見出し画像

ねれなくても、大丈夫。

 いまの時間は2:30。
 あしたは朝から用事がある。だから寝ないといけない。けれどもうまく寝れない。

 寝ることがつまらなく感じている。

 子供の頃はワクワクして寝ていた。明日が来るのは好きじゃなかったが、布団にいることが単純に好きだった。
 ふとんは軽くてふかふかで心地よくて、まくらは低反発。ふとんに潜ってゴソゴソしていると、くらい洞窟に潜っている気分になった。洞窟に限らず、どこにだって行っていたのだろう。絵本やゲームの中へ(よく、モンスターハンターの世界に入っていた)そうやってワクワクしているといつの間にか寝ている。
 
 いまは、寝ることが明日のための労働になっている。つまらない。眠ることの本について読んでも、体の疲れを取らなくちゃいけない、きょう覚えたことを記憶に定着させるために寝なくちゃいけない、どれもこれも寝ることの目的ばかり。
 生理学的な睡眠のことは書かれるけれども、ベッドで横になって、そこで過ごす時間のことについて書いている人は見たことがない。

 布団の中で目を閉じている時間は、意識が下るまでの待機時間なんかじゃない。眠りを感じる時間だ。横になって、今日の疲れを感じる。今日はたくさん働いたから体が疲れている。心地よい疲れだ。
 いろんな言葉が頭の中に流れ込んでくる。明日は発表用の資料を作らなくちゃいけない。移動中に出会ったワンちゃん、大きかった。おじさんに言われた言葉が頭に引っかかっている。ブンミおじさんってなんだったんだろう。そうだ、睡眠をテーマに文章を書こう…
 そうして、起き上がって文章を書き始めても、それを寝ることにふくめてもいい。寝てるうちにおきた出来事なのだから、あなたの寝ることの一部だと思う。

 ねれなくても、大丈夫。意識が落ちることだけが睡眠じゃない。あなたはもう、寝ているから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?