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#甲府でも、できる

ここ数年、甲府のまちの面白さや魅力、可能性などを端的に表現できる言葉がないだろうか、と考える機会が多いです。

結論から先に言えば、言葉で伝えるよりも、実際に来て/住んで体験してもらったほうが早い、ということになってしまうのだけれど、それでもテキストでアウトプットする仕事にずっと従事してきた者からすると、どうしても「何かしらまとめたく」なる。

いや、「まとめる」ということがそもそも間違っているのではないか?様々な可能性を、私のような人間が考える「器」に収めることはおこがましい話。原石をより尖らせる職人に、特定のターゲットに確実に突き刺すように、甲府の可能性を磨き上げてもらう方が良いだろう。

それでも、自分の性格上、立場上、全体を統べる、何かしらのキーワード(行動指針)を掲げたい。それは、これから公職として本市と向き合う上で、また自己所有の空き家で取り組んでいるONANDOの事業を進める上でも。

冒頭の言葉は、甲府の可能性を示すだけでなく、甲府の人たちに自信を持って欲しい(そして自分に対しても)、とぼんやり考えてきた浮かんだキーワード。

このキーワードに至った背景を書き連ねていく予定ですが、執筆時間が限られているので、だいぶ荒い内容ですが、とりあえずシェア!(未完力!!)


甲府は余白に溢れたまち?

この辺の話は、こちらのエントリ参照で!
甲府はこうだ、という特徴を見出しづらい分、無限大に一人ひとりが色を塗れるのではないか、と思っています。

甲府市は山梨県の縮図??

山梨県で出来ることは、甲府市でも大抵のことは出来るのではないか、という仮説。本県の自然豊かな環境が生み出すものから、都市での営みまで。もちろん、本場とレベルの差があることは認識しているが、大幅に劣るものではない。山梨での可能性をコンパクトに収めたものが、甲府というまちではないか?

地勢・地形に依るところが大きい

山梨県の「断面図」が甲府市そのもの。山梨県を東西に横断するとき、甲府市を通らずに通過するのが難しい、とよくネタで説明しますが(実際は富士山麓の国道で抜けられる)、南北に細長い地形でかつ、標高2599mの山(金峰山)から標高250mの盆地の都市まで、2000m近い標高差を有しており、かつ、それが鏡映反転したような地形。しかし、北斜面と南斜面があるので、反転した同士は決して同じにはならない。

下の図は、山梨県が取りまとめている「山梨県都市計画マスタープラン」にある挿絵。山梨県の目指すべき県土構造を示している図ですが、これはまんま甲府市でしょw

(出典:山梨県都市計画マスタープラン(R2.10改訂)

特に食(野菜)については、今年甲府市武田にオープンした「&market」の社長の福崎さんがよく指摘されていた点。盆地地形だからこそ、標高差が異なる場所へのアクセス性が良く、バリエーション豊かな野菜が手に入る。もちろん、福崎さん以前から農業に関わる人は気づいていたことだと思いますが、私は農業とあまり接点を持ってこなかった人生だったので、大きな刺激でした。

自然のアクティビティから都会のアクティビティまで

北杜市の八ヶ岳の麓で開業しているカフェを訪れた時のこと。自然豊かな閑静な別荘街にあるそのお店の雰囲気そのものをは決して真似できないけれど、閑静な住宅街の中にある「まちのシェアスペースONANDO」でも、その環境下に近いサービスを提供できるのではないか。普段は自らの店で営業しつつ、月の数回、いや年に数回(特に冬の厳しい時期)にまちに降りてきて、サービスを提供してもらう。そういう関係性の構築ができるのではないか?まだ実現できていませんが、この仮説はONANDOを通じて実証してみたいテーマです。

都会的な生活も然り。これは山梨県の縮図という話から少々脱線しますが、東京郊外の都市の生活レベルは十分に体験できる。より質の高いサービスを体験したければ東京に行けば良い。その気軽さも魅力。

ただし、「色々できる」ということは、リソースが分散した、結局中途半端になる可能性がある。民間の個々の活動を大切にしつつ、総体として・都市として、どのように戦略を立て、戦術を組み立てて戦っていくか。それにふさわしい公民の役割分担は何か?この辺は私も模索しているところでありますが(書きかけたけどまとまらないので、別のエントリ(需要があれば)にしたます)、これまで都市計画の技術分野とは異なる、ディレクター(編集)やブランディング、事業の伴走者のような役割が重要になってくるのではないかと考えています。

”セッション”が生み出す産物を大切にしたい

ここでいうセッションは音楽的な意味。たまたま顔を合わせたミュージシャンによる合奏のことを指したい。VEJのミッチェさんなどがよくおっしゃっていた言葉の受け売りになってしまうが、甲府のまちでたまたま出会った、盛り上がって、一緒に2、3軒はしごする、というアクティビティは、この”セッション”に近い偶発性があるのではないか。

こういう場から始まったプロジェクトや、こういうきっかけで築かれた関係性から生まれた事業など、面白い動きをいくつも見てきた。それこそ、まさしく都市。それか都市の面白さ。

このセッション的な発想をまちづくりの場で活かしたいけど、それを行政が企画するのは難しいのだろう。こういうのは民間主体がよい。今年からスタートした文化沼の企画「スナック沼」は、そんな場にセッションが多数生まれる場になりそうで、今後もとても楽しみにしています。

自信を、持とう

これは山梨や甲府あるあるだと思うけれど、東京への劣等感が強い。でも、冒頭の話に戻るけれど、甲府でもできること、結構たくさんあるはずだし、甲府のクオリティが東京より劣っているということも少ないのではないだろうか?いや、甲府のご飯屋さん、美味しいところ多いと思うよ!我々、こんなに美味しいワインや野菜食べられるよ。東京の企業に勤めながら甲府で住むことも可能になりつつあるし、東京ではできないような仕事だってある。

甲府の人も、甲府という街も、きっとできる

「#甲府でも、できる」というキーワードには、甲府という都市や甲府で暮らす人々の可能性を込めている。

この記事を書いている私という主体は、単なる一市民でしか過ぎないのに、なぜこんな市民に向けたメッセージを打ち出すのか、なんとおこがましいやつなのか、という話ですが、結局は、来年の自分に向けたメッセージなのです。それがプラス、誰か他の人のマインドを刺激することになれば良い、ことを願っています。


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