T.K.

詩を書くひと。 詩と本の間を行ったり来たり。

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最近の記事

欲望と散歩をする。

 私は欲望を飼っている。それなりに欲望を愛しているつもりだ。けれども欲望が私のことを愛しているかはわからない。  欲望をつれて、私は道を散歩する。欲望には首にリードをつける。けれども欲望は散歩に行きたがらない。家の前で座り込む。私がリードを引くと、欲望は諦めて歩き始める。  私がすこし歩くと欲望もすこし歩く。欲望は体が小さいから、いつも見ていないとどこに行ったのか分からなくなる。欲望は私のからだの周りをあっちこっち動き回る。そうやってリードが足に絡まっていく。ぐるぐるぐるぐ

    • うまく書けなくても、いい。 

       ある男が私に語ったこと。  「いやあ、書きたいんですけどね。こんなに書きたい気持ちはあるのに、書き始めるとすべてが嘘みたいに見えるんです。いや、嘘ですよ。嘘に見えるならならまだいいですよ。僕が書かれる言葉はでたらめで、文字になってしまうと信じられないくらい安っぽくて、どこにでもあるような文章になってしまうんですよ。そうしてかいていると、しだいに、こんな文章は書いていても意味がない。そう思い出して、そうやって、キーボードのdelキーを押すんです。そうすることで、目の前の文章

      • ねれなくても、大丈夫。

         いまの時間は2:30。  あしたは朝から用事がある。だから寝ないといけない。けれどもうまく寝れない。  寝ることがつまらなく感じている。  子供の頃はワクワクして寝ていた。明日が来るのは好きじゃなかったが、布団にいることが単純に好きだった。  ふとんは軽くてふかふかで心地よくて、まくらは低反発。ふとんに潜ってゴソゴソしていると、くらい洞窟に潜っている気分になった。洞窟に限らず、どこにだって行っていたのだろう。絵本やゲームの中へ(よく、モンスターハンターの世界に入っていた

        • 2023年8月20日『燃え上がる緑の木』と、魂に触れること

          やま さん こんにちは。ご無沙汰しています。 8月、暑いですね。街を歩くと、蝉の声が聞こえてきます。かんかんに降りそそぐ日の光。木にしがみつく蝉たち。自分の存在を僕に強調するかのように、しきりに、鳴く声が聞こえています。 年々温度が上がっているこの夏のことを、あまり好きではない人は多いでしょう。僕は夏に生まれた人間なので、いまでも、夏のことは嫌いになれないでいます。黒いアスファルトに照りつける日差しも、街のあちこちで緑色の生命を放つ木々も、湿気の強い紺色の夜に浮かぶ月を眺め

        欲望と散歩をする。

          2023年7月22日 『坂口恭平躁鬱日記』 夏風邪を引いて、自分のふつうを考える。

          やま さん こんにちは。ご無沙汰しています。 梅雨明けが発表されましたが、いかがお過ごしでしょうか。僕は夏カゼを引いてしまい、喉の痛みと、発熱にやられていました。さいわい、薬と栄養ドリンクがよく効いたのか、しだいに体力を回復して、痛みも引いてきています。季節の変わり目は体調管理には、気をつけないといけませんね。やまさんも風邪をひかないよう気をつけてお過ごしください。 今週、ベッドで横になりながら、僕は『坂口恭平躁鬱日記』読んでました。いやぁ、この本は本当に面白い。買ってか

          2023年7月22日 『坂口恭平躁鬱日記』 夏風邪を引いて、自分のふつうを考える。