まずは自己紹介から
編集者・岩崎輝央の自己紹介、オンラインサロンを始めた想いについてなどを書きます。
・編集者になった理由
・どうやって出版業界に?
・今でも自慢の編集担当作
・「天才」と本を作りたい
・出版社の現状
・オンラインサロンを立ち上げた理由
編集者になった理由
はじめまして。
1981年生まれ。
大学を卒業してから約14年間、単行本の編集者をやっています。
僕は大学4年生の夏に、兄貴が持っていた『編集者の学校』という分厚い本をたまたま目にして、
「編集者ってむちゃくちゃ楽しそうじゃん!」
と思い、編集者になろうと決めました。
当時、読書は嫌いではありませんでしたが、圧倒的読書量があったというわけでもなく、そもそも編集者という職業が何をやっているのかさえ、それまで知りませんでした。
大学4年の夏になっても、就活をまともにやっていなかったので、そのあたりのちゃらんぽらんさは……。
逆に言えば、そんなふざけた人間でさえ惹きつけて、未だにその仕事をつづけていられるというくらい、編集者という仕事は楽しいとも言えますが。
どうやって出版業界に?
それはともかく、編集者になろうと決心したとはいえ、出版社の新卒採用はほとんど終わっていました。
もちろん倍率何十倍、何百倍なんていう狭き門を通り抜けられる能力も持ち合わせていませんでした。
なので、アルバイトで出版業界の最底辺に潜り込み、そこから転職につぐ転職で少しずつ実績を積み重ねました。
ちなみに今の会社で8社目です。
最初の数年間は、月曜に出社して、土曜の朝まで家のベッドで寝れなかった、なんてこともありました。
それなのに23時から始発まで飲んで、朝にシャワーを浴びに家に帰って、また出勤したりもしていました。
37歳の今となっては、体力的にもう不可能……。
そんなこんなで今は、設立5年の新しい出版社で、書籍編集者として日々働いております。
今でも自慢の編集担当作
どのような本を作ってきたのかは、今後、何を考えて編集したのかとともに、ここに書き記していきます。
とはいえ、自己紹介で具体的担当作を書かないのも変なので、僕が今でも自慢できる代表作として、一作あげます。
『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている ~再生・日本製紙石巻工場~』(佐々涼子/早川書房)
この本で覚えているのは、初めて原稿をもらって、それを家の近所のカフェで読んで、あまりの感動に、ほとんど活用してなかったツイッターでそのことをつぶやいたこと。
ただただすばらしい原稿でした。
その僕の感動が伝播したのか、
○紀伊国屋書店スタッフが全力でおすすめする「キノベス! 2015」第1位
○ダ・ヴィンチ(エッセイ・ノンフィクションランキング)「BOOK OF THE YEAR 2014」第1位
○週刊文春(ノンフィクション・エッセイ部門)「R-40本屋さん大賞」第1位
などをいただき、TVドラマ化もされました。
早くこの本を超える一冊を作らないとならないのですが。
「天才」と本を作りたい
さて、僕は最近、「t.i小説編集ラボ」というオンラインサロンを始めました。
ここでは、僕が編集担当する小説の新しい売り方などを模索しています。
そもそも、なぜこのようなオンラインサロンを立ち上げたのか。
僕は、「まだ世の中に知られていない」「誰も気づいていない」といった言葉を聞くと、ちょっと興奮します。
そして、そういうことを書いてくれる人たち、いわゆる「天才」と本が作りたくて編集者をやっています。
そんな天才たちが描く小説は、絶対に読んだ人を変えてくれるし、最終的には世の中を少しだけ良い方向に進めてくれると思うんですよ。
だから、大学4年のころから、最終的には「小説」の編集者になりたくて、多少キツイ想いもしながらも、ずっと編集者を続けてきました。
そしてここ数年、ようやく小説を作れる環境に身を置くことができました。
出版社の現状
ただ、「出版不況」と言われているように、本はどんどん売れなくなっていて、本屋さんは次々と閉店しています。
とくに「単行本の小説」の売れ行きはかなり厳しいのです。
それに加えて、小説の分野はとくに、歴史と伝統のある大手出版社が寡占状態。
本屋さんの小説コーナーを覗いていただけたらわかると思いますが、聞いたことのあるような出版社、つまり大手からしか小説は出ていません。
うちのような新しくて小さな出版社が立ち入るスキなんて、ほぼないのが現状です。
オンラインサロンを立ち上げた理由
でも、大手寡占状態の業界に新風を吹かせるベンチャー企業の話は、他の業界でたまに聞きます。
出版業界でもそれができるはず!
大手出版社、ベテラン編集者がやっていない、常識外れで規格外のゲリラ作戦を、このオンラインサロンを通じて実現できたら、インパクトもすごいのでは!?
そうして、僕が天才だと信じた人の小説を世の中に広めたい。
このような志をもって、「t.i小説編集ラボ」を立ち上げることに決めました。
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