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オレンジとチョコとアウトレット的ななにか「デカダンス ドュ ショコラ」茗荷谷店

チョコに目がない。夏でも冬でも、できるだけ冷やしてバリバリするくらいの奴をかみ砕くのが好きだ。最近のお菓子メーカーのチョコはハイクオリティ。中途半端な海外のチョコなど、砂糖が多すぎてカカオの香りを愉しめなかったり、油分が多すぎて胃もたれしたり…。ハイクオリティに慣れすぎてしまうのも舌が肥えすぎて大変だ。そして、こんなにおいしくて手軽に買えるお値段の日本菓子メーカーのチョコと張り合わねばならないのだから、チョコレート専門店なんていうのは何とも因果な商売だ。大変に違いない。

チョコ専門店、デカダンスチョコの工房が茗荷谷駅にあって、よくお邪魔する。とても広い、清潔なキッチンスペースの前に小さな販売店舗スペースがある。地元の子供連れの親子などが店を良く訪れているようだ。販売量の調整をしているのか、良く事情は分からないが、この茗荷谷店では、店頭に(運が良ければ、のはなし)いわゆるアウトレット商品が並んでいて、ピスタチオのトッピングがわずかにずれた(?)トリュフチョコや板状のチョコをあえて砕いたものを小袋に詰めた「お得」感満載の品々を購入することができる。

私のお目当ては、なんといってもオレンジチョコ。デカダンス ドュ ショコラを一躍有名にしたバレンシア。オレンジスライスのシロップ付けをセミドライしたものにチョコをディップしたやつ。見るからに高級感満載。ハレの日のチョコ。

通常、バレンシアはご贈答品、特別な方へのごプレゼントのはずだ。そして、このバレンシアが、茗荷谷店で通常よりもほんの少し簡易包装されて、いくらか安く買えたことがあった。形が不揃いなのか、消費期限が近いのか全く分からない。しかし、もともとオレンジピールを練り込んだチョコに目がない私は、それを一口口に入れてもんどりうつ。

美味しい。そして美しい。

オレンジフレーバーのチョコに使用されているオレンジとは…通常、着色料や保存料を使ったものが多いように感じる。オレンジの香りも人工的なことが多い。しかし、高級チョコ店だけに許された禁じ手は、本物の、いい素材を使うこと。こちらの店のオレンジチョコの美しいオレンジの輝き、鮮烈な香り。オレンジジュースに香料を足してゼラチンで固めた奴にチョコを絡めたような「例の」オレンジチョコとはけた違いの旨さ。…いや、あのゼラチンで固めた奴には、それなりの良さ、捨てがたいうまさがあるのではあるけれど。

茗荷谷店では、このほかにチョコを厚めに板状にして、上部分に美しいプリント模様を施したものを、おしゃれに砕いて袋詰めしてくれたものなども購入できる。お味は専門店のお墨付き。難をいえば、このリッチなチョコを一人で一袋頂いてしまうと…おそらく一日分のカロリーを余裕で消費してしまうことになるだろう。

ガラスケースの中に、美しく陳列されているため、どれがアウトレット品で、どれが通常商品なのか、一見見分けがつきにくい。そんなときはじっと一袋、一袋の量と値段に注目を。目をよくする本、視力回復ブックってありますよね。あれと同じで、コスパの良い商品はやがてあなたの目に浮かび上がってくるのです。これほんと。

アウトレットのチョコを買いに行ったはずが、結局冷蔵ケースの可愛いシュークリームを何個も買ってしまったりもします。懐具合の好い時に行きましょう。





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