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microCMS × STUDIO に移行したお話

2022年1月に企業向けのサービスに特化した法律事務所LEACTを立ち上げて、そろそろ1年が経過します。

お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、この短期間に、複数回のウェブサイトのリニューアルを行いました。デザインやコンセプトの変更もありつつ、実は利用しているサービスも以下のように変遷しています。

Notion+Wrapras → Wix → STUDIO+microCMS

この変遷も単なる思いつきというわけではなく、プロダクト開発に携わってきたMiuchiと私のこだわりが背景にあります。せっかくなので、経緯を綴りたいと思います。

本記事は、Tech担当Miuchiと私の共著です。

1. はじまりは「Notion+Wraptas」から

立上げのタイミングでは、以下の理由から、Notionを書くだけでウェブサイトを作れるツール「Wraptas」を利用しました。

  • やることが多すぎて時間をとれなかった

  • 顧客の課題に関する仮説検証が終わっていない段階で、ウェブサイトに数十万の投資をするのは得策ではないと考えた

  • SEOやリスティング広告を行うことは考えていなかったため、立派なウェブサイトを作ったところで、費用対効果を見込める程度の流入が見込めないと考えた

  • ノーコードのウェブサイトビルダーは色々あるが、HTML/CSSの知識が十分でない自分にとっては、Notionを使ってテキストベースで作れるのが魅力的だった

LEACTのサービスを紹介するものというよりは、名刺代わりのコーポレートサイトというイメージです。

2. 仮説検証後の「Wix」への移行

夏を過ぎた頃には、一定の仮説検証が終わり、ありがたいことに名だたるクライアント様から案件をいただけるようになり、また、事務所に新たに参加してくれるメンバーも増えました。

その間、Notion+Wraptasを使って私が3時間くらいで作り上げたウェブサイトは(3時間で作れるのがこの組み合わせのすごいところ)、多くの方から「手作り感がある」というお褒めのことばを度々いただきました(褒めていない)。

「これではいけない!」ということで、Wixを利用してウェブサイトのリニューアルを決心しました。

目的は、①手作り感からの脱却、そして、②LEACTを「顧客の課題起点の法律事務所」として定義すること、です。

(1) Wixを選んだ理由

  • HTML/CSSの知識を必要としない

  • ノーコードで構築やデザイン、CMS、解析などオールインワンで利用できて、レスポンシブも可能

  • 安い

  • 5年前にイスラエル・テルアビブにあるWix本社を訪問させてもらったことがあり、その親近感があった

(2) Wixをやめた理由

ただ、Tech担当でフルスタックエンジニア兼デザイナーのMiuchiが加入したことにより、以下のようなミスマッチが出てきました。

  • プロトタイプをそのまま再現できない。

  • フォント(Noto Sans JP)が使えない。
    フォントは重要で、間違うと野暮ったさを生んでしまう。近いフォントをアップロードして再現したが、やはり本家に比べると苦しい。

  • 横幅が980pxに固定されている。
    ヘッダー等はロゴやメニューを絶対値で固定したが、せめてA4のノートパソコンで見る横幅くらいは欲しい。

  • スペースが手打ち出来ない
    事前にスタイルガイドラインを作成してスペースを決めたが、Wixだとカーソルでコントロールする必要があり手間。

  • エディタの挙動が重い。
    コンテンツを増えていくほど重さを感じる。

ちなみに、これらの点は、誰でも簡単にノーコードでウェブサイトを作れるというWixの強みとのトレードオフなので、サービスの良し悪しとは別の話です。

3. そして「STUDIO+microCMS」へ


いま、LEACTは、多くの人を巻き込み、強みを発揮して、一人では到達できないような遠いところに向っていける、そんな組織を目指しています。

今はデザインもコンテンツの更新もほぼ1人で行っていますが、今後は以下のように役割を分担したいと考えています。

  • デザイン → デザイナー・エンジニア

  • コンテンツ → マーケ・コーポレート

そのため、ツールを分けたり権限でコントロール出来ることを想定しました。特にコンテンツについてはツールを変えるたびに何かしらの移行作業が発生します。なるべく先を見据えておきたいと考えています。

そんな背景から、結論としてはSTUDIOとmicroCMSの組み合わせに移行することを決断しました。

(1) ウェブサイトビルダー:STUDIO

ウェブサイトビルダーについては、あまり多岐にわたる調査をした訳ではありませんが、最近耳にする事が多く、また、ギャラリーに惹かれるウェブサイトが非常に多かったSTUDIOに決めました。

使い始める前にUdemyにて一通りの機能を確認したところでは、Wixより機能面で劣る点もあるものの、十分に満足いくWebサイトは作れるかと想像しました。また、noteをすぐに取り込める点は、WixにはないSTUDIOの大きな強みです。

(2) コンテンツ管理:microCMS

コンテンツ管理(いわゆるCMS)については、STUDIOのCMSを使うか、microCMSを使うかを迷いました。ランニングコストとしては、以下のとおりで、STUDIOに統一したほうが安価です。

また、機能面でも、STUDIOにmicroCMSを取り込む場合、最大20件までしか表示出来ません。この辺りは2022年12月時点でまだβなのもあり、試行段階という印象があります。というところで比較するとmicroCMSを選ぶ理由は薄いのですが、製品の考え方や使いやすさに惹かれました。

4. サービス選びの考え方

理屈ではなく、「このプロダクトを使ってみたい」という想いからの選択です。

自分たちがプロダクト開発に携わっていたこともあり、機能表の◯✕ではなく、設計者のプロダクトに込めた思想に共感できるものを使いたいです。ちなみに、同じ理由で使い続けているのが、クラウド請求書作成ソフト「board」というサービスです。

もともとは、「いまはJamstackでサイトを作るのがイケている」とのMiuchiの一言でした。私はJamstackのことを知らなかったので、色々と調べたところ、行き着いたのが、microCMSのブログです。素人ながら「これはすごい!」と思い、更に調べ進めたところ、microCMSの共同創業者COOの方が、microCMSの自社サイトをJamstack構成からSTUDIO+microCMSに移行したとツイートされているのを見つけました。

STUDIOは、自社のCMS機能をもっていて、おそらくこの実装にはものすごい時間と労力をかけていると思います。それでも、顧客のニーズに合わせて、NotionやmicroCMSのような他社サービスとの連携を実装したというではないですか。(参考:待望のAPI連携機能が遂にリリース。 Notion、microCMSなどの外部サービスとの連携が可能に!

顧客を囲い込み、ベンダーロックインを作り上げてから一方的に単価を挙げていくのがビジネスの常套かもしれません。ただ、純粋に顧客の課題解決を目指して、自分たちが作るべきものに集中して価値提供を行うという(ある意味不器用な)顧客中心の企業に惹かれます。

各社の中の人を存じ上げているわけではないので、あくまで想像であり、理解に間違いがあるかもしれません。でも、このようなオープンなプロダクト思想に私は惹かれます。

5. まとめ

以上、異常にこだわりの強いTech担当と、若干面倒な代表の組み合わせの結果、短期間にリニューアルを繰り返すことになりました。

おかげで、拡張性の高く、変化に強い構成になったのではないかと思います。これで土台が整ったので、次はコンテンツの充実+LP化をすすめていきたいと思います。

ちなみにファーストビューのアイソメトリックイラストは、Miuchiのお手製です。

せっかくなので、ぜひ新しくなったLEACTのウェブサイトを見てみてください。LEACT、ウェブサイト共々、引き続きよろしくお願いいたします。



(注)各社のロゴは、各社のロゴガイドラインまたは個別の許諾に従い使用させていただいております。


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