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4321(3)

ポール・オースターの「4321」第2章を読みました。

第2章は、Archieが中学高校の頃の話。年代でいうと1960年代前半までで、南米での反米活動、ケネディ対ニクソンの大統領選、ケネディ暗殺などがあった頃。

それぞれのエピソードでArchieのお父さんの仕事もバラバラなのですが、インドアのテニスクラブ経営を始める話は、お父さん、先見の明があるなあと思いました。別のエピソードでは、第一章からの流れでお父さんは家電の小売りをやっていて、冷蔵庫や食洗機を売ってかなり儲けていました。アメリカは60年代にはもう食洗機が家庭にあったというのは驚きです。

また第2章はArchieの性の目覚めと恋愛もテーマになっています。その中では、ベルギーの外国官の娘と(その父親と)のエピソードが面白かったです。そして10代の頃は、男子より女子の方が考え方が大人っぽいなと思いました。Archieは学内野球選手に選ばれたたった二人の2年生のうちの一人で、それを彼女に嬉しさを抑えきれずに電話で報告すると、「私はスポーツが嫌い。特に野球が嫌い。野球ほどくだらないスポーツはない。野球なんて、空虚で子どもじみていて退屈じゃない。あなたみたいな利発な人がどうしてこんなことで時間を無駄にするの?」などなど、散々な言われよう。彼女の言い分、15−16歳でスポーツに対してここまで辛辣な意見を持てるのはすごいなぁと思いました。

Odio lo sport. Soprattutto il baseball, di sicuro il gioco più stupido mai inventato. E' vuoto, infantile e noioso, e non capisco perché un tipo sveglio come te abbia voglia di perdere tempo a correre intorno a un campo con un branco di imbecilli. Cresci, Archie. Non sei più bambino.

Paul Auster 4321 (trad. Cristina Mennella, Einaudi 2019) 144

今日から第3章を読みます。今後はもう少しマメにnoteに記録を残していこうかな。

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