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米大統領選について

米大統領選の投票日は、2024/11/5となり、2か月を切っている状況で、今後郵便投票や期日前投票が開始される中で、選挙は終盤に近付いている。

候補者は、民主党のハリス氏と共和党のトランプ氏となり、足元では、ハリス氏がトランプ氏をわずかながらリードしている状況。

RealClearPoliticsにおける予想

直近の動き

  • 9/10に行われたハリス大統領が優勢だったとの評価となっているが、まだ大きくリードは広がっていない。

  • 9/15トランプ氏の2度目の銃撃事件が発生したが、未遂に終わっており、同情票が入るかは不透明。

  • トランプ氏については刑事事件の公判が、 大統領・議会選挙の投票日まで延期されたことによって、裁判関連で不利になる可能性はなくなった。

  • 選挙戦が終盤に近付く中で、テレビやSNSなどでの選挙広告により露出度を高める戦略が撮られると推察される。選挙管理委員会に申告されている選挙資金は8月時点でハリス陣営が5億ドル程度の一方トランプ氏は2.7憶ドルと、選挙資金はハリス陣営がトランプ陣営をリードしている。

ハリス氏が勝利の場合

  • ハリス氏が勝利した場合はトランプ氏の批判票が集まったことによる勝利になるだろう。議会選挙で上院での民主党の過半数維持が不透明な中、ねじれ議会となることを想定すると、クリーンエネルギーを推進するや財政拡張的な公約の実現が阻まれることが想定される。

  • また、2025年末にはトランプ減税のうち所得減税の期限切れになるが、民主党は富裕層優遇税制だとして、更新を求めない方針であり、共和党主導で議会が全面的な減税延長法案を可決しても、大統領が拒否権を行使し署名に応じないだろう 。このため、所得減税はトランプ前政権時に成立した歳入法案に従って2025年末には終了する。

  • これらを踏まえると、財政は緊縮的になると予想される。 こうした財政拡張の阻止は、FRBが、描く利下げシナリオを 実現しやすくする。結果的には景気のソフトランディングが実現しやすくなるだろう。

⇒ねじれ議会による公約実現の不透明さから財政緊縮的に。インフレが鎮静化する中で利下げによるソフトランディングの実現(株高、ドル安、金利低下か)

トランプ氏が勝利の場合

  • 民主党の経済政策への批判が高まる場合、トランプ氏が勝利すると見られる。政策転換を求める民意を反映し、上下院とも共和党が優勢となると予想。

  • 経済政策においては、減税、関税、移民制限を推進するとしており、減税は財政赤字の拡大を招き金利上昇、関税の引き上げは輸入製品の価格転嫁につながることからインフレを助長、移民政策においてはも人手不足からインフレ圧力を生むことが想定される。

  • インフレ圧力の再燃はFRBの金融政策の判断を難しいものにするだろう。インフレ懸念に対応するために景気減速下で利下げを見送れば、景気の腰折れリスクや地銀の破綻など信用リスクを高めかねない。

  • その際は、現時点で思い描く以上に、利下げを迫られることになりかねない。

⇒インフレかつボラティリティが高まる展開。ビハインドザカーブにより景気後退のリスクが高まる懸念。(ドル高、金利上昇か)


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