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アウトランダー(2008年/アメリカ) 感想 過去の地球に解き放った化け物を狩る映画。


そもそもケイナンが何者なのか丁寧に描いているようで全く分からない。


〘アウトランダー〙(OUTLANDER)

アウトランダーポス

以下、一部にネタバレを含む感想記事です。


■ストーリー

8世紀の地球に不時着した宇宙船の中から危険な生命体が野に解き放たれ、その始末をする為に船内唯一の生存者ケイナンが奮闘する。


■内容

未来人なのか単なる別星系の宇宙人なのか分からない系主人公ケイナンが8世紀の地球に別星系のヤバい生物を解き放ってしまったので、その後始末をする為に過去のバイキングの人々と協力して頑張る映画。

舞台となるのが8世紀頃のノルウェーであり、不時着時に殆どの装備をケイナンは失ってしまったので、現地の人々と交流しながら地元流の戦い方をしていくことになります。

モンスターパニック映画らしい描写とアクションシーンが多く、テンポよく話も進んでいくタイプの映画でした。



■感想(ネタバレあり)

8世紀のノルウェーで未来的超技術を駆使して主人公ケイナンが俺TUEEEEEEEEする映画かと思いきや序盤も序盤で装備の大半を失い、回収したブラスターガンも見栄を切った試射シーンを挟んで直ぐ紛失、そのまま現地のバイキングが駆る騎馬と追突事故を起こし主人公ケイナンは気絶という、アドバンテージの大半を失った状態で物語が始まるタイプのやつでした。

ただ結局、そもそもの基礎戦闘力がケイナン謎に高いのでローカルのバイキング一人や二人簡単にねじ伏せてしまい、なんやかんやあってバイキングには仲間として受け入れてもらったり意外にも順風満帆な前半戦。


ケイナンの船に潜んでいた宇宙生物モアウェンがその地に解き放たれ、バイキングたちと協力してモアウェンを倒すのが主なストーリーとなりますが、合間合間にバイキング村の時期王様候補ウルフリックとの友情ドラマやお姫様との王道ラブストーリー、そして村での楽しいひとときなんかを人前にこなしていったり、討伐一辺倒では無くその辺りの人間ドラマはそれなりに描かれました。

ケイナンのモアウェン討伐にバイキングの面々が協力するための理由付けもあると思うんですが、この辺りのいわば日常パートが良い感じに緊張感を濁してくれるのが良いですね。


敵対する村とのいざこざとかもあるんですが、敵対する村の人々が早々にモアウェンの餌食になりボスのいかついスキンヘッドもウルフリックやケイナンのいる村に逃げ込んできてなぁなぁで協力関係になるので、単なる戦力増強イベントみたいになっていました。


そんなモアウェン、筋骨隆々ないかにも肉食してそうな四足歩行型生物で、背中あたりから複数の触手をはやしている感じの見た目です。

攻撃しようとしたり何かに反応すると頭の辺りを中心に身体が発光したりする辺りに宇宙を感じますが、それ以外の要素が地球の生物にプラスアルファしたような感じなので、ノルウェーの森とバイキングというゴリゴリのネイチャー要素に絵面では馴染んでいます。ぱっと1シーンだけモアウェンのシーン切り抜いたら普通にダークファンタジー映画になるくらいの馴染み方。


というか多分、ダークファンタジー映画のファンタジー要素にSF的解釈を組み込んだような作りで、根幹にはモンスターパニックがあるような、色々なタイプの面白い要素を混ぜ合わせたような印象です。



一生懸命村の皆で作った油たっぷりの生簀の罠にモアウェンを誘い込んで見事爆殺したと思いきや、表面はカリッカリ、触手はテュルテュルになっただけのモアウェンが「あぢぃぃ」ってなりながら出てきて暴れ回りセカンドマッチ開幕。

更にご子息と思われる小っちゃいモアウェンが登場し、切り札の罠を失った村が絶望的状況に陥る急展開、ここまでの王道感全開な流れに慣れ過ぎてて普通に予想外で笑っちゃいました。急にすべて上手くいかなくなるじゃん。


しかしここから、連れ去られたお姫様を助けるためにイケメン王様候補ウルフリックと謎のよそ者ケイナン、そして従者たちによる救出劇が開幕、映画も後半どころかほぼ終盤に至りあくまでツボを押さえた展開を続ける良い映画です。


モアウェン討伐後、ケイナンが宇宙に帰るのを拒否してバイキングの王になって終劇って感じなんですが、最後の最後でケイナンが普通に宇宙に向かって救難信号っぽいの飛ばして迎えが来てましたね。

ってことはやっぱこれ未来人がタイムトラベルしてきたんじゃ無くてケイナンは単に同じ似姿の、人間タイプの異星人だったってことなんですかね?


■〆

個人評価:★★★☆☆

ケイナンが未来人と断定していますが、実は彼が未来の地球人なのかどうか一度も言及されず描かれもしないんですよね。

冒頭で地球の事を植民惑星候補地って表現していましたし、実は地球由来では無い本当にただの他の星系の人類だったのかもしれません。


モンスターパニックが根幹になると思うのでそれなりに強烈なシーンは多いですが、ストーリーはテンポよく進むしアクションはかっこいいしで、無難に楽しめる映画でした。

ではまた。


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