お松明の火とコロッケへの熱
幼少期を奈良で過ごした妻にとって、三月の「(東大寺)二月堂のお水取り」は家族で参加する年中行事だったそう。ごうごうと燃える「お松明(たいまつ)」の火が本堂の舞台を走り抜ける迫力は怖いくらいだったと。今もその光景が心に残ってるんだとか。
八年前の秋、妻との新婚旅行はお互いのルーツを案内する旅として、大阪(私)と奈良を訪れた。東大寺を始めいろいろと寺巡りをしたい私に「それより先ずはこれを食べて欲しい」と連れたのが、昔近所にあったというお肉屋さん。
「ここで揚げたのが日本一」とまで言うコロッケ。が、なんとその当日は定休日。知った瞬間、妻がスリにでもあったんじゃないかってくらい悔しがっていた。どんだけ?
お松明とコロッケ。
昨晩その話題が出て、いつか四歳息子も含め家族で体験したいね、なんて話をした。夜、ネットで調べたらそのお肉屋さんと思しき岡西精肉店さんは既に閉店されていた。妻にはまだその事実を教えられずにいる。
コロツケを持つ手忘れし修二会かな
(ころっけをもつてわすれししゅにえかな)
【季語(春): 修二会(しゅにえ)、御水取(おみずとり)】
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