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ゴジラVSコング(2021年/アメリカ) 感想 ニセモノは許せねえよなぁ!?


なんだあのパロディじみた謎のゴジラの新テーマ曲!?


〘ゴジラVSコング〙

(GODZILLA VS. KONG)

ゴジラVSコングポス

画像引用元:東宝 https://www.toho.co.jp/movie/lineup/godzilla-vs-kong.html


以下、一部にネタバレを含む感想記事です。


■ストーリー

あんなに人類には寛大だったゴジラが突然大暴れしてちょっともう何考えてるのか分からないので、ゴジラとは先祖の代から因縁深いらしいコングになんとかしてもらおうとする。身勝手な人類の明日はどっちだ。



■内容

『キングコング:髑髏島の巨神』の続編にゴジラがゲスト出演しているような映画と言っていいかと思います。コングが主役だこれ。

大まかには62年の東宝ゴジラ第三作『キングコング対ゴジラ』を踏襲してますし、実際『キングコング対ゴジラ』や『コングの逆襲』なんかのパロディが結構あるんですが、あくまでモンスターバースにおける二者を描く上では、コングを主役にしたほうが色々と収まりが良かった感じなんでしょうかね。


モンスターバース通算では4作目となり、いよいよ"モナーク"や"タイタン"といったキーワードが板についてきた感があります。もちろん最早その辺りの説明描写などは省かれています。




■感想(ネタバレあり)


個人的には『キングコング対ゴジラ』の醍醐味だったゴジラとキングコングが戦う様を眺める人類という、どっちが主役でもないような、試合観戦的な見せ方が結構好きだったんですが、今作『ゴジラVSコング』では、主にコング(と人類)が"怪獣王"であるゴジラに挑む形式となっていて、それはそれで熱かったんで結構ありかもしれません。


人工的にゴジラを作ろうとしてる事を察知してブチギレたゴジラが人間を懲らしめにやってきたついでに髑髏島から出てきたコングを分からせる、要約するとそういうシンプルな内容なんですが、そこに付随させるにはちょっと冗長に感じるシーンが多かった印象でした。

アドベンチャー全開なコングと行く地下世界探訪イベントだったり、謎の機械部品の行方を子供二人と陰謀論者のチームが追うパートだったり、この辺りはわりと蛇足感を個人的には覚えました。

ただそういった本筋に絡んでるけど脱線してる感じのサイドストーリーって、過去の東宝ゴジラシリーズの、特にVSシリーズに結構見られる要素だったりもして、なんかそれはそれでゴジラ映画っぽいなって思っちゃう部分もありました。例えば『ゴジラVSモスラ』とか結構インディジョーンズやってたり。


そうなんですよね、この映画、見方によっては久々のVSシリーズとも言えるんですよね。邦題に限っての括りみたいなところがありますし、そもそもモンスターバースなんで全くの別世界ですけどね。

それで言うと地下世界に突入する為の超技術で開発されたマシーンとか、いかにもVSシリーズっぽくて好きでした。



伊福部サウンドに限りなく寄せた別の何かとしか形容できない、ゴジラのテーマと思しき謎曲が多用されているんですが、これはハッキリ言って嫌いでした。いやホント、下手なパロディにしかなってない。『KOM』の時みたいにアレンジバージョン使うとかで良かったんじゃない?

原理主義的な話では無く、そもそものニセモノ感が強すぎだと思います。

よりにもよって今作はメカゴジラがサプライズ()登場するわけですし、言ってしまえばゴジラとコングで偽物のタイタンであるメカゴジラを滅多打ちにする、『スーパーマンVSバットマン』よろしくな展開でクライマックスを迎える映画なんで、曲が物語にマッチしてないです。



そういうわけで愚痴の中で書いちゃってあれですが、ゴジラとコングが何度か死闘を繰り広げた末に、人類の過ちの象徴としてメカゴジラが起動、二者は共闘しこれを殲滅するというのがクライマックスの超盛り上がりどころでした。

キングギドラの頭蓋を再利用して完成させたインターフェースで機体と精神リンクを行う小栗旬演じる芹沢レンが、絶頂アヘ顔で操作するメカゴジラ。途中から完全に暴走しちゃってますが、それにしても強すぎて笑いました。

ゴジラの放射熱線にも格闘攻撃にもギャンギャンに耐える防御力の高さと格闘戦ではゴジラとコング相手に圧倒する機動性とパワーを見せつけてくれ、サプライズ故の登場時間の少なさに対してラスボスとしての風格がありすぎて惚れます。


そんなメカゴジラに対して、ゴジラがコングをサポートする形で勝ちを取りに行くという、ベッタベタにコング主人公な戦い方をするんですが、やっぱりそういうので結局盛り上がっちまうわけよ俺は。


今作、何度かゴジラとコングはバトルするんですが最後はゴジラがコングを完全に分からせる形で勝敗が明確に描かれるんですよね。これは結構意外でした。

ただこの映画、上でも書いた気がしますが歴戦の猛者に期待の若手が喧嘩売るという構造になっているので、コングが負ける展開もしっかりハマるようになってるんですよね。

これがあるからこそ、その後のメカゴジラ戦でゴジラがサポートしてコングがとどめを刺すっていう構図がよりかっこよく見えますし。



そういえばコングがゴジラにシメられて心肺停止寸前になった時に、電気ショックで蘇生される展開がありました。

『キングコング対ゴジラ』では雷に打たれて復活したコングは雷撃能力をゲットしていたので、今作でもそういうの出来るようになるのか密かに期待していたんですが、全然そんな事はありませんでした。というかそういう特殊攻撃の役割は、ゴジラの背びれアックスに集約されていた感じですね。

斧を使った戦闘というのも、個人的に結構楽しめました。そりゃ相手が口から熱線吐くんだから斧くらい使ったって怒られねえよ。



最後にコングがメカゴジラの頭部を脊椎もろとも引っこ抜いて雄叫びをあげるんですが、あれ完全にサブゼロのフェイタリティのオマージュでしょ。

偶然にも映画版『モータルコンバット』は現在公開中!!


■〆

個人評価:★★★☆☆

最後は互いに認め合うエンド的な感じで、思いの外キレイに結末まで描かれたんですけど、これモンスターバース自体はまだまだ続くんですよね???

続いてくれよ!


ではまた。

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