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自分の組織を自分ができること以上の組織にする

あんまり自分は組織論やマネージメント論みたいな本は読まないので、こういったトピックが時流なのかは知りません。ただ、マネージメントの罠とかにありそうなトピックなので今日は書いてみたいと思います。

マネージメントの罠

なぜ、罠と書いたのかというと、優秀な人ほどハマりやすいトピックだよなと思ったからです。優秀な人は出世をし、その人ができるのと同じぐらいのことができる人が増えて、会社の業績が伸びるようにと人の面倒を見ることを任されます。ただ、この際に自分がその部署における業務について”おおよそ全ての業務において”メンバーよりもできているから任された、みんなが自分と同じことをできるようになれば組織力もあがり、業績もあがるんだと考えもせずに、当然のこととして考えてメンバーへのマネージメントを行うところから罠はスタートしています。

ただ、実際に専門的な職種だとしても、求めら得れるすべてのスキル・経験において誰よりも秀でているなんていうのはほとんどなく、平均すると今いるメンバーよりも上、または実務をメンバーとしてこなすのではなくて、組織を任せてみたいと思われたからマネージャーみたいなことを始めているというケースがほとんどかと思います。

自分のマネージメントするチームに、明らかに自分よりも秀でている知識や特定の経験が持っている人がいたらラッキーです。なぜなら、その人最大限活用することによって、自分ができること以上の組織を作ることができるからです。でも、往々にして、そういうケースでは評価や給料は自分よりもそういった特定の能力を持っている人は下と自然と見做してしまうことがありますが、ここが一番わかりいくいポイントかと思います。本来であればその特定する能力・経験がビジネスにおいてクリティカルであるならば、ときにはマネージャーや組織を司る人よりも高額の給料をもらったり、高い評価を得られるような仕組み、またマネージャーや組織もそれらを評価する仕組みや基準、心構えを持っていないといけないのです。

最近でこそ、エンジニアのスペシャリスト、データサイエンス的な人がマネージメントラインについてなくても高い評価・給料を得られる、専門職的な人事制度をもった会社も増えていますが、実はまだまだそれだけでは十分ではないのかなと感じています。

エンジニアやデータ分析といったわかりやすい職種以外にも、専門的じゃないようで、実は専門的なスキルとして、プロジェクトマネージメントのエリアがあると個人的には考えてます。というのも、マネージャに立つような人であれば、ビジネスのさまざまな案件をスケジュール内でリスクも管理しながら期日までに結果を出すということを自然とやっていることがありますが、そのスキルは感性としても持ち得ているもので、人に教えれる体系化できてないケースがあります。そういった時は、プロジェクトマネージメントの専門的な体系化されいた知識、実行ができるっていうスキル・経験の人材がチームにいると、各メンバーのプロジェクトを管理する能力が向上することが容易に考えられます。

プロジェクトマネージメントは一例にすぎませんが、いま自分が管理している組織があった場合、どこの部分が自分の弱みで、さらにメンバーにそのスキルを自分以上に持っている人がいるのか?また、いないなら採用や異動の受け入れで賄えるのか考えてみるところから始めてみるといいかと思います。

自分より高い給料の人をマネージメントする?

この話の続きとして、中盤の方でも述べた、仕組みとして、スペシャリストをチームに迎え入れて、より組織を自分ができること以上の組織に持っていけるのか?において、大半の人がつまづきがち、腑に落ちないトピックとして、マネージャー本人よりも”給料が高い”人で実現するというチャレンジなものがあります。

別にこれは自分より年齢が上の人だとかそういった年齢的な問題ではありません。ときには自分より年齢が低い場合も、高い場合も両方あるでしょう。マネージメントの仕事をしている中で、自分の能力よりも組織をより高いレベルに持っていこうとすると、やはりそういった専門的な知識をもち、さらに自分よりも高い給料の人をいかに生かすのか?というチャレンジをする必要があります。この場合においての課題はおもに下記の二つになります。

- 専門的な知識を持っているので、マネージャーがその人に対する専門的な評価をすることが難しい。
- 邪魔になってしまうメンタリティは自分の方がポジション的に比較的にえらい(つまり評価する側)と思ってしまっていること。

前者については、一番わかりやすいんのはやはり自組織が持つKPIの達成に係数として貢献していることなどを一つの指標にする必要があります。専門的にこの人はシニアだとか、まだこういったスキルが足りてないとかを、専門外の人が見るのは難しいので、大きめの企業でしたらやはり同じ分野で秀でた人と比べてみる、アドバイスをもらうみたいなアレンジが必要になると思います。ただ、評価自体はその人のモチベーションに繋がるところがあり、単にKPIだけではその人をその組織で維持することが難しいなど、別な問題がでてきますが、それはトピックがずれてきしまうので、また別な機会に書きたいと思います(人材評価・リテンションという観点で)。

2点目のメンタリティは、これ日本だじゃなく、比較的ヒエラルキーの強い国でも同様な傾向がみられると自分では思ってます(特にインドのようなカースト制)が強い国では。本来であれば、会社における組織マネージメントのポジションは組織をマネージメントするという役割であって、えらい・能力が高いという話とは切り離して考えられるべきことなのです。ただ、実際にマネージメントをするからにはその職場で必要な主要な能力を持っており、経験値があるひとがつくことでより現実的に組織を管理できるというのがあり、メンバーより能力がある・評価されている人がそのポジションにつくべきだという流れになっているケースがほとんどで、これをベースにすると、ポジションについている人は比較的えらいんだ、給料もメンバーより高くて当然だという比較優位の心理が形成されると思ってます。

しかし、本来のマネージャーという役割は、いる人材を最大限に活用して、業績を上げるということであり、自分が偉いか偉くないか、特定能力においてメンバーより秀でているか秀でていないかとはまた違った管理スキルが求められているのです。自分が優れている能力について指導するケースにおいては”教える”という立場でも構いませんが、自分が優れてないエリアが強いスペシャリストがいる場合は、自分が上にいるというプライドをおいて、いかに活用するべきかという視点に立つのが本来は正しいんですよね。でも、ここは人間の性なのか、よく自分より給料が高いというメンバーがいるとキャップをかけてしまったり、無駄に威張ってしまったりと、本来の役割を果たせないケースを多く見かけてきました。論理的に理解できても、気持ちが追いつかない、または価値観としてそういったケースを受け入れられないなどさまざまなケースがあります。でも、本当に組織を自分ができる以上のことをできるようにするという視点で考えたら、こういったケースをしっかりマネージメントできてこその、優れたマネージャー・管理職といえるのではないかと自分は考えてます。

この問題、マネージャー・管理職を始めたばかりの方にはかなりハードルが高い話なんだと思いますが、長年マネージャーや管理職をやってきている人、または経営者というレベルになっても現実問題としてうまくハンドルできている人はかなり少ないマネージメント問題なのかなと思ってます。是非、乗り越えたことがあるかた、または意見がある方がいたらディスカッションしてみたい、トピックの一つかなと思ってます。


日々ぼけっと生活してしまっていますが、他の人にもなんらか価値のある情報や自分なりの視点を何か持っているはずと信じてnoteをはじめました。 自己紹介はこちら https://note.mu/t_kis/n/n768f4613e0ef