顧客段階と代表的なアプローチ方法

4つの顧客フェーズと代表的なアプローチ方法一覧【マーケティング】

小川です。

「マーケと営業の共通言語を増やす」ことを目的にnoteを書いています。

今回は、「お客さん」の中にもそれぞれの段階(状態)があり、それによってマーケティング施策の打ち手は変わるということについてまとめてみました。

4つの顧客フェーズと代表的なアプローチ手法一覧

複雑にしようと思えばいくらでもできてしまうため、今回はできるだけシンプルにまとめてみました。

顧客段階と代表的なアプローチ方法

それぞれ解説していきます。

5つの顧客フェーズを理解する

顧客は大きく5つの段階に分けられます。

今回はマーケティング施策のアプローチ手法と組み合わせているため、「すでに商品・サービスを購入してくれた顧客」を除いた4つの顧客フェーズのみ載せました。

ちなみに「顧客」=すでに商品・サービスを購入してくれた人と考えられがちですが、実際は違います。

顧客(こきゃく、英:customer)とは、自社の商品やサービスを販売する対象のこと。 電力事業者・ガス事業者などのエネルギー供給関係では、需要家(じゅようか)という用語も多く使われる。 また、サービスの対象によって旅客・観客などの言葉も使われる。引用:wikipedia

販売する対象になる人はすべて「顧客」であるため、まだ商品・サービスを購入していない人も含まれています。

見込み顧客

見込み顧客の定義もさまざまあるのですが、今回は「すでに自社の商品・サービスを認知しており購入の見込みが高い顧客」という意味で使っています。

要は、もっとも購入に近い人のことですね。

顕在層、準顕在層

人が商品・サービスを購入するのは、何かしらの悩みを解決したいと感じているからです。(例外もありますが)

そして顕在層と見込み顧客の違いを言語化すると、「何かしらの悩みを解決したいと感じており解決策を探しているけれど、自社の商品・サービスを認知し欲しがっている状態までには至っていない」のが顕在層です。

解決策として色々なサービスを比較・検討している段階とも言えますね。

顕在層、準顕在層を分けているのは、アプローチ方法が大きく異なってくるからです。(詳しくは後ほど解説します)

悩みを解決したいと感じており解決策を探しているのが顕在層ですが、悩みを抱えていても解決策を探そうとまでは思っていない人やそもそも解決策の探し方がわからず行動に至っていない人もいますよね。

それが、準顕在層です。

潜在層

潜在層は、「まだ悩みを持っていないけれど今後持つ可能性がある顧客」のことを指します。

そのため、今後悩みを持つ可能性が限りなく低い人は顧客とは考えません。

例えばマーケティング活動を自動化するためのMAツールは、「リストを管理・区別して効率的にマーケティング施策を実行したい」「もっと効果的なマーケティング施策を打てないか」という悩みを抱える人を対象にした商品ですので、そもそも「効果的なマーケティング施策を打ちたい」と思わない人は顧客にはなりえませんよね。

ですがマーケターの人であれば、いつかは「効果的なマーケティング施策を打ちたい」という悩みを抱え、MAツールを検討する可能性は高いです。

このように、「今は悩みを抱えていなくても将来的に悩みを抱える可能性がある顧客」が潜在層になります。


それでは次に、顧客段階ごとのアプローチ方法について解説していきましょう。

①見込み顧客へのアプローチ方法

見込み顧客へは「WEBサイト×商品・サービスへの指名検索」が代表的なアプローチになります。

要は、指名検索キーワードでリスティング広告を出稿し自社のWEBサイトに呼び込みます。

例えば先ほど出したMAツールで言えば、「マルケト」「SATORI」などが指名検索キーワードにあたります。Google検索やyahoo!検索で「マルケト」と検索した時に自社の広告が表示される状態を作り出しておきます。

当然ですが最もCVR(成約率)が高くなるため、指名検索をいかにして増やすか?は非常に重要なマーケティング施策です。

最近、電車広告でよく見かける「ビズリーチ」は下記のように指名検索を大幅に伸ばしています。

スクリーンショット 2020-03-15 18.02.40


また別軸ではありますが、「既存顧客からの紹介、口コミ」によって効果的に見込み顧客を生み出すことができます。

多くは知り合いから話を聞き、自身でもサービス名で検索をかけるという行動を取るため、指名検索で流入することが多いです。

②顕在層へのアプローチ方法

顕在層へのアプローチで重要になるのが、「CVキーワード」というものです。

※CVキーワード=成約に至りやすいキーワード

例えば中学受験専門の家庭教師を派遣するサービスをしていた前職では、「中学受験 家庭教師」「サピックス 家庭教師」「麻布中 家庭教師」などがCVキーワードでした。

・「中学受験 家庭教師」:中学受験に強い家庭教師を探している
・「サピックス 家庭教師」:大手予備校であるサピックスで上位クラスに上がるためのサポートをしてくれる家庭教師を探している
・「麻布中 家庭教師」:麻布中に合格させてくれる家庭教師を探している

特徴としては、どれも悩みを抱えておりその解決策を探しているという点です。

「中学受験に合格したい」「サピックスで上位クラスを取りたいけれど授業についていけずテストで点数が取れない」「麻布中に合格したいけれど過去問をやってみたところボロボロ。予備校でも対策クラスに入れない。どうしよう」などなど。

このようなCVキーワードで検索をしている顧客にアプローチをすれば、当然ですがそれなりの成約率が出ます。

具体的なアプローチ方法としては、

・SEO対策をすることでCVキーワードで検索した時に自社サイトが上位表示されるようにする

・リスティング広告を出稿しCVキーワードで検索した時に自社サイトまたはLPの広告が表示されるようにする

の2つがあります。

※LP(ランディングページ)というのは、CVRを最大化するために作られた一枚もののページのことです。今回は詳細は割愛します。

③準顕在層へのアプローチ

準顕在層は顕在層と違い、解決策を探していません。

そのため顕在層よりもアプローチが難しくなります。

また顕在層のようにWEBサイトやLPを見せても、同じような効果は得られません。成約率は下がるのが一般的です。

アプローチ方法としては、見込みキーワードを狙ってSEO対策やリスティング広告を出す方法があります。

先ほどの家庭教師を例で言えば、「中学受験 勉強法」「サピックス対策」「サピックスオープン対策」「麻布中対策」などが見込みキーワードに当たります。

解決策(家庭教師)は探していないけれど、「中学受験の勉強法が知りたい」「サピックスの対策がしたい」「サピックスオープン(サピックスで行われる上位クラスに上がるためのテスト)で点数が取れない」「麻布中に特化した対策がしたい」といった悩みは抱えている状態です。

まだ他者に頼るのではなく自分で何とかしようとしている状態ですね。

そのため、いきなり「家庭教師をつけましょう!」といっても当然反応はしてくれません。


また、SNS広告も準顕在層向けのアプローチ方法となります。

SNS広告とは、facebook広告・Instagram広告・Twitter広告などソーシャルネットワークを利用する際に出てくる広告です。

リスティング広告(検索広告)と違い、検索をして何かを探している状態ではなく、何となくタイムラインを眺めている時に出てくる広告になります。

そのため当然ですが顕在層よりも成約には至りにくいです。


顕在層と準顕在層の違いを表すと下記のようになります。

スクリーンショット 2020-03-15 18.47.59

それぞれメリット・デメリットがあるため、活用法も異なってきます。

他にディスプレイ広告やAD広告などもありますがここでは割愛しますね。


成約に至りにくい準顕在層に対しては、CVポイントを変えるのが効果的な手法です。

いきなり購入やサービス説明の資料請求を求めてもなかなか反応はしてもらえません。

そこで、「お役立ち資料」や「ホワイトペーパー」「セミナーへの参加」をCVポイントにすることでリード獲得を促すのが準顕在層の集客のポイントになります。

④潜在層へのアプローチ

潜在層へのアプローチは、最も優先度の低い施策となります。

ゴール(成約)までが遠いため、非常にコスパの悪い施策となるからです。

潜在層へのアプローチの目的は「ブランディング」です。

ブランディングの定義もさまざまですが、ここでは「◯◯なら△△」という「解決策×商品・サービス名」のイメージの植え付けとしています。

代表的な例で言えば、「バイト探しはindeed」ですね。

効果としては、顧客が顕在層(または準顕在層)になった時に解決策の1つとして自社の商品・サービス名が想起される、というものがあります。

先ほどの家庭教師の例で言えば、「麻布中の対策がしたい」となった時に自社の家庭教師が思い浮かぶ状態になっていれば競合よりも優位に立ちますよね。

また、初めて検索をして見つけたサービスの中で「聞いたことのあるサービスかそうでないか」ではその後の成約率にも大きな差が出てきます。

つまり、潜在層へのアプローチは「リード獲得(集客)よりもその後の成約率に好影響を与える」ものであるとも考えられます。


まとめ

以上、4つの顧客フェーズと代表的なアプローチ方法について解説しました。

「集客する」という言葉で一括りにして考えてしまっていては効果的なマーケティング施策を打つことはできません。

準健在層と顕在層を区別して最適なアプローチをするだけでもマーケティング効果は大きく変わります。

今後のマーケティング施策に少しでも役立てば幸いです。

それでは!


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