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チェルシーファンから見たニューカッスル戦(プレミアリーグ第9節)

11月21日日本時間21時半、チェルシーとニューカッスルユナイテッドとのプレミアリーグ第9節がキックオフ。インターナショナルウィーク明け最初の試合、そしてプレミアリーグ特有の過密日程の始まりの試合である。ブルーズはこれから43日間で公式戦13試合を戦わなければならず、厳しい11月12月となるだろう。
その最初の相手はニューカッスルユナイテッド。ニューカッスルとのアウェイ戦ではここ7試合5敗のチェルシー。代表で戦ってきた選手たちはもちろん疲労があるだろう。鬼門のセント・ジェーム・ズパークで勝ち点3を得ることはできるだろうか。

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ランパードは前節に続き、この試合でも4-3-3を採用。
前節から唯一の変更はリュディガー。ドイツ代表CBは今シーズンプレミア初出場となる。チアゴ・シウバは代表で3試合フル出場し、ブラジル代表から帰還したばかりであったため、今日はベンチ外となった。代表戦で怪我の報道があったチルウェルだが、この試合ではスタメンに名を連ねる。カンテをアンカーに起用し、前線にはアブラハム、ツィエク、そしてここ7試合で7ゴール2アシストを記録しているヴェルナーが入った。カイ・ハヴェルツは新型コロナウイルスに感染しまだ復帰できず、プリシッチも怪我でベンチ外となった。

試合内容
今日のスタメン全員が代表に召集されていたチェルシー。選手の疲労が心配されるが序盤に立て続けにチャンスを作り、10分には早くも相手のOGで先制に成功する。その後、ヴェルナーにビッグチャンスが何度か訪れるも追加点は奪えず。それでもマウント、ツィエク、コバチッチを中心に相手陣内でボールを回しゲームを支配した。前半唯一の脅威は左サイドのサン・マキシマム。チェルシーがボールを失った際に、リーグアン時代から見せていたキレのあるドリブルでチェルシー陣内に迫る。試合はそのまま1-0でハーフタイムを迎える。

前半ニューカッスルは自陣でブロックを引いて守備に徹していたが、後半はポゼッションを上げ攻撃にでる。チェルシーはズマを中心に集中した守備をみせカウンターの機会を伺う。そして65分、ボールを受けたヴェルナーが一気に加速。ドリブルで2枚の相手マークを引き離しラストパス、最後はアブラハムが丁寧なフィニッシュをみせ追加点を奪った。
最後まで失点を許さなかったチェルシー。試合はこのまま2-0で終了し、公式戦の連勝を5に伸ばした。

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試合感想
パス本数は744-284、ポゼッションは71%-29%と数字上は圧倒しているが、追加点を奪うまでは緊迫したゲームだったと言えるだろう。失点しなかった理由はカンテ(2ボランチの一角よりも、4-3-3のアンカーでの方がパフォーマンスが良いように思える)の存在も大きい。しかし今日はズマが圧巻の守備を見せていた。空中戦では無類の強さを見せ、相手FWには厳しいマークで仕事をさせず。チアゴ・シウバがベンチ外で若干の不安があったが、全くの杞憂であった。左サイドバックのチルウェルも攻守において抜群の安定感を今日も見せてくれた。

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そしてここ最近思うのが、アブラハムの存在のありがたさ。今シーズンはヴェルナーが1トップの位置でプレーすることを予想した人は多かっただろう。しかしアブラハムは自身の存在価値を昨シーズン以上に示し、その結果ヴェルナーは左サイドでの起用が続いている。今日も点を決めたのはもちろん、体をはってボールをキープし、裏へのランニングも多かった。また、今シーズン個人的に最も評価されるべきと思っている点は守備への貢献。ポジションチェンジが多いツィエクとヴェルナーの空いたスペースを、守備時にはしっかりとカバーしている。
また、ヴェルナーも左サイドで十分すぎる活躍をしてくれた。点こそ奪えなかったものの、2点目のアシストは彼の潜在能力の高さを存分に披露した。これまで点は奪えていたが、プレミアリーグのDFにフィジカル面で負けるシーンが多くあった。しかしこの試合、少ないタッチと素早い判断でなるべく相手DFとのコンタクトを減らし、チャンスの際にはスピードを生かしマークを剥がすシーンが多く見られた。左サイドの位置でも問題ないことを示したドイツ代表は今後もっと点をとってくれるだろう。

昨シーズンのチーム年間最優秀選手には新たな役割が

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クロアチア代表のコバチッチは今シーズン、4-3-3の中盤で使われていることが多いが、より攻撃的な仕事が求められているのだろう。昨シーズンはビルドアップに顔を出し、チームの攻撃を後ろから組み立てることが多かった、しかし2020-21シーズンは後ろまで下がってボールを受ける機会は極端に減り、逆にアタッキングサードにポジショニングを置いている。ランパードの指示であることは間違いないが、今日の試合ではもう少し裏へ抜け出す動きを増やして欲しいと感じた。直前のネーションズリーグでのポルトガル戦では2得点を挙げているコバチッチ。チェルシーでも今後は直接得点に絡む機会を見たい。


チェルシーは次節、同じくロンドンを本拠地とするトットナムとの対戦を控える。ソン・フンミン(リーグ戦9ゴール)、ケイン(公式戦13ゴール10アシスト)だけでなく、ベルグアインや今シーズン目覚ましい活躍を見せているエンドンベレなどタレントが揃っている。リーグ戦8試合無敗を誇っている相手だが、ホームでしっかりと勝ちきり順位を逆転してほしい。


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