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地方の公立高校で情報科教員を目指される方へ

はじめに

私は私立高校で11年間、情報科教員として勤めたのち、地方の公立高校で情報科目教員として1年間勤めました。その経験を踏まえて、地方の公立高校での情報科教員の採用状況について書きたいと思います。

教科「情報」について

教科「情報」の共通科目は「情報Ⅰ」と「情報Ⅱ」がありますが、共通履修科目である「情報Ⅰ」が全ての高等学校で設置されています。「情報Ⅰ」は標準単位数が2単位であるため、例えばクラスの数が8クラスだったら8クラス✕2単位で受け持つ単位数は16単位となります。

情報処理学会「高等学校情報科の現状と情報入試」より引用

地方の公立高校での採用状況

地方では少子化の影響で生徒数が少なくなっており、クラス数も減っています。文部科学省の統計によると、令和元年度から令和3年度にかけて、全国の公立高校の生徒数は約10万人減少しました

文部科学省「学校基本調査」(文部科学省「高等学校教育の現状について」より引用)

このように、特に地方では生徒数やクラス数が減っているため、情報科教員は副免許を所持している場合、担当するコマ数を揃えるために他の科目を担当するケースが多くなっています

私の例で言うと、教員採用試験は「情報」で受験し合格しましたが、公立で勤務していた1年目は
情報1単位✕8クラス

数学6単位✕1クラス
の計14単位を受け持つ形となりました
(初任のため、研修のための軽減あり)。

今後、地方において情報のみを担当する教員を目指される方はその点に注意した方が良いです。教員採用試験の受験申込時に情報の教員免許状以外の免許状(いわゆる副免)を必須の条件としているところは要注意です。

情報科専任の先生がいない学校は?

以下の図のように、全国の多くの自治体の情報科を専門に担当する教員数が足りていない状況となっています。そのため、情報科専属の教員が配置されていない学校は他教科の先生で情報の教員免許を持っている方や臨時免許の取得によって情報科の先生を「まかなっている」状況となっています

情報処理学会「高等学校情報科の現状と情報入試」より引用

まとめ

地方の公立高校での情報科教員の採用状況について紹介しました。教科「情報」は重要な教育内容であるにもかかわらず、担当する単位数や授業時間が少なく、他の科目を兼任する必要があるという現状があります。STEAM教育やICT教育が謳われている昨今において、情報科の先生が足りていないという状況は喫緊の課題と感じております。

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