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Lettera a un bambino mai nato (1)

今日からOriana FallaciのLettera a un bambino mai natoを読み始めました。1975年初出。私が持っているのは2010年版。前書きや解説、著者インタビューも収録されています。今日は前書きは読まずに第5章まで読みました。

彼女の作品では、ずっと前にギリシアの民主活動家アレコス•パナグリスとの日々を綴ったUn uomoを苦労しながら読みました。

Un uomoはかなり難しくてぼやっとしか内容覚えていません。パナグリスはギリシアの軍事政権に対するテロ行為を企てて失敗し、投獄されひどい拷問を受ける。(脱獄したか、恩赦を与えられて)収容施設から出たパナグリスをファラーチはイタリアで迎え入れる。パナグリスは政権打倒の次なる手(次なるテロ行為)を打つために協力者を集めるんだけど、精神的に不安定な日々を過ごす。で、二人がイタリアで一緒に暮らしていた時に彼女が身籠った子ども宛の手紙、というのがこの本なのですよね、きっと。小説ではなくて、彼女の実体験を綴った本。

自分の中に新しい生命が宿ったことを直感的に知るファラーチだけど、まだ医学的には判断がつかない状態。医者からは2週間後にまた来て、と告げられます。その間、彼女の頭を巡る様々な考え。産むべきかどうか。男として生まれることは、女として生まれることは。女であることは戦うこと、戦うことは意義のあること。愛とは?愛とは、自分の子どもに対してだけ生じる感情、などなど。

父親の名前は明かされていません(それは自明のことだからだと思うけど)。電話で彼に妊娠を告げると、ツレない反応。「どれくらい必要?」と中絶費用を聞いてきます。そして最後には、「中絶費用は折半。お互い責任があるんだから」。

"Pensa alla tua carriera, considera le responsabilità, un giorno potresti pentirtene, cosa diranno gli altri." Io sorridevo, quasi divertita. Però mi sono divertita assai meno quando, incoraggiato dal fatto che ascoltassi zitta, ha concluso che la spesa potevamo sostenerla a metà: dopotutto eravamo "colpevoli entrambi".

Lettera a un bambino mai nato (Oriana Fallaci, Rizzoli, 2010) 14 

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