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コーチングスクールでの学び(Day7,8)

第4週目、モジュール4での自らの学び、気付きについて、です。


変容の逆説理論

クライアントは受容的に受け入れられることで初めて変容する、という変容の逆説理論というものがあります。

コーチはクライアントに対して、「平等であること」と「肩入れすること」という、ある種相反することを両立していくことが求められます。それがすなわち「平等に肩入れする」ということ。クライアントのことを平等には扱うけれど、肩入れはしていない。これができないと相手は受容されたと思えない。
自分自身が変わるべき、という思い込みがコーチにあると、コーチ自身も相手に対して同じようにそれを強要している。そうしないための問いとして、

1)「どうしてあなたはそんなに頑張ってこられたのですか?」
2)「どうしてあの人は変わろうとしないのか?」ではなく、「何があったら、どうしたら(How)、変われるのか?」
と聴くことが挙げられます。

そして、相手は何を目的として不満を言い続けているのか?を知ろうとすること。自分のメガネを外して、相手のメガネで見てみること。徹底して聴いていると、不満や愚痴を言い続ける理由がなくなってきます。

勇気がくじかれると持ってしまう目標

ドライカースによると(下記参照)、勇気がくじかれた人が持ってしまうネガティブな目標に以下の4つ(5つ)の段階がある、とされています(矢印の先はこのような関わりを仕掛けられた側の反応や心情)。

ステップ1(標準状態):勇気がある
ステップ2:褒めてほしい → 褒めたくなる
     (分かってほしい → 可哀そう、頑張ってるなあ)
ステップ3:注目してほしい → 不安、イライラ
ステップ4:どっちが正しいのか確かめたい → 正したくなる
ステップ5:嫌がらせしたい → 悔しい、腹立たしい
ステップ6:誰も自分を助けられないと証明したい → 無力感

コーチングの場において、これらが起きてしまうのを防ぐには、以下が大切になります。

  • 相談時間を守る

  • 感情的にならない

  • 相手が普通にしている時に声を掛ける

褒めると勇気づけるの違い

このことについては様々な考え方があるかと思いますが、以下が1つの考え方、指針になるかと思います。

褒める:自分の価値観の押し付け
勇気づける:相手に対して5要素の行動(※)をし、エネルギーを上げる

“褒める”ということを続けていると、相手は他人の価値観に従った生き方になってしまいます。あるいは、結果にしか着目しなくなると、結果が出そうなことにしかチャレンジしなくなります(後述の「コンフォートゾーンを抜ける」にも関連)。一方、“勇気づける“というのは、WAO!などに代表される5つのポジティブなリアクション(※Day3,4の学び「コーチングで得られるものとその効果」下記参照)を相手に伝えることです。

「コーチングで得られるものとその効果」
コーチはクライアントの心理的エネルギーを上げる関わり方(WAO!、できていること、プロセス、成長、感謝、など)をしていきます。つまりそれが「私はできる」「人々は仲間である」という勇気付け、自己肯定感、自己効力感増加に繋がっていきます。

コーチングスクールでの学び(Day3,4)|とも@企業内キャリア支援を目指して (note.com)

その人(クライアント)が持っている価値観で動いているからこそ、素晴らしいと伝えることができる。妙に腹落ちするとともに、相手に対してそんな勇気づけを行うことで、幸せに向かうコミュニケーションを実践していこうと思えました。

インナーゲームとは

本項はまだまだ勉強中のため、簡単な記述に留めておきます。スポーツや発表会などの場面において、人は思考ばかりをしているが故に、自身の外側ではなく内側のゲームで負けている、というのがインナーゲームの考え方です。
インナーゲームでは、セルフ1;思考、セルフ2;内在力、内なる声、無意識、の2階層として、セルフ1では「思考を手放し、観察する」作業のステップ、セルフ2では「無意識を信じて、試行錯誤を繰り返す」そして「ゴールを意識して突き進む」作業のステップがあります。セルフ1に頼ると、どうしても頭でっかちになるため、セルフ2に従って、馬にも分かるように教え導いていきます。そうすると、意識状態では「できそうだ」という事にまだ気づいていないにも関わらず、無意識状態ではゴールに向かって勝手にやり続けていく、という「無意識の先行学習」というものが働き、ゴールにたどり着いた時に初めて、意識はそれを勝手にできたと認識していきます。

コーチングの構成要素

言葉の取り扱い方

コーチングの場では、なるべく分かりやすい言葉で表現するのが大切です。それは、どこから始めてもいいし、いじりやすいところからでいいし、カッコ良いアイデアなんて出さなくてもいい。クライアントは何を望んでいるのか?を考えながら、飾らない、平易な言葉で伝えてみる。

気をつけたいのは、外来語や漢語ではなく、和語でなるべく伝えること。その方がよりクライアントが内面を表現できることに繋がっていきます。それは職業や立場といったことは関係ないのだと思います。

決断をせまる場面以外は、基本的にはクローズドクエスチョンは使わないことです。なるべく、オープンクエスチョンで自由に話してもらうことも大切です(誰がいますか?どれなんですか?など)。具体化/事実の確認はさておき、クライアントが話したいように話してもらうことを優先する。クライアントにとっては、不安や恐怖の感情よりも、安心、楽しい、といった気持ちの方が表現しやすいこともあります。

場合によっては、クライアントの主訴を文章にしてもらい、それを文節に区切り捉えてみて、その1個1個に対して、「っていうのは?」と聴いて確かめてみる「言葉の扉を開ける」訓練を行うことも効果的です(勝手に名前を付けています)。と同時に、クライアントが発した言葉をふわっと流さず、キャッチ、探索していく勇気も必要です。聴き上手は切り上手、という言葉もあるそうで、そこを目指していければと思います。

ポジションチェンジ

相手の立場に実際になったつもりで考えてみる、未来へ行ったつもりで想像してみる、ポジションチェンジ。クライアントは椅子などを置いてみて、何を感じるのか?好きなところは?いいなと思うところは?を考える。
流れとしては、以下に沿って組み立てていきます。

  1. いつ?どこで?誰と?何に関するゴールを適くと良さそう?

  2. 誰と(どの場面で)ポジションチェンジすると良さそう?

  3. ニーズ、リソースのケアは必要か?(誰の?)

  4. (未来(-)を描く必要がありそうか?)

ここには、五感にアクセスしてもらう大切さがあります。そうして、より具体的にしていけるような「質問」や「問い掛け」をしていきます。ここにいる人の話は?といったように、仮に現在から未来へ行った時にアクセスできるもので、考えてみることです。

ゴールの置き方

コーチングにおける最重要項目の1つとも言えるゴール設定。セッションの中では、ゴール(=What)を明らかにして、何ができる(=How)を考えていきます。決して、ゴールができる前にプロセスのことは考えないようにします。プロセスの質問は最後のステップに聴く、ということです。時には「他には?」を使いながら、どんどん具体的にしていくことも必要です。そして、ゴールを言語化し、クライアントとの間で共有していくことです。
さらに、最も大切なことは、ゴールは肯定形で表現する!ということです。すなわち、クライアントが欲しいものを取りにいく気持ちになれるような表現にしていきます。

振り返り

自身のコーチングを以下の4層構造で捉えて、コーチの立場から表現し、振り返ることが大切です。そのまま流していかないこと。仮説を立てた上で振り返りをする。無意識にすすめないことです。
また、コーチングでは、コーチにとって役立つ時間はなるべく少なくし、クライアントに役立つ時間を多くとることを意識して、セッションの時間がそのような時間になったのか、を振り返ってみることが大切です。

  • ① 質問(問い)について

  • ② 構造(組み立て)について

  • ③ 態度(向き合い方)について

  • ④ クライアントのステイトについて

  • (+加えて、クライアント(そしてコーチも)のやる気はBefore、Afterで変化はあったのか?について)

それと同時に、クライアントからのフィードバックシートも大切な実験結果、検証データとなります(白紙で聴いてくれたか?話したいことを話せたか?アプローチに納得感あったか?)。
「ジョハリの窓」という考え方がありますが、自分も他人も知らない領域をどんどん拡げていくことにも繋がるのかもしれません。人生の午後を生きる者として、「人生の後半は利き腕とは違う方を鍛えていく」という印象深い言葉もありましたが、それは同時に、寛容さや多様性を培っていくことにもなるのかもしれません。

コンフォートゾーンを抜ける大切さ

”コンフォートゾーンを抜ける”、ということは、今まで行かなかったところに行ってみる、ということ。クライアントはコンフォートゾーンの中でしかゴールや物事を考えることができない、ということを理解する。そして、自分自身もそうだということを強く認識しておきます。

同期の受講生から”something different"という言葉を与えてもらいましたが、たとえ結果が出なくても、今までやってみなかったことに少しでもチャレンジしてみること、行動することで、得られた結果から新たな発見を見出し、次に繋げていくことが大事なのかな、と思います。

今回週のモジュールの講義を終えて、コーチングって難しいけど、面白いな、と感じ始めた自分がいます(遅いですが…)。問いを立てたり、仮説検証を繰り返すことで、より良いアプローチや新たな発見(あるいは課題)に出会うと素敵だな、と感じた次第です。

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