。
6月にADCC予選のためオーストラリアに行った際はワクチン3回の接種証明を見せないといけなかったが今回はそういったチェックもなかったです。

余裕を持ってのチェックインだったので、空港内の吉野家でしばらく食べれなくなる牛丼を食べてのんびりと過ごす。

そして出発。航空会社はITA AIRWAY。
通路側の席がよかったので航空券の購入時に座席指定で通路側を選択。数千円プラスされたのだが、行きの飛行機はひどくガラガラでおそらく1割も席が埋まってない。
円安の影響で今日本から海外(特にアメリカやヨーロッパ)に行くのは割高だからかな。

スタッフの人に前後の席を適当に使っていいよと言われる。結果論だけど座席指定はしなくてよかったな。

機内食は日本食を選んだ。まあまあでした。
間食のタマゴサラダのパンとハッシュドポテトみたいなのは美味しかった。

四角い入れ物の中にご飯
普通に美味しかった



行きのフライトは約14時間。(乗り継ぎが一回あるなら20時間オーバー)
ロシアの上空を飛べないので最短距離ではない。
今年の2月にロシアとウクライナの戦争が始まってまだ続いているのがけっこう信じられないが、それでも世界は動き続けている。

機内ではタッチパネルを色々いじって暇を潰せそうな映画とかがないかチェックしていた。
で、ここであるゲームにけっこうハマってしまった。
「2048」というゲームで、4×4のマス目に表示され2の累乗の数字(2、4、8、16など)を合わせて行ってハイスコアを目指すというゲーム。
最初はルール説明を見たけどいまいち分からず、取り敢えず適当に操作しながら感覚でルールと操作を理解していった。
2〜30分くらい触っていくうちに完全にルールを把握した。理解した後は面白くて2、3時間くらいぶっ通しで遊んでいたと思う。
昔はけっこうゲームをしていたし、PCでマインスイーパーやソリティアなども好んでやっていて、久しぶりにゲームに没頭していい時間潰しになった。

何時間も没頭した


2048は面白かったが流石にずっとゲームをし続けるのは疲れるので、途中で映画を見ながらも過ごした。

でも飛行機の中の映画ってなかなか好みのがないから一つの作品をちゃんと全部見れることはなかなかない。

でも今回は珍しくある一本の映画を最後まで鑑賞しました。

邦題のつけ方は難しい


「博士と彼女のセオリー」
原題は「Theory of everything」
車椅子の天才物理学者として有名なスティーブン・ホーキンズ博士の人生を描いた作品。
若い時にALSという筋肉が徐々に動かなくなるという治療不可能の病気になり、余命2年と言われながらも生き続けて物理学界に大きな功績を残した人物だ。数年前に亡くなっているが、生前にはエリザベス女王から勲章も授与された人物。

ホーキングス博士についてはむかしに本を読んだことがあってその生涯について大体は把握していたが、映画化されているのは知らなかった。

内容について気になる方は調べてもらうか映画を見てもらえばいいですが、とにかく感心するのが妻のジェーン・ホーキングスの献身ぶりです。

ホーキングス博士は20代前半で病気を深刻されるのですが、その1ヶ月前に知り合ったジェーンと周りの反対を押し切って結婚します。

医者の余命2年の申告が過ぎてもホーキングスは生きていましたが、病気の進行は止まらず徐々に歩行困難になり車椅子で生活するようになり、最終的には喉の切開手術で声を出すことも出来なくなります。

ホーキングス博士は健常者としての肉体の機能がどんどん失われていくのですが、それでもジェーンは博士への愛と献身は変わらず彼を支え続けます。

余命がわずかと判明しながら結婚したことも凄いし、どんどん動けなくなる夫を変わらず支えるジェーンの女性としての強さが凄い。

最終的には2人は離婚するのですが、ここまで献身的に支えた女性でも別れてしまうことがあるんだなと思うと夫婦の形というものはいかに複雑で容易にいかないものだと感じました。

◾︎1日目 到着

ゲームや映画で時間を潰しながらイタリアに到着。
FCO フィウミチーノ空港
別名はレオナルド・ダヴィンチ国際空港
飛行機は予定通りの20:30に到着。
到着後はSIMカードを入れ換えて現地の電波に通じるように設定。
にしたはずだがなかなか繋がらない。
とりあえず空港のWi-Fiに接続してこちらのタクシー配車アプリ(Free now)でタクシーを呼ぼうとするもなかなか来ない。
電車でも行けたがフライトで疲れていたのでタクシーでサクッと行きたかったので辛坊強く待つ。
それでもなかなかタクシーが来なかったので普通にそこら辺に止まってたタクシーに声掛けてホテルまで行きました。
値段は45ユーロ。けっこう高くて躊躇したけど疲れてて面倒だからいいやと思ってお願いしました。
ちなみに空港では2時間待った。今思えば待ち過ぎた。アホらしい。

15分くらいタクシー乗ってホテルに到着。
着いて気づいたけどホテルではなくアパートメントの一室でした。

到着はしたが夜遅過ぎたのか扉は閉まっており困った。辺りはお店とかも完全に閉まっててこのまま朝まで過ごすのはヤバいので、とりあえず予約のメールにあった電話番号に掛けると男性が出る。
今着いたことを伝えると数分でそっち行くから待っててと言われて待っていると小柄なおじちゃんが現れて鍵を開けて部屋まで案内してくた。

おじちゃんの名前はマイク。
部屋に案内されたが普通のアパートメントの一室なのでめちゃ広い。一人で過ごすには広過ぎて逆に使いづらいレベル。

キッチンが充実していて自炊が助かった
こういうブラシで食器を洗うらしい
ベッドが無駄にLovely


部屋の説明を一通り聞いたら最後におじちゃんが、「6泊だから1泊3.5ユーロで21ユーロ支払ってね」
最初はチップかなにかだと思って適当に返事したら帰って行ったが、後々判明したらどうやら観光税というものがあって一泊ごとに3.5ユーロ払わないといけないらしい。
そんなの了承した覚え無いよと思ったが、Booking.comの予約時に別途請求料金という箇所があって、それがこの観光税だったみたいだ。
なので最終日におじちゃんに鍵を返すタイミングでキャッシュで支払いました。(1ユーロまけてくれて20ユーロにしてくれた)

バタバタしたがとりあえず宿には来れたので軽くお風呂に入って就寝。
お風呂はちゃんとバスタブがあるので良かった。(それを狙って予約した)

◾︎2日目 散歩


起床。時差ボケの影響もあって数時間しか寝れなかったが気分は普通。
宿から歩いて3分くらいのとこにある小さなスーパーに買い出し。
水やパスタや果物や野菜とか購入。宿はキッチンが充実してたので自炊をして飯代を節約。
パスタなら変なもの入ってないから安心だと思って、滞在中はパスタばかり作ってました。

でも日本から持ってきていた食料もけっこうあって、レトルトのご飯、ツナ缶、Baseブレッド、ふりかけなどなど。

Baseブレッドは最近出てきた完全栄養食のパンで、パン一個で人間に必要な1日の栄養素の20%前後を取れる優れもの。
海外行ったら絶対栄養偏るだろうなと思い、5、6個くらい持ってきていた。
減量にも使いやすいしある程度保存が効くので今回のような遠征に丁度よいと思います。
Amazonからでも簡単に購入できます。


ただこれを普段から食べ続けようとは思わない。食べられる最低レベルの味だし、あくまで今回のような期間限定がよい。

そのBASEブレッドで朝食を済ませたら、外を走りに行きました。日本からランシューと走る用のTシャツを持ってきていた。
軽く走って適度に体を疲れさせて夜寝やすくする為です。20-30分くらいホント軽く走っていい感じに汗を流す。ちょい田舎なので空気が綺麗で気持ちいい。

ランニング後は辺りを散歩に行きました。
宿がある町は海が近かったので歩いてビーチまで。さすがに時期的に泳いでる人はいなかったけど、久しぶりに海を見てなんだか気分はよかった。

町を歩いていると電動のスクーターと自転車がポツポツ道に置かれてるのを見かける。
東京で流行っているシェアサイクルのLoopにそっくりの緑を基調とした柄のスクーターだ。
どうやら同じようなシェアサイクルらしくて町の至る所に置かれている。
ただ日本のように明確に機体の置き場(スポット)が決まってないらしく自由な場所に置いているらしい。スポットを決めてもみんなちゃんと置かないのかなと予想。

後日ローマの市街地で実際に乗っているのを見かけたが日本に比べかなり速かった。おそらく30km/h 弱は出ていた。
日本は安全のために15km/hが最大速度。


そのまま町の中心部に移動。
特にここは観光地的な場所ではなく生活する為だけの町のようだ。謎の遊園地みたいなのはあったけど。

悟空?

町の中心にシュートボクセイタリアがあった。
試合後に出稽古行こうと思い取り敢えず場所だけを確認。昼間だったのでジムは閉まっていた。

と町をブラブラ2時間くらい歩きながら宿にもどる。
朝に買ったパスタを調理。一緒に買ったアサリのミートソースみたいなのをかけて食べるが微妙な味。
サラダも買っていたがそれも不味いので残す。
うーんミスった。

その後は部屋でリラックスしながら過ごして2日目は終了。徐々に現地の時間に体を馴染ませていく。

◾︎3日目 会場の下見
適度に寝て起床。軽く朝食を済ませたら昼前くらいに試合会場に向けて出発。
歩いて30分くらいの距離なので徒歩で行こうとしたけど途中で微妙に道が分からなくなり面倒くさくなってタクシー呼んでサクッと着いた。

Palafijlkamという建物で(読み方は不明)、柔道や空手などの大きな大会も開催される有名な場所っぽい。



とりあえず会場の雰囲気を感じたくて中をブラブラ歩き回っているとAssembly Jiujitsu のデイビッド・ガルモに久しぶりに会った。

David Garmo


ガルモはコロナ前はよくCARPE DIEMに来ていたアメリカ人で当時の所属はDetroit jiujitsu 。
一緒によく練習をしていたし大会もよく出ていた。特に一緒に出場したクインテットのディファ有明大会は思い出に残っている。



今はハイサムもassembly の所属となってアメリカで大活躍している。最近ではADCCでのサイボーグ戦など。

おそらく3年以上ぶりの再会。
当時からナイスガイで評判だったが、久しぶりに会ってもそれは変わらなかった。
今大会ではAssembly のチームメイト7人と来ていた。
お互いの近況など話し合ったあとはガルモはチームメイトの試合を見るためにマットに向かっていった。
どんだけ離れていても柔術を続けていれば必ずどこかで会えるのを実感した。

ガルモと別れたあと少し会場を見て回って帰った。

ちなみに同会場では柔術のローマオープンも開催していた。最初ノーギと併せてエントリーしようかと悩んだが大会のレベルの高さを鑑みてノーギだけに集中することにして。結果的には良かったかな。

帰りは来たルートと変えて徒歩で帰宅。
遠回りもして40分くらい。
遅めの昼食を食べて明日のためにゆっくり過ごす。
2048をプレイしながらのんびりと。

◾︎3日目 試合初日

11/13 起床。
朝起きた時点の体重は73.3kg
ノーギのライト級のリミットはウェア込みで73.5kg。このまま基礎代謝でも落ちそうだったが念のため半身浴して少し落とす。
20分くらい入って0.8kgくらい落ちて余裕なので水分とバナナを2本食べてエネルギー補給。

黒帯の初日はベスト8までを決める。
エントリーした黒帯のライト級は22人のトーナメントで2日目に残るには2勝が必要。

初戦の相手はKamil Wilk というポーランドの選手。
事前の動画で少し研究していたがとにかく足関節に秀でている選手でGrappleFestでミヤオとも試合をしている。



試合展開はおそらく引き込んでくるだろうと思い、自分もそれに受けて立とうと思った。

試合開始早々引き込んで来た。
バタフライガードを起点にしてサドルなど足関節のセットアップを狙ってきている。

相手のバタフライを潰しながらパスを狙うが上手く浮かされて深くサドルロックを作られてしまう。かなり焦ったが冷静に対処してエスケープ。最初のこの場面が一番危なかった。

その後は自分からパスのプレッシャーを掛け続けてパスのアドバンテージを2つ奪う。

後半になって汗もかいてきて相手の下からの攻めも掛かりにくくなってきた。後半チョイバーからバックを取られかけてアドバンテージを一つ取られるもそのまま逃げ切って勝利。

ギリギリの内容だったがなんとか勝った。
初戦だったがフルで戦ってかなり汗もかいて息も上がったがホッとした。

後々よく調べてわかったが相手は2017年のADCCで本線に出場していた選手だった。66kgで。
そりゃ強いわ。


2回戦目の相手は
NASER J M TH A ABDULKAREEM
よく知らなかったがクウェート🇰🇼の人らしい。
この相手もそうそうに下から引き込んで来た。

足関節に注意しながらパスをかけ続ける。
一瞬の隙を突いて両足担ぎを狙って相手の体を持ち上げようとした瞬間、相手の左膝が変に引っ掛かって膝がパキンと鳴る音がした。

相手は悶絶して一旦試合は中断。
審判が相手に続行するかと確認するも相手の意思はいまいちハッキリしない、このまま勝ちかなと一瞬期待するもやっぱり相手は続行するようで試合は再会。
だが試合を中断させたことで相手には1ペナルティが与えられた。

再会はしたがやはり膝の影響か動きにキレは無くなっており、パスガードしながらのトップからのフロントチョークを極めて勝利。

アクシデントもあったが初日に2勝して翌日の決勝トーナメントに進めることになった。
2日間かけてのトーナメントで残るのは初めてだったのでかなり嬉しかった。あと一勝で表彰台。

同日ミディアムヘビー級に出ていたガルモは得意のギロチンチョークを極めて何なく2日目のベスト8に進む。
ガルモはギロチンや足関節などの極めの強さを持っている。ただ減量をほとんどしない主義なので大体対戦相手は大きい。


とりあえず初日を生き残りホッとして徒歩で宿まで帰宅。食事の制限がなくなったので翌日の試合のためにパスタを大盛り食べて明日のためのカーボを補充する。

初日が終わった安堵からリラックスして宿で過ごす。就寝。

◾︎4日目 決勝トーナメント

2日目の試合開始予定時刻は10時くらいだったが、早めに8時半くらいに着いてアップして落ち着こうと思ったので、朝タクシーを予約してすぐ行けるようしておいた。

予約時間通りにタクシーが来てかなり早めに会場に着いた。軽くアップをして準備が出来たので試合開始まで待つ。

予定より試合が早まったらしくて早めに呼ばれる。大会ってこういうことがあるから基本早めに着いたほうがよい。

準々決勝の相手は
「NASER J M TH A ABDULKAREEM」
試合動画をいくつかチェックしたが長いリーチを持った厄介そうな相手だった。
試合でここまでのリーチの相手とは最近やったことがなかったが、もうやるしかない。

試合展開は相手の引き込みからスタート。
これは予想通り。今回の対戦相手は全て下からだ。

組んでみて想像以上にリーチを長く感じる。安全だと思っていた距離から足を取られて外ヒールを仕掛けられてしまった。

少し極まる形で回転してエスケープしたが場外に出てしまったので2P取られる。
早々に先制点を取られてしまった。

ミスったと思ったが取られたら仕方ない。取り返すしかない。

スタンドから再開して再び相手が引き込む。
パスのプレッシャーをかけ続けるが相手の長いリーチに上手く距離を取られて難しい。

さらにスイープもされて4-0。
その後一度パスのアドバンテージを奪うも、完パスはできずそのまま試合終了。

完敗だった。
最初の外ヒールに入られたのが迂闊だった。

あと一勝で表彰台だった。
気の緩みはなかったし体調も良かった。完全に実力不足。けどまだまだ希望は見える。

僕に勝った相手はその次の準決勝で優勝した選手に一本負けしたらしい。世界のレベルは高い。けどまだまだ勝負は出来るはず。

同階級で優勝した Lucas Rodorigues

今回の結果がよかったらノーギワールドの方も出場したかったが、それは来年にお預け。

その後はガルモのアップを手伝い試合を観戦。
ガルモの準々決勝は先にポイントリードされて押され気味になるも一瞬のヒールフックで逆転一本勝ち。
極めの強さは相変わらずだった。

続く準決勝では2P先行されたのを挽回できずにそのままポイント負け。極めの強さはあるガルモだが若干ポジショニングに甘いところがあるので、ポジションを徹底してくる相手はやりづらい。
結果は3位で銅メダル。それでもガルモらしさがあったいい試合だった。



その後は階級の決勝を見終わったて徒歩で帰宅。

負けたことは悔しいが試合が終わった安堵感で特に何も考えずにボーッとする。
とりあえず今日はリラックスして休もうと思って、日本から持ってきたレトルトのカレーとご飯で胃袋を満たす。

就寝。以前は試合の日は興奮して眠れないことが多かったけど最近は普通に寝れる。アドレナリンの分泌が少なくなったのかな。良いことなのか悪いのか。

◾︎5日目 ローマ市街地と出稽古

しっかり眠れて起床。

朝食はこっちで定番になったパスタで済ます。
日本にいるときはあまりパスタは食べなかったが、久しぶりに自炊して妙にハマった。

イタリアで定番になったパスタとゆで卵


帰国のフライトは次の日だったので今日は観光と出稽古をする予定。

簡単に身支度を済ませて最寄駅からローマの市街地に向かう電車に乗る。
こっちの電車は車内アナウンスもなどもなくちょっと分かりにくい。
路線図を見ていると近くにいた中東系のおじさんが話しかけてくれた。とりあえずコロッセオに行きたかったのでそのことを伝えると、じゃあこの電車に乗っていればいいよと教えてくれた。
親切な人だった。そのおじさんは他の人に積極的に席を譲ったりしていい人なんだろうと思った。

優しいオジサンの後ろ姿


とりあえず安心して席に座って外の景色を眺めていると、Instagramからメッセージが来た。

CARPE DIEMロンドン代表の玉木強さんからだった。

どうやら強さんも偶然旅行でローマに来ていたらしくて、よかったらご飯でも行きましょうとメッセージが来た。

予想外の連絡に驚いたが、自分もちょうどローマの市街地に向かうところだったのでひとまず強さんと会うことになった。

行きの電車の途中でギターを弾くミュージシャンが会われてStand by me を歌い始める。ただの物乞い?のようでこちらでは珍しくないようだ。他の乗客達は全く関心を寄せないが、日本では見られない光景なので自分は面白かった。


電車に乗って1時間ほどでローマの中心部に到着。
駅の改札の前で強さんと合流して、そのまま2人で観光地をいろいろ巡ることにした。

同じCARPE DIEMの同門と言っても強さんと会うのは実はこれで4度目でしかない。

1度目はまだ自分が京都のグラウンドコア所属で茶帯で青山に出稽古に行ったとき。
2度目は上京してCARPE DIEMになって岩崎くんとヨーロピアン選手権に出場したとき。
3度目は3年くらい前の自由ヶ丘道場のオープニングのとき。

久しぶりに会って話をして色々なことを教えてもらった。
とにかく動画投稿がめちゃくちゃ大事であることを熱弁された。
強さんはInstagramやYouTubeで積極的に柔術のテクニック動画を投稿し続けている。
コロナ禍のタイミングで始められたものだが、編集の技術が最初の頃と比べて格段に上がっている。

いまの自分達が思っているより何倍もそういった投稿が大事だと言われた。

自分も高頻度ではないがそれなりに投稿も頑張っているつもりでいたが、強さんに比べたらまだまだ甘かった。

毎日投稿までしなくてもある程度の決まったペースで投稿し続けるのが見られるコツのようなので、この点も頑張らないとな。

そういったことを話しながらローマの観光地をいろいろと周った。
コロッセオ、バチカン市国、パンテノン神殿。真実の口、トレビの泉。王道の観光地。どこも観光客でいっぱいだった。

コロッセオ
パンテノン神殿
バチカン市国
本場のピザ
真実の口
トレビの泉


昼食でピザを食べたがこちらのピザは日本のように具材はそれほど乗ってなくシンプルな作りだったが味はとても美味しかった。

一枚で7ユーロ(1000円)くらいでお腹いっぱいだ。ただ気になったのは日本のようにおしぼりが出ないことだ。

イタリアに限らず海外の飲食店でおしぼりって出た記憶がない。日本なら当たり前だが。
特にピザは素手で食べるので軽く手を拭きたかったけど郷に入れば郷に従えということで仕方なく素手で食す。
こういった細かい衛生感覚の違いが日本と海外の大きく異なる点だ。

18時くらいまで強さんと行動してお別れ。
次いつ日本に帰ってきますかと聞いたけど、特に日本に帰る理由もなくわざわざ帰ることはないかなと言っていた。
次に会うのはいつになるか分からないが再開を願って駅で別れた。

ロンドン代表の強さん


そのまま電車に乗っていったん宿に戻ることにした。帰りの電車はちょうど帰宅ラッシュの時間帯みたいでかなり混んでいた。
イタリアはスリが有名なので貴重品に注意しながら乗り過ごす。

無事に宿に帰ってきた。
この日のもう一つの目的が出稽古。
宿から歩いて30分くらいの所にシュートボクセアカデミーイタリアがあったので、前日にInstagramとEメールで出稽古行けるのか連絡していたのだが、一向に返信がなかった。
思い切って電話してみたがイタリア語の謎のナレーションが出てきて無理だなと思い、思いっきってアポ無しで訪問してみる事にした。

早急に支度して走りながらジムへ向かった。事前にジムの場所は確認していた。

ジムに到着するとクラスの途中だった。
実はクラスの始まる時間を1時間ほど読み間違えていて、クラス開始には間に合わなかった。

受付の女性にドロップイン可能か聞いたが、今日はもう無理だと言われる。
せっかく来たのにこのまま帰るのも勿体無い。
前日にメールで連絡したことを伝えるを向こうも少し悪いと思ったらしく、代表の先生に相談していた。

先生(黒帯でストライプ3、4本)が出てきて練習できないかと交渉してみる。(ノーギのウェアしか持ってなかったが)

先生は最初は困惑していたが自分が明日帰国しなければならない事を知ると了承してくれた。
クラスは普通に柔術だったが自分だけノーギでクラス途中参加した。

道場のメンバーは白帯と青帯が多くて教える内容も基本的なものだった。

三角絞めの入り方をやっていたが自分が端っこで1人見ているとグスタボ先生が君もやるかねと聞いてくれて即答ではいと答える。

自分はノーギの格好なので当然受け手は出来ないので、グスタボ先生自ら技を受けてくれた。
とても優しい先生だった。

スパーリングの時間になるとノーギが出来る紫帯の(多分ブラジル人)と3本連続でスパーリング。その後は白帯や青帯くらいの人と3、4本して思ったより数はこなせた。

クラスが終わったら全員で輪になって拳を突き出してよく海外のチームがやる掛け声で締め。

その後は全員で握手をするのだがここはイタリアなのでイタリア流でハグをしながら頬を左右合わせるキスもする。イタリア語でBacio(バーチョ)というらしい。

その時のクラスは10人以上はいたのだが、このバーチョを全員でやるのだから時間がかかる。
しかも僕は初イタリアなので手順がわからずかなり戸惑った。クラスには女の子(たぶん高校生くらい)もいたのだが女の子とも当然する。

頬のキスは自分から見て右側→左側の順番なのだが初めてて順番がよく分からなかったので女の子とする間違えて左側から行ってしまって危うく普通にキスしそうになって焦った。

とまあバタバタだったけど何とか練習も出来てチームに(強引に)受け入れてもらって満足。
最後にみんなと写真撮りました。

スパーを3本してくれた
グスタボ先生
1人だけノーギ


代表のグスタボ先生はむかし日本に来たことがあるらしく、ジムの掲示板に沢山の写真が貼っていて来日した際のものもあった。
親日的な先生でよかった。

先生に別れの挨拶をしてまた徒歩で帰宅。
帰った頃は11時過ぎでお風呂に入ってグッスリ寝た。

◾︎6日目 帰国

帰国のフライトの日。
フライトの時間は15時からだったので朝は軽く外を走った。2週間後には今度は日本で試合なので少しでも体を動かそうとした。
最近はたまにだけどランニングとか原始的なトレーニングもしている。
柔術のスタミナとは違うかもしれないが人間の基本の運動なので気が向いたときにやっている。

朝食を食べて帰り支度の準備。
なるべく宿をきれいに戻して外に出る。管理人のおじちゃんに観光税(20ユーロ)を払ってお別れ。

空港まで電車で行こうと思ったけど空港までのルートがよく分からず面倒くさくなって駅の近くのタクシーに頼んで25ユーロで送ってもらった。
おそらく滞在中に一番お金を使ったのはタクシー代かもしれない。もっと賢く使えばよかった。今は円安なので割高。

ちなみにこれがイタリアで使ったタクシー配車アプリ

Free Now


空港に到着。

チェックインもスムーズに出来てフライトまで待つ。腹が減ってたのでお店でサンドを買って食べる。なかなか美味しい。イタリアの外食のクオリティはなかなかレベルが高いかな。
これで8ユーロぐらい。


飛行機に搭乗。
行きと違って帰りは9割以上は席が埋まっていた。この時のユーロの相場は1ユーロが145円前後。日本に観光に行く方がお得だから日本行きの便が多いのは納得。
日本人が東南アジアに行くと安いと感じるようにイタリアの人は日本を安いと感じるのだろう。
現実は東南アジアの物価も日本に近づいてきているとも聞くが。

帰りの便は約12時間。行きより2時間ほど早い。たしか自転の影響だったかな。

行きの飛行機では一応マスクを常を着けていたのだが、イタリアではマスクを着けている人はほぼいなかったので僕もそのまま流れでマスクをせずに帰りの飛行機で過ごしたけど特に注意はされなかった。

飛行機のスタッフの人たちはマスクをしていてお客さんで着けている人もいたが、着けてない人もかなりいた。
そこらへんのルールはどうなっているのか不明だが、もうかなり緩いみたいだ。

映画とゲームをしながら時間を潰して到着を待つ。行きより早いとはいえ12時間はやはり長い。

機内食は行きと逆でイタリアの食事を頼んだけど微妙だったので半分以上残しました。

これは不味かった



そして無事到着。
到着してから空港のトイレを使ったのがやっぱり日本のトイレはレベルが高い。
機能性と清潔さ、あらゆる面で世界一と言ってもいいんじ。空港のトイレだから特に掃除が徹底されている。海外から来た人は感動するんじゃないかな。

トイレのP4Pは日本だ



そんな日本の素晴らしさに感動しつつ用を足して、荷物を受け取り帰宅の途に着く。

途中の品川駅の立ち食いの寿司屋で久しぶりの日本食を味わう。ちょうどお昼だったのでお得なランチセットを頼む。
寿司が10貫くらいに海老の頭が入った美味しいみそ汁が着いて1000円ちょっと。
久しぶりの日本のご飯は普段の倍おいしく感じた。海外の物価とクオリティとサービスと比較すると日本の食はコスパが良すぎる。
安くなり過ぎてしまった日本はどうなるのかな。

と日本の食に感動と不安を覚えつつ我が家に帰宅。久しぶりの自宅は心地よい。

約1週間海外にいただけだが、久しぶりの日本は新鮮で楽しい。
といってもこの記録を書いてる頃にはもう慣れてしまったが。

今回の遠征の記録はこれで終わり。
想像以上に長くなってしまったが最初から最後まで読んでくれた人いるのかな。
そんな人がいたら本当に感謝です。

また次の試合に向けてベストを尽くします。
ありがとうございました。

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