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撮られる喜びを知ることのない私にかけられる「また撮ってほしい」の声
プロレスとか役者さんポートレートを撮っているたかはしです。
以前こんな記事を書きました。
軽度の醜形障害とでも言いましょうか、「自分の姿・声がこの世の記録に残ってしまう」ことに対する恐怖を抱いています。
人に撮られるのはもの凄く嫌うのに
嬉々として人を撮る矛盾をはらんだカメラマン
自分の中では解決をしている矛盾ではあるものの、未経験だったポートレートの分野に足を突っ込んでみたら感覚がバグってしまいました。
今日はそんなお話。
「また撮ってほしい」
コミュニケーション能力に明らかな欠陥がある私にとって、社交辞令と本音の違いを認識することは困難極まりないことです。
お褒めの言葉を頂いたとして、それが本心からなのか、それとも真に受けてはいけないのか、判断することをやめて「どうも」で返してしまう人間です。
その日、ある舞台でご縁があった役者さんのポートレート撮影を終えた帰り際。そしてその後のSNS。
今日はありがとうございました
すてきに撮っていただいて楽しかったです
また撮ってください
判断に困るものの、嬉しく受け取る言葉です。
しかし真に受けず、自分から撮影のお誘いをすることはしませんでした。
人の心は面の如し。
この言葉たちは、果たして本心から言って頂いた言葉でした。
何月何日に予定が空いているから、撮影をしてほしいと連絡が来たのです。
二十と余年で出会ってきた人々とは違う反応に、戸惑いと喜びが押し寄せてきました。
何がそうさせたのか
私にはひとつ、飲み込むに困る言葉がありました。
「撮影楽しかった」です。
私自身は、撮られる事は苦しい事です。是が非でも避けたい事態。
そんな私が撮る時間、そしてそのアウトプットとなるコンテンツ、それら含めて楽しい体験であったと思われている。
何が起きているのか、何がそうさせたのか。
少なくとも、撮影中の私自身を客観的に観察することはできません。
ポートレート撮影のノウハウ動画や記事の受け売りを見様見真似して、傍から見たら不審者めいた姿勢で撮影している、くらいにしか認識できていません。
容姿も性格も技術も並以下と卑下する自分は、
いったい何を提供しているのか。
いつまでもネガティブに考えていては仕方ないので、私の人生の教科書に力を借りてみます。天野こずえ先生の「ARIA」から、アテナ・グローリィの名言です。
笑っている人の前では自分も楽しくなるし、萎縮している人の前では自分もつい緊張してしまう。鏡が自分の姿を映すように、人もまた自分の心を映すのよ。笑ってごらん。そしたらアリスちゃんの前にいる人も、きっと笑い返してくれるわ。
私の外見を私は知れません。でも内心は分かります。
撮影している間は、無我夢中で写真と被写体に向き合い、とにかく楽しんでいます。
そして独りよがりになりすぎず、モデルと共同作業で作品作りをしていく姿勢を崩さないよう、できるだけキャッチボールするようにしています。
そんな気持ちが伝わっていたら、いいかも。
自分の作品は好きか
そしてもう一つ。
本人がつらいと思って歌う謳は、聞いている人にもつらく伝わるわ。歌うための技術はもちろん必要よ。だけど、何より大切なのは歌うことが大好きだという気持ち。アリスちゃんの謳をアリスちゃん自身が好きになってあげなくて、他の誰が好きになってくれるというの?
ARIAという作品において、私が一番好きなシーンへの導入での台詞です。
私自身の写真に対して、私は満足をしていません。反省点は数多くあり、技術・知識の両面で至らなさを感じています。
しかし、明らかな失敗を除いて、完成された写真たちを私は好きでいます。
そもそも被写体のスキなところを撮っているです。そのスキを解釈して、感じたステキを伝えるべく撮った写真を嫌いとは言えません。
特にポートレート撮影では、リアルタイムで感想を投げかけています。
直感を表現することが苦手な私からの、精一杯の「あなたのここがスキ」「こんな姿がステキ」を連投しています。
かつての自分だったら「キモい」と罵られたのかも知れないですが、何が変わったのか喜んでもらえていると解釈することにします。
もう一歩先
また撮ってほしい、という言葉は非常に嬉しい言葉です。
でも現を抜かしていたらいけません。
欲張って、もう一歩先を求めるとしたら、「誰かに見せたい」「○○に写真を使いたい」という声を増やしたいです。
一度プロフィール用写真を撮影した際に言って頂いたのですが、表には出さずとも内では大喜びした記憶が残っています。
被写体を通したその先、被写体・モデルが好きな人の「スキ」にコンテンツを届ける。
そのために起用したいと思ってもらえるようなカメラマンになれたらいいなと。
さいごに
『ARIA The CREPUSCOLO』みて…
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