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「働く環境を選ぶ」という決断をした私の体験

独立してからというもの、
気がつけばもう四年が過ぎた。

「独立なんて絶対無理だろうと思ってたけど、なんとかなったな」

社会に出てから最初に就職したところはブラックなところだったが、
給料は良かった。
そこで正社員として働いていた時に比べれば、
収入は大きく落ち込んだ。

だがその代わり、
幸福度は高まった気がしている。

「結局これが、自分に一番合った働き方なんだろうな」
なんとなくそう感じて、今では毎日を過ごしている。

発達障害の人にとっては、
働く環境というのが、実はすごく重要になってくる。

今回は、どこまで参考になるか分からないが、
薬に頼らずに環境を変えるというやり方で
発達障害に対処した体験についてまとめてみた。

辞める時に気になってしまう上司の言葉

仕事を辞めるのには、大きな勇気がいる。

「仕事を辞めてしまって、ちゃんとやっていけるだろうか」
「後悔することにならないだろうか」

そういう気持ちも、もちろんあったが、
やはり辞めますという気持ちを伝えた時に、
何か説教でもされるんじゃないかという気持ちの方が強かった。

「そんなんじゃ、どこへ行っても通用しないぞ!」
そんな感じのことを、自分も言われるんじゃないか。

そう思っていたら、私の場合には、
意外にもすんなりと受け入れられた。

最初に勤めていたメーカーでは、
リーマンショックの影響で、
毎週のように人が辞めていくということもあった。
だから、上司からは
「多分この人も、引き止めても無駄なんだろうな」
くらいに思われてたのかもしれない。

次にアルバイトとして勤めていた税理士事務所でも、
辞める意向を伝えた時には、
特に何も言われなかった。

いろいろミスが多くて事務所の先生にも迷惑をかけてたから、
事務所の先生にしてみれば、
「これじゃあ仕方ないよな」
と思われていたんだろうか。

新しい環境に移る前に、
古い環境は手放すことになるから、
そこに大きな壁がある。

私の場合は、周囲の状況に流されてしまっていた面もあったが、
なんとか古い環境を手放すという決断ができた。

時代に合わない評価方法

そもそも、世間ではどうして仕事を辞める時に、
上司から説教されるようなことになってしまうのか?

どうしても環境が合わずにストレスに耐え切れず、
仕方なしに辞める人がいる一方で、
何か大きなチャレンジをしてみたいという人や、
実現させたい夢があるという人だっている。

それを全部ひっくるめて「逃げてるだけだ!」と説教するのも、
なんだかおかしい気がしていた。

その理由に気づけたのが、
キャリアコンサルタントの養成講座を受講していた時だった。

せっかく採用した人が辞めてしまったともなると、
そこに費やされた採用費用や研修にかかった費用などが、
全部無駄になってしまう。

この費用は結構な金額になるので、
辞められてしまえば会社に与える影響は大きい。
だから上司は、組織を守るために必死になって
人材を引き留め、育成しようとする。

だがこれは表向きの理由で、
直接的な理由というのが、
「人事考課」という制度にあるらしかった。

人事考課とは、企業が定めた基準に基づいて
社員の能力や勤務態度を評価するもので、
その結果は給与の算定や昇進にも影響する。

もし、ある上司のもとで部下が辞めてしまったすれば、
その上司の人事考課には、ちゃんと人材を育成できなかったとして、
それだけのマイナス評価がついてしまう。

上司側にしてみれば、
自分の給料は減ってしまうし、昇進にも響いてしまう。
だから、「辞めます」なんて言われたら、
会社のためというより自分の評価を気にして
必死に引き留めようとしてくる人も出てくるらしかった。

それを知って、「なんだかなぁ・・・」とモヤモヤした気持ちになった。

私が辞める時に何も言われなかった理由も、
そうした評価の問題が背景にあるのではないかという気がした。

リーマンショックで離職が生じているなら、
上司の人材育成力というのは問われないだろう。
税理士事務所での仕事では、
私以外には事務所の先生が一人いるだけだったので、
そもそも人事考課という話自体が出てこない。

ポジティブな理由で今の仕事から離れたいという人だっているのに、
辞められたら上司はマイナス評価をくらうなんて制度だったら、
部下にすればさすがに辞めづらくもなってしまう。

こんな制度があるものだから、
部下が会社の外の世界で何か新しいことに挑戦したいとなったときに、
背中を押してくれる上司が少なくなってしまうわけだ。

「こういう時代遅れな制度は、早く無くなって欲しい」
そう思わざるを得なかった。

自分はどんな環境なら力を発揮できるのか

発達障害がある状態で仕事をするのであれば、
まずは自分の特性というのをよく理解しておく必要がある。

他人のペースに合わせるのが苦手な私の場合は、
一人で自分のペースで進められる仕事が向いているとわかっていた。

他にも、飽きっぽいところがあるので、
ひたすら単調な仕事をするのも苦手。
一方で、大き過ぎる変化にも対応が難しい。

本当だったら大学の先生にでもなれたら良かったが、
今となってはそうもいかない。

結局、独立してからはライターとして活動することになった。
記事作成の仕事なら、自分のペースでできるし、
完全に機械的な単調作業というわけでもない。

なにより、毎回記事を書くごとに、
何か面白そうなアイデアを練るというのは、
自分にとっては力を発揮できる分野だった。

そこで役に立ったのが、以前から運用していたブログで、
いくつかの記事で検索順位の上位を獲得したものもあった。

独立するともなると、やはり何かアピールできる材料は必要になってくる。

営業は苦手だったが、
就活や転職活動で書類を書いた経験くらいあれば、
提案書程度なら書くことは十分できる。

私の場合は、何社も同時並行で取引するのが苦手なので、
一社だけに絞って集中的に取引するというスタイルにした。

一社の仕事に集中することで、記事のクオリティをできる限り上げ、
納期も余裕をもって提出するようにしたことで、
取引先からは高い評価をしてもらえている。

「自分がどうやったら一番力を発揮できるのかを把握しておくのって、
大事だな」

発達障害と一言にいっても、
いろんなタイプの人がいるので、
一概にこのやり方がベストだと言えるものが無い。

うまくいっている他人のやり方を参考にして、
自分に取り入れられそうな部分は積極的に取り入れていく姿勢だ大事になってくる。

何か少しでも読者の参考になりそうな部分があれば幸いだ。


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