ContractSを退職して、新しい法律事務所を始めます
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ContractSを退職して、新しい法律事務所を始めます

酒井貴徳(弁護士・ニューヨーク州弁護士)

年の瀬ということで、いわゆる退職エントリーです。今年いっぱいでContractS株式会社を退職します。(有給消化があるので正式には1月末)

個別にご報告すべきところ、まだできていない方も多くいらしゃるのですが、一つの区切りとして、こちらに記載していきます。

1. ContractSのこと


2019年9月に入社後、目まぐるしく環境が変わっていったので、ほとんど記憶がありません。が、記憶の限り書き出すとともに、退職という今回の選択に至った背景を書いていきます。

1.1 この2年間で本当に多くのことに挑戦できた


CEO室長という役職で入社し、「いま最も注力すべき場所で最大限の成果を残す」という組織ミッションで動いてきました。

基本的には、仕組みがうまく回っていないところに入り込んで、課題を特定して手当して、仕組みが回り始めたら他のメンバーに手渡すという感じの役割でした。具体的にはこんな感じです。

  • 資金調達

  • メンバーの退職を補うためカスタマーサクセス代打

  • セールスマネージャー

  • ドメインエキスパートとして開発本部でプロダクトマネージャー

  • 去年の納会で年間MVPを受賞

  • 執行役員に就任

  • グレーゾーン解消を担当

この他にも、組織作りや採用、MBOや同僚との1on1、カルチャーやバリューの検討など、会社組織を経営をする上で避けて通ることのできない経験をし、その難しさや面白さを身を以て体験できたことは、とてもいい勉強になりました。

自分の役割上、部署横断的に様々な部署・役職のメンバーと一緒に仕事できました。シンプルに楽しかったですし、マーケ、セールス、CS、そして開発という今まで縁もゆかりもない分野について、専門家から様々な教えを得られたことは本当に貴重な経験でした。

1.2 では、なぜやめるのか?


では、なぜやめることにしたのかといえば、「自分でゼロからやりたい」という気持ちを抑えられなったからです。

私は小学生のころから弁護士になりたかったのですが、子ども心にそう思ったきっかけは、

「自分の城を持てる仕事はいいぞ」

酒井・父

という父の言葉でした。

実際、ContractSに入社する前から、自分で法律事務所を作ってみたいという気持ちは強く、入社すると決めたときも「いつかは独立するけど、それでもいいか」というような話をしていました。

とはいえ、最初のきっかけとは裏腹に、西村あさひ法律事務所という最高の職場にめぐりあい、Holmes(現ContractS)という最高の仲間に出会ったことで、期せずして自分の城を持たない選択をしてきました。東京リベンジャーズばりに何度タイムリープしても、必ず同じ選択をすると思います。そのくらい、同僚、上司、お客様には良くしていただきました。


ただ、「時はきた」と感じたというわけです。

ContractS代表の笹原さんへの尊敬や共感はいまも変わっておらず、むしろ強くなっています。だからこそ、本当の意味で中岡慎太郎になるためには、自分でリスクをとって、ゼロから組織を作り上げる経験をしなければいけないと感じたというのもあります。

1.3 メンバーへの感謝


本当に会社のメンバーに恵まれました。

冗談のようですが、嫌な人、合わない人が一人もいませんでした。志半ばで辞めると言った私を、全力で引き止めてくれて、気持ちがかわらないとわかったら全力で応援してくれる。そんな会社のメンバーの皆さんが本当に好きでした。

全員がプロフェッショナルで、事業に本気で、いつも顧客のために何ができるかといってぶつかり合っていました。このような会社で働けて、本当に幸せでした。立場は変わりますが、引き続きContractSの業務には携わることになっていますので、これからもよろしくお願いいたします。

2 次にやること=独立して法律事務所を作る


一人で法律事務所を立ち上げます。まずは四の五の言わずに顧客のために自分ができることをやろうと思います。

「弁護士としての専門性は?」と問われればそれは企業法務になるのですが、相談者と話しながら課題がどこにあるのかを見つけるところが自分が最も得意で、(弁護士としては賛否あると思いますが)相手のことを自分ごとのように真剣に考えてしまうことが自分の特徴なのだろうと考えています。そういった自分の特色を生かして、自分のスタイルを確立していきたいと思います。

名前は、法律事務所 LEACT(リアクト)にしました。

最初は酒井法律事務所にしようかと思ったのですが、つまらないというお声をたくさんいただいたので、新たに命名しました。「由来は?」と聞かれると「なんとなく直感で」としか答えられないのですが、それらしい理由を考えておくようにします。

ウェブサイトは絶賛作成中ですが、とりあえず最低限公開できる範囲まで創りました。スタートアップに染まってしまったので、崖の上から飛び降りながら、飛行機をつくるの精神でいこうと思います

毎日のように変わっていくウェブサイトもぜひ楽しみにご覧ください笑

ウェブサイトから何から何まで全部自分でやってみるというのが今回の創業のコンセプトですので、今度創業時のタスクや困ったこと、ウェブサイト構築とかについてもまとめてみようと思います。

3 近い将来、取り組みたいこと


当面は乳飲み子を飢えさせないためにも必死に頑張るのみですが、軌道に乗せることができたらやりたいことがあります。それは、弁護士を必要とする状態にあるにもかかわらず、コストや情報格差から、弁護士のサポートを得られていない企業・人を減らすための仕組みをつくることです。

それを、弁護士の手弁当ではなく、ビジネスとして持続可能性のある形で、また、若い世代の弁護士や弁護士を志す人にとって魅力的な仕組みをつくれないかとおもっています。

具体的なhowは、これから顧客とのやり取りを通じて課題を深堀りしながら考えていきますが、ContractSというSaaS企業で働いた経験を活かせるのではないかと考えています。

  • 導入・メンテナンスに大きなコストがかかるけど、自社の思い通りに設計できるシステム

  • 自社の思い通りになるわけではないけど、一定の良質なサービスをリーズナブルな価格で利用できるサービス

という2つのアプローチがあるとしたときに、これらは優劣の関係にあるわけではなく、異なる顧客課題に対する異なる解決策です。せっかく、プロダクト開発に携わることができ、信頼できるエンジニアの友人もたくさんできたので、ITを活用した弁護士業務の効率化・質の担保みたいなことをできないかと思っています。

他方、ITシステムの導入(オンボーディング)自体が中小企業や個人事業主にとっては高いハードルになることも学んだので、「人UI」という優れたユーザー体験をベースに、法律事務所という箱自体をベースにうまくサービスを設計できないかと考えています。

とはいえ、具体的なことはこれから考えます。興味ある方がいらっしゃれば、ぜひ壁打ちにお付き合いいただけると幸いです。

4 最後に

石橋を叩いて渡らないタイプの自分としては、今回の決断は正直理屈ではうまく説明できません。しかも、産まれて3か月の乳飲み子がいるこのタイミングで、給料ゼロ、売上の見込みゼロの状態に自らを追い込むのは流石に思い切りが良すぎると自分でも思います。

でも、「いつやるか?今でしょ」という高校の大先輩の言葉を胸に、とりあえずゼロからの挑戦を始めてみたいと思います。

年明けから業務を開始しますので、契約や法律、社内外のトラブルでお困りの中小企業や個人事業主の方がいらっしゃったらぜひご連絡ください!良いお年を!

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酒井貴徳(弁護士・ニューヨーク州弁護士)
弁護士・ニューヨーク州弁護士ですが、スタートアップのContractS株式会社で執行役員をしています。ex. 西村あさひ法律事務所ex. Debevoise & Plimpton LLP