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男性的規範と邪悪な性格特性の交わり :男性のレイプ神話受容を探る

レイプ神話受容(RMA)は、性的暴行に関する態度や信念に影響を与え、有害なステレオタイプを永続させ、しばしば被害者を非難する文化に寄与する広範な問題です。
男性におけるRMAの要因をより深く理解するために、最近の研究では、男性的規範への適合と性格特性のダークテトラドの相互作用を掘り下げています。

男性的規範への適合とダークテトラッドの検証

本研究では、米国に住む主に白人で異性愛者の男性301名を対象としました。
研究者は、階層的回帰分析をおこない、男性のRMAに対する男性的規範への適合性とダークテトラド特性の独自の寄与を明らかにしました。
ダークテトラドは、サイコパシー、マキャヴェリズム、ナルシシズム、サディズムの4つの性格特性からなり、操作的、搾取的、冷酷な傾向を特徴としています。

主な調査結果

本研究の結果、男性的規範への適合とダークテトラドの特徴の両方が、男性のRMAを説明する上で重要な役割を果たすことが示されました。

このことは、伝統的な男性的理想に強く固執する男性は、レイプ神話を支持する可能性が高いことを示唆しています。
さらに、ダークテトラドの特徴の一つであるサイコパシーも、RMAのポジティブな予測因子として同定されました。

媒介分析

研究者はさらに、事後媒介分析をおこなううことで、サイコパシーとRMAの関係を探りました。
その結果、サイコパシーとRMAの関連は、女性に対する権力規範への適合性によって部分的に、あるいは完全に媒介されることが示されました。
つまり、男性が女性に対して権力をもつべきだという信念への適合が、サイコパスとRMAのレベルの高さとの関連性を説明する上で重要な役割を果たしたということです。

相関と関連

また、男性的規範への適合、ダークテトラドの特徴、RMAの間にあるいくつかの仮説的な関連も本研究の結果で支持されました。
女性に対する権力や暴力規範への適合は、サイコパシーやサディズムと正の相関を示しました。
リスクテイキング規範への適合はサイコパシ―と相関し、プレイボーイ規範への適合は4つのダークテトラド特性のうち3つと相関していました。

意義と今後の方向性

男性のRMAの要因を理解することは、効果的な介入策や予防策を開発するために不可欠です。
これらの知見は、権力の不均衡や女性の客観化を促進する伝統的な男性的規範に挑戦することの重要性を強調しています。

本研究は貴重な知見を提供する一方で、その限界を認識することが極めて重要です。
サンプルは主に米国の白人異性愛者男性で構成されており、調査結果の一般化可能性を制限しています。
今後の研究では、RMAに影響を与える要因の交差性を検討するために、より多様なサンプルを含める必要があります。

結論

今回発表された研究は、男性のRMAを形成する上で、男性的規範への適合とダークテトラドの性格特性との間の複雑な相互作用に光を当てています。
これらの要因のユニークな寄与を明らかにすることで、研究者は、有害なレイプ神話を永続させる根本的な力学を理解する上で一歩前進したのです。
これらの知見をもとに、さらなる研究と実践的な介入を行うことで、これらの信念を解体し、すべての人にとってより包括的で尊敬に値する社会を促進することができます。

参考文献

Tokar, D. M. (2023). Conformity to masculine norms, the Dark Tetrad, and men’s rape myth acceptance. Psychology of Men & Masculinities.

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