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チューリップの球根~来春の成長を願って

晩秋に青空が広がった。
「ただいま」「こんにちは」
昼早々に保育園から帰る五歳息子と親友リョウマ。
(着替えといて良かったあ)
今から来春通う小学校へ「就学前健康診断」に行くという。

妻子を送り出し一人ベランダの庭を手入れする。
帰ったら一緒にチューリップの球根を植えようと。
ううう、その花が咲く頃のことを思うと感慨深い。

「パパ、いたよ」
帰ってきた息子が私に耳打ち報告。
緊張すると言ってた彼にこっそり伝えた教えがあった。
――今日くる子たちは皆小学校が一緒。今から可愛い子を探しといたら?
「同じ列に二人いた」

それだけ周囲を冷静に見れてたなら大丈夫。
実際、ママと離され、初めて子供らだけで校舎に入り、足がつかない椅子に座って、テストを受けさせられたそう。
「全部答えられたよ」と得意気。

「リョウマより足の速そうな子もいたなあ」
半年ぶりにスパイダーマンに着替え直す息子。
……何か思う所があったのかな?

来春、大きな花が咲きますように。


就学時検診の列秋球根

(しゅうがくじけんしんのれつあききゅうこん)

季語(晩秋): 球根秋植う(あきうう)、秋植球根、秋球根


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