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PANAMAMANのお蔵出し~浜松町・田町↔新橋編・有楽町編

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都内の食べ歩きなどなど、趣くままに書き留めています。
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記事一覧

特上マグロ丼+譲れない?たこわさ「おか田」浜松町

マグロ丼というと、世の中には星の数ほど存在している食物だ。鉄火丼というと、赤い、ゼリーのような深紅の短冊状の身が酢飯に乗せてあるものだが…しかし、酒飲みに限って、酢飯が嫌いだったりする。店長にお願いして普通のご飯に乗せてもらうわけだ、どういうわけか。わがままにもほどがある?それとも酢飯が悪いのか?よくわからんですね。 おか田は浜松町駅北口から文化放送の筋を入って少し行ったところ、小さな脇道にある居酒屋だが、ランチも大人気。キジ丼という、鶏肉を炭火で焼いて甘辛のたれにくぐらせ

古くて新しい鯛めし問題「鯛樹」浜松町

自粛生活から開けて、私を待ち受けていたのは酷暑だった。 暑い。とにかく暑い。正気の沙汰とは思えない気候の中をマスクを付けて出勤の毎日。一体世の中はどうなってしまったのか。これはもう一大ブームといっていい。そう、苦行ブームの到来である。 しかし、そんな中でもゆっくりと着実に飲食店にひとが戻ってきている(ところもある)。 浜松町北口近くの鯛樹。ランチに宇和島風の鯛めしが楽しめる、人気店である。 ここで改めて「鯛めし」とは何を指すものかが問題になるだろう。 粋な和食の割烹

あれあれ、Hawaiiで食べるやつ!?「BYRON BAY COFFEE」浜松町

浜松町駅から徒歩数分、小さなビルの一階にお洒落なカフェができた。この辺りでは珍しい、海辺をイメージしたインテリアがちっとも嫌味でない。調べたところ、こちらのカフェBYRON BAY COFFEEは、オーストラリアのコーヒーショップが母体とのこと。海辺の雰囲気を演出するのはお手の物だということだ。 ラテを頼むと、かなり美味しい。コーヒーのコクが感じられて、ラテアートもやりすぎ感がない。何もかも洗練された感じだ。企業ビルの福利厚生などのためにも出店するということだから、こちらは

悪食について「ボンディ」芝浦

誰にでも悪食がある。悪食の有名どころとは何だろう。よく広告やエッセイなどで見かけるのが、大手饅頭という白色の薄皮にに小豆餡がたっぷり詰まった小ぶりなまんじゅうを二つに割って、「ごはん」に乗せてお茶漬け(お湯漬け?)にするというもの。簡易的なぜんざいのような味がするのだろうか。文豪の味ということだが、真似しようとは思わないですね。饅頭は饅頭で、ごはんはごはんで食したい。これが飽食の世代というものなのか。 饅頭はともかく、ボンディである。東京にこの店ありと謳われるカレーの名店で

高い…でも美味い…「ル・パン・コティディアン」 芝公園

東京プリンスホテルの本館はもうずいぶんと古い。相当の旧式だ。でも、今の都心部のラグジュアリーホテルと違って、階層が低く、周囲に建物が少なく、そんなのんびりしたところがいいのか根強いファンがいる。「新館より旧館がいいのよね」というわけだ。お食事も宿泊も。 ル・パン・コティディアンはそんな東京プリンスホテルの敷地の外れにあって、港区役所や芝大神宮も近いところにある、この地にこのパン屋あり、の有名店。こだわりの素材を使った高級ベーカリーレストランだ。 そう、「高級」と名前に付け

立ち止まると奴がいる「そば 俺のだし GINZA5」

俺の~シリーズ、美味しいだけでなく、量もたっぷりあって好きな店が多い。銀座のフレンチが有名だが、大井町の焼き鳥も美味だ。 銀座ファイブの地下街には、気軽に飲み食いできる店がたくさんあるが、駅よりの通路に面して、俺の~シリーズがどん、と店を構えている。 立ち止まると、蕎麦屋である。そして、安心してください、立ち食いしなくていいやつです。 そば 俺のだし GINZA5。濃い色の、太い、食べ応えのある蕎麦。これは、好き嫌いがわかれそうである。実は、私はそばはいわゆる翁系が好み

お箸の国の牛タンシチュー「銀之塔」

東銀座駅の近辺をうろうろするのが好きだった。「だった」というのには訳があって、歌舞伎座が新しくなってから、辺りがなんとなく一変してしまった気がして、寄り付きにくくなったのだ。前には日本茶のカフェがあって、そこでお茶してから、マガジンハウスに向けて歩いて行った。おいしいラーメン屋とメンチカツの有名店があって、休日のお楽しみコースだった。 「だった」ばかりですみません。 変わらぬ東銀座の顔、「銀之塔」はビーフとタンのシチューとグラタンの名店である。この店を通りかかると観光バス

BARってなんだろう「クエルクス (QUERCUS)」大門

BAR、バーである。バーってなんだろう。木のカウンターとグラスと、バーテンダー。バーで小粋にお酒を愉しむ人って、本当に存在するのだろうか。酒とたっぷりのつまみがないと楽しめない性質なので、遠い国のおとぎ話のような存在だ。 ゆえに、一度は行かないと。 ある日思い立って、バーに行くことにした。大門の、駅から少し離れたところにあるクエルクス。 ことらのバーでは、地元の会社員たちが気軽に立ち寄ることでも知られている。浜松町から大門にかけて、「元」赤坂プリ〇スのバーテンダーでした

タルタルチキンで「ときめき弁当」浜松町

浜松町駅から数分の場所に、大きな高級高層マンションが建設され、地元民が口を揃えて言うところの、「都内最大の再開発失敗地域」との呼び声が高かった浜松町の街並みが少し変わった(もちろんいい方向で)。薄暗い浜松町北口の近隣、昔からあるいくつかの通りに、それなりにちゃんとした飲食店が入居するようになってきた。一昔前、浜松町の雑居ビルなど、上階にはビルオーナーが経営するマージャン店や、うさん臭さの残る「〇〇診療所」などが入居していて、とてもじゃないけど港区の感じはなかった。時が移ろうの

ソフトクリーム放浪記「北海道どさんこプラザ」「むらからまちから館」有楽町

有楽町駅近隣、特に駅前の東京交通会館を中心として、自治体のアンテナショップが集中している。休日などには、東京交通会館の前にマルシェが出て野菜や果物を売っているほか、大きな書店もあるので、散歩がてらにぶらぶらするのに最適だ。 自治体アンテナショップの雄、といえば北海道どさんこプラザ。こちらのお惣菜やチーズや、さまざまな食料品は飛ぶように売れていく。私など、米と納豆と牛乳はできるだけこちらで購入するようにしている。米など、おそらく間違いなく北海道産と思うので、安心とおいしさの二

なにこれやわらかい「正泰苑」 芝大門

焼き肉店に初めて行ったのはいつ頃ですか?おそらく、多くの人たちは子供のころ、家族と連れ立って行ったのがはじめてではないか。私がはじめて焼き肉店らしい焼き肉店に行ったのは、二十代半ばだった。何故かわからないが一族そろって「焼肉屋に行く」ということがなかったのだ。 以来、おなじみの焼き肉チェーン店などで経験を重ねていく。ねぎタン塩の焼き方だとか、ニンニクをホイルに入れて油と「ぐずぐずするやつ」だとか、チョレギサラダだとか。ひととおりの日本の焼き肉店の作法を「にわか」で習得するこ

サラリーマンでなくとも「ビーフン東」新橋

美味しいビーフンの店、と言われると、なんだか砂漠に浮かぶ蜃気楼のような、解答のない現代アートのような話に聞こえる。誰がそんな店を望むのだろうか。そんなものを望むのは、瓶ビールで一杯飲みたい会社員くらいのものだ。 そして、ビーフン東に夕刻出かけると、店内の9割9分がサラリーマンと、サラリーマンだったらしい人たちで埋め尽くされている。ここのビーフンは本当に瓶ビールに合うのだ。 ビーフン東は、新橋駅直結の駅ビル2階、結構な広さのスペースで営業中だ。サラリーマンの街新橋、というと

お店の味をご自宅で「上海餃子 りょう華」三田

三田駅から慶応義塾に向けて歩く道すがら、少しわき道に入ったところに、りょう華がある。コロコロとかわいい餃子と鳥しおラーメンが有名な、学生や会社員のサク飲みによく使われる、街の気さくなお店だ。 家で餃子を作るのは…心身ともに健康で意気揚々ならば楽しいだろう。しかし、自粛続きの今の世では、このちまちました作業がちと苦しい。ましてや、「上海餃子」などと名乗ったお店の餃子を真似するなんて…前日の晩から冷水に白菜を浸けて置くところから始めないといけなくなってしまう。そんなことは専門店

煮干しは嫌いじゃないです「すごい煮干ラーメン凪」田町

田町駅の昔の姿をぼんやり思い出す。芝浦口に出て駅の階段を下ると、なんだか怪しい、細長い雑居ビルがあって、近寄りがたい雰囲気があった。買い物と言えば、湾岸地域のマンション用に無理に誘致したかに見える大丸ピーコックくらい。ほかにめぼしい店などなかったように思う。 しかし、今は田町駅と言えば芝浦口方面の時代である。芝浦口にはなぎさテラスとよばれる商業ビルなどができて、すっかりあか抜けてしまった。開発、成功ですよ。 渚テラスの一階にはおいしい店が並んでいる。岡むら屋というおいしい