数字に翻弄されるひと
起床時、自分の誕生日「523」を時計に見ると嬉しい。
ゲンを担ぐ方ではないが、持病が絡むと数字に敏感になる。
月一の病院。受付が「300」のキリ番で幸先良し。採血の整理券も「88」で末広がり。
三時間の待ち時間も余裕な気持ちで過ごした。
「間質性肺炎のマーカーが上がっちゃってますね」
医師に言われ固まる。
通常500以下である”KL-6”の値が「819」を示していた。
命を左右する病気。神妙に「悪くなってますか?」と聞く。
医師はあくまで数値。自身の体感的にはどうかと逆質問。
こんな時、メンタルのあやふやさを痛感する。
考えたら朝は激しい咳も出るし……と、途端ネガティブに。
目の前の数値は「肺、苦しい」に語呂変換された。
「様子を見ましょう」――はいっ
笑顔で応えるも気持ちは ↓↓
いつも付き合ってくれる妻がいないのも大きい。
「美味しいランチでも食べてきて」
メールに励まされるも、会計番号「444」を見てトボトボと家路についた。
草の花並ぶ数字の語呂合はせ
(くさのはなならぶすうじのごろあわせ)
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