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【知の探索】「新学習指導要領」を深掘る

■参考記事
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1383986.htm#section4
https://www.manabinoba.com/tsurezure/018175.html

■サマリー
・改定における主なキーワードは下記3つ
 ①社会に開かれた教育課程
 ②資質・能力
 ③カリキュラム・マネジメント
▼①社会に開かれた教育課程
・「働き方改革」「副業解禁」などが叫ばれるように、
 これからの社会の中では「学校を卒業後に就職した会社で退職まで働き、
 その後は年金で生活する」という生き方だけではなくなった。
・むしろ超高齢社会である日本では、そのような生き方は選びたくても選べない時代になる。
・子どもたちは「前例やモデルのない生き方」を模索していかなければならない。
・まずは教員自身が現在の社会の状況を学ぶ姿勢を持ち続けることが必要。
・「社会に開かれた教育課程」=「学校で学ぶことが社会とつながりを持っていること」。
▼②資質・能力
・文部科学省は「資質・能力」という言葉を使っているが、
 様々な角度、アプローチで多くの知見があふれているのが現状。
・新学習指導要領では資質・能力を「三つの柱」として整理。
 1)何を理解しているか、何ができるか ※ナレッジ
 (生きて働く「知識・技能」の習得) 
 2)理解していること・できることをどう使うか ※スキル
 (未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成)
 3)どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか ※スタンス
 (学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養)
・中央教育審議会答申では、この3が、1.2の資質・能力を”どのような方向性で”働かせていくかを決定づける重要な要素であると強調。

▼③カリキュラム・マネジメント
・学校が行う教育活動は、各教科、総合的な学習の時間、道徳、特別活動の4つがある。
・カリキュラム・マネジメントとは、要はこれらの教育活動を”計画的に”行っていこう、というもの。
・これは何も特別なことではなく、これまでも学校は毎年教育課程を作成し、届け出をしている。
・今回の改定におけるポイントは「つながりを意識する」ということ。
・「教科書がそういう順番になっているから」ではなく
 「以前はこのようなことを教えたから、それを次回の単元につなげよう」と教員一人ひとりが考えることが大切。
例)「走れメロス」という作品を通して、「起承転結という物語の構成」を教えることもできるし、「人物像の描かれ方」を教えることもできる。
 もしこれまでに「物語の構成」を伝えているのであれば、今回は「人物像」を指導する、等

■深堀&思考
▼2016年、G7倉敷教育大臣会合における「倉敷宣言」のキーワード
 ・What to know (acquiring knowledge) 何を知っているか(知識に関するもの)
 ・How to use knowledge (acquiring competencies ) 知っていることをどう使うか(コンピテンシーに関するもの)
 ・How to engage in society and live a better life どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか
▼OECDが提唱する「OECD Learning Compass 2030」のキーワード
 ・「知識(knowledge)」
 ・「スキル(skills)」
 ・「態度・価値(attitudes & values)」
▼つまり正解はない?
・新学習指導要領を読むとかなり抽象的な言葉が多いが、
 大枠は世界共通であり、世の中の変化に即した内容になっている。
・要するに、教員たち自身が世の中の変化を理解し、今後の教育の在り方を考え続けることが必要なのではないか。
・鈴木寛氏は1on1の重要性を訴えているが、
 これらの複雑な方針すべてをまとまたわかりやすいアクションプランとして提示しているのだと推察。
・そうなると教員のマネジメントの技量が問われる。さらに言えばポータブルなビジネスマンとしての基本的なスキルも必要となる。
・しかし現状教員の採用や育成は形式的なものに留まっており、本当の意味で指導者としてのスキルが磨かれる環境は整っていない。
・教員一人ひとりが「あるべき教育」を考え続け、必要に応じては社外との交流などを通じて、新たな視野を獲得し続ける自律性が求められるのではないか。
・そう考えた時に、ビジネスと教育の交流が増えていくような社会の仕組みが必要だと考える。

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